東大女性比率を上げるべきか? ― 2024年07月01日

東京大学の入学式で、藤井輝夫総長は「女性への構造的差別から脱却するため、学生の女性比率を30%にする」と宣言した。新入生3126人のうち、女性は646人(20.7%)である。藤井氏は「女性比率が30%を超えると、女性個人の能力や技能に応じた貢献が可能になり、意思決定プロセスに影響を与え、組織の変革を促進できる。これは公正な社会の実現に向けた最初の目標となる」と述べた。入学や就職における人種・性別枠を設けるアファーマティブアクションについては、米国最高裁で違憲と判断されたこともあり、有能な人が採用されず逆差別だという議論が起こっている。アファーマティブアクションは、元々黒人差別解消の政策の一つとして米国で半世紀以上前から取り組まれてきたが、その後、マイノリティーの擁護政策として様々な分野に広がってきた。最近では行き過ぎだという議論が起こり、その対立が国民を分断し、過激なテロ行為にまで発展している。また、議員の性別枠を設けて半々にすべきだという議論もある。有権者と同じ比率で性別による意思の違いを反映するという意味であろう。ただ、女性が必ず女性に投票するわけでもなく、候補者が必ずしも同じ性の民意を反映するという保証はない。これは形式民主主義であり、人々の自由な意思を縛ってしまうようにも感じる。
高校や大学の入学については、入学試験の点数上位から順番に合格させれば良い。性別枠によって、他の性別より得点が低くても入学できる仕組みは、双方の差別意識を助長することもある。社会的差別の度合いの判断は、文化的背景など様々な要因に左右される。一律的な性別枠の決定は、潜在していた不平等感を顕在化させ分断を激化させる危険性もある。仮に性別枠を設けたとしても、既得権としていつまでも続けるべきものではない。ただし、東京大学は相変わらず権威主義の傾向が強い。その影響か、東大は高級官僚を多く輩出しているが、既得権を突破して時代の流れに柔軟に対応できる東大出身官僚が少ないようにも感じる。東大に限っては、国策として一気に性別半々の入学枠や低所得家庭の枠を設けたほうが良い。官僚試験も性別半々の採用枠を設けるくらいの勢いがなければ、この国は変わらないとも感じる。東大に限ってはアファーマティブアクションを強力に実行して大学改革をすべきである。
高校や大学の入学については、入学試験の点数上位から順番に合格させれば良い。性別枠によって、他の性別より得点が低くても入学できる仕組みは、双方の差別意識を助長することもある。社会的差別の度合いの判断は、文化的背景など様々な要因に左右される。一律的な性別枠の決定は、潜在していた不平等感を顕在化させ分断を激化させる危険性もある。仮に性別枠を設けたとしても、既得権としていつまでも続けるべきものではない。ただし、東京大学は相変わらず権威主義の傾向が強い。その影響か、東大は高級官僚を多く輩出しているが、既得権を突破して時代の流れに柔軟に対応できる東大出身官僚が少ないようにも感じる。東大に限っては、国策として一気に性別半々の入学枠や低所得家庭の枠を設けたほうが良い。官僚試験も性別半々の採用枠を設けるくらいの勢いがなければ、この国は変わらないとも感じる。東大に限ってはアファーマティブアクションを強力に実行して大学改革をすべきである。
内申書から出欠記録欄削除 ― 2024年07月02日

公立高入試の内申書から出欠記録の欄を削除する動きがある。家族の世話や介護をするヤングケアラーの存在など、子どもを取り巻く社会問題が欠席内容にはあるからだという。岐阜県は2025年度から「欠席記録」の欄を廃止する。文部科学省が昨年6月、内申書に出欠記録が、体調不良など本人の責任によらない欠席が不利にならないよう配慮を求めたことや、欠席数を気にして体調不良でも無理して登校したり、保護者が出席を強いたりする懸念も理由に挙げた。23年度入試の時点で全国では、東京都、神奈川県、大阪府、奈良県、広島県が出欠記録欄を廃止しているという。内申点の学力評価は各校の絶対評価で示され8割方は3・4・5とつき目標を達成していると報告されるが高校側はあてにはしていない。学力は入学試験でほぼ客観的に判断できるからだ。受験校が知りたいのは、日常生活の様子だ。責任感や思いやりといった「行動の記録」にマルを付けたり、欠席の理由などを詳細に求めたりする県も多い。部活動などの実績の記述は、事前に生徒と相談するのが一般的だが、「途中で退部したことが不利になるのでは」といった不安も生徒にはある。この内申書がなくなると生徒指導の歯止めがなくなるという学校現場の意向も根強い。
特定の子供の欠席事情があるから、学力や意欲と関係のない出欠記録は必要ないということらしい。出欠状況というのは、3年間の子供の様子を端的に表す数値でもある。そこから、なぜその出欠日数だったのかという教育的な読み解きのきっかけにもなる。欠席数が多いのは体調であったり周囲の支援が行き届かなかった結果であり、子どもの責任ではない。むしろ特別な支援が必要なのだと詳しく報告するのが大人の責任だ。それを知られるのが嫌だというなら保護者の判断で内申書やその一部を提出しないことを認めればよい。特別の問題があるからと言って、平等の名のもとに全体の枠組みを変えてしまうやり方はあまりも安易な事なかれ主義ともいえ、かえって特別の問題への支援を遅らせてしまう。
特定の子供の欠席事情があるから、学力や意欲と関係のない出欠記録は必要ないということらしい。出欠状況というのは、3年間の子供の様子を端的に表す数値でもある。そこから、なぜその出欠日数だったのかという教育的な読み解きのきっかけにもなる。欠席数が多いのは体調であったり周囲の支援が行き届かなかった結果であり、子どもの責任ではない。むしろ特別な支援が必要なのだと詳しく報告するのが大人の責任だ。それを知られるのが嫌だというなら保護者の判断で内申書やその一部を提出しないことを認めればよい。特別の問題があるからと言って、平等の名のもとに全体の枠組みを変えてしまうやり方はあまりも安易な事なかれ主義ともいえ、かえって特別の問題への支援を遅らせてしまう。
柚木さんちの四兄弟 ― 2024年07月03日

現在放送中のNHK夜ドラ「柚木さんちの四兄弟。」は、四兄弟のありふれた日常の中に、思わぬトラブルやすれ違いがありながらも、4人の笑顔と癒やしでほっこりとした気持ちにさせてくれる。このベタの典型を行く連続テレビドラマにはまっている。藤沢志月による2018年より連載中の漫画作品で、昨年10月にテレビアニメが放送された。そして5月よりNHK総合「夜ドラ」枠で放送している。漫画もアニメも観たことはないが、ドラマは超べたべたのファミリードラマに仕上がっている。役者のセリフもわざと三文芝居のようなセリフ回しを多用し、かつてのNHKの中学生日記を上回るベタなストーリー展開となっている。
中でも四男・岳を演じる永瀬矢紘(6歳)が良い。小学一年生だが、落ち着いていてとても大人びた子供。他の兄弟がベタ台詞なので大人のセリフ回しで演じるのが余計に引き立つ。永瀬矢紘の姉は『監察医 朝顔』で主人公(上野樹里)の娘・つぐみ役の永瀬ゆずな。きょうだいともに愛らしく芝居上手で視聴者を引き付ける。最近記憶喪失モノや殺人モノが多い中、兄弟や家族、友達を暖かく描き家族全員でも安心して観られるドラマだ。それが何故子供の眠る時間帯なのかは謎だが心が洗われる。
中でも四男・岳を演じる永瀬矢紘(6歳)が良い。小学一年生だが、落ち着いていてとても大人びた子供。他の兄弟がベタ台詞なので大人のセリフ回しで演じるのが余計に引き立つ。永瀬矢紘の姉は『監察医 朝顔』で主人公(上野樹里)の娘・つぐみ役の永瀬ゆずな。きょうだいともに愛らしく芝居上手で視聴者を引き付ける。最近記憶喪失モノや殺人モノが多い中、兄弟や家族、友達を暖かく描き家族全員でも安心して観られるドラマだ。それが何故子供の眠る時間帯なのかは謎だが心が洗われる。
クマの人身被害 ― 2024年07月04日

兵庫県養父市山間部で、70代の男性がクマに襲われ顔や腕、両足にケガをし、病院に搬送された。男性は「罠を見てくる」と話して外出した後、「クマが罠にかかっていて、罠が外れて逃げ出して襲われた」という。最近、クマの出没情報が毎日のように報道されている。夏本番を前にキャンプに出掛けようという人は二の足を踏んでしまう。襲われているのは日中で夜間の報道はないが、恐ろしくてテント中で眠っていられない。クマが増えているのは間違いはない。環境省の報告だと、昨年のツキノワグマの出没軒数は2万7千件で10年前の3倍以上に増加している。人身被害も200件近くありこれも4倍以上に増加した。出没時期は10月が最も多いのは変わらない。被害地域は東北が140件と全国の7割近くを占め秋田県(62件)、岩手県(46件)で多くの人身被害が発生しており、関東以南では大きな変化は見られず、北海道のヒグマの人身被害も増えてはいない。夏秋は東北山間部でのキャンプは控えたほうがよさそうだ。
クマの狩猟等の昨年捕獲数は9000頭、10年で4倍以上だがその多くは東北地方で増えている。気になるのはツキノワグマの狩猟捕獲が4年前から0件になっていることだ。狩猟をする人が高齢化して山に入れなくなったのかどうかは分からないが全て許可捕獲となっている。ツキノワグマはレッドリストでは「危急種(VU)」にランキングされているが、捕獲が違法ということではない。法律上、クマは誰の所有物ではない「無主物」となり勝手に捕獲などをすることはできず、知事などの許可を受けて、「狩猟捕獲」「有害捕獲」と法的な根拠に基づいて行なわれている。クマと人間の共存を掲げて捕獲禁止の活動する団体もあるが、共存は人間同士でも生易しいものではない。荒れ放題の山を放置し、その山を切り開いて太陽光パネルで覆い尽くせばクマが川沿いに歩いて人里に下りてくるのは当然だ。森林を保全し適度な狩猟でクマを威嚇して棲み分ける以外に人身被害を防ぐ方法はない。
クマの狩猟等の昨年捕獲数は9000頭、10年で4倍以上だがその多くは東北地方で増えている。気になるのはツキノワグマの狩猟捕獲が4年前から0件になっていることだ。狩猟をする人が高齢化して山に入れなくなったのかどうかは分からないが全て許可捕獲となっている。ツキノワグマはレッドリストでは「危急種(VU)」にランキングされているが、捕獲が違法ということではない。法律上、クマは誰の所有物ではない「無主物」となり勝手に捕獲などをすることはできず、知事などの許可を受けて、「狩猟捕獲」「有害捕獲」と法的な根拠に基づいて行なわれている。クマと人間の共存を掲げて捕獲禁止の活動する団体もあるが、共存は人間同士でも生易しいものではない。荒れ放題の山を放置し、その山を切り開いて太陽光パネルで覆い尽くせばクマが川沿いに歩いて人里に下りてくるのは当然だ。森林を保全し適度な狩猟でクマを威嚇して棲み分ける以外に人身被害を防ぐ方法はない。
ふるさと納税 ポイント業者禁止 ― 2024年07月05日

総務省が、利用者に対しポイントを付与する仲介サイトを通じた寄付の募集を来年10月から禁止すると発表した。総務大臣は「(寄付者が)かなり追加的なメリットを得られたものを、適正化をさせていただくということ」と狙いを説明した。一方、仲介サイトを運営する楽天グループは発表を受けて反対の署名活動を開始している。納税しても何に使われているか分からないという国民の思いに応えたのがふるさと納税(寄付)制度だ。住民税の3割程度の金額まで納税先を自分の意志で決定できる。納付先の自治体は使用目的を明記して寄付が募集できるので、人口が少ない自治体などは工夫次第で収入を増やして新しい事業が起こせる。また、寄付金の3割までの返礼品があるので、寄付者にとっては事実上の節税になる。例えば5万円を寄付すれば在住自治体の税額は4万8千円が控除される。最大1万5千円の返礼品があれば事実上の納税額は3万3千円で3割程度の節税となる。これは税法上は節税とは言えず正確には家計の経済効果というらしいが、ふるさと納税が国民から肯定的に受け入れられ寄付が増えている理由でもある。
ところが、地方から金を集めて地方に配る権限が縮小するとばかりに規制を加え続けているのが総務省だ。地方の規則は各地方議会で決めるのが筋なのに、国が決めようとするのだ。施行当時は無制限だったものを、5年前に3割以下の返礼品と総務省が変えた。国と地方にとっては税収の1%未満の税収額、国民にしてみれば収入の3%ほどの納税方法に目くじらを立てて規制を加えようとする。納税者も自治体も返礼関係業者も「三方良し」の寄付行為に口をはさむ、共産党独裁政権のような強権的姿勢は納得できない。
ところが、地方から金を集めて地方に配る権限が縮小するとばかりに規制を加え続けているのが総務省だ。地方の規則は各地方議会で決めるのが筋なのに、国が決めようとするのだ。施行当時は無制限だったものを、5年前に3割以下の返礼品と総務省が変えた。国と地方にとっては税収の1%未満の税収額、国民にしてみれば収入の3%ほどの納税方法に目くじらを立てて規制を加えようとする。納税者も自治体も返礼関係業者も「三方良し」の寄付行為に口をはさむ、共産党独裁政権のような強権的姿勢は納得できない。
うなぎ ― 2024年07月06日

うな重の恋しくなる土用の丑。今年は7/24と8/5。五行思想では世界は木・火・土・金・水で構成すると考え、季節では春に育つ木、夏は燃える火、秋は実りの金、冬は静かな水と当てはめた。ひとつ余った「土」は、種をたくわえ、芽を出させるという土の働き(土用)に着目して、春夏秋冬に4分割して立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間が割り振られた。運気が変化する時期ともいわれる。十二支の丑は、18日間に1~2回来る。「紐(ひも)・絡む」の意味で、「種の中で芽が育ちつつ、まだ伸びていない」胎動期として考えられてきた。特に梅雨明けに重なる夏の土用の丑の日は夏越の食物を食べた。土用の丑は鰻だけでなく、うどん、胡瓜、梅干し、茄子、蜆が土用の丑の縁起物の食用とされてきた。近頃の国産うなぎは1尾4000円を超えるので中国産でいいかと、くら寿司の冷凍鰻を購入した。
中国産と言っても、品種は二ホンウナギでタレも日本製だ。食べ比べてもどちらが日本産かは区別がつかないという。ただ、中国で気になるのは、その管理が行き届いているかどうかだ。中国のうなぎ養殖業は、日本向けの輸出を目的に、北京と上海のほぼ中間地点の江蘇省でうなぎの養殖が始まり、養殖技術は日本の「露地養殖」の技術で生産されている。飼料原料も日本と同じものを使用し日本の規定にあったうなぎを生産している。そうは言っても中国と聞くだけで、尖閣沖領海侵犯、放射能汚染水デマ、中国外交官暴言、日本近海への海洋ブイ無断設置、邦人スパイ容疑拉致、強制労働のソーラーパネル輸出と森林破壊の電力事業参入、軍事や産業のスパイ行為、靖国神社への冒涜行為、日本人襲撃と良いイメージがひとつもない。中国産と知らなければ美味しく頂けるのだが・・・。
中国産と言っても、品種は二ホンウナギでタレも日本製だ。食べ比べてもどちらが日本産かは区別がつかないという。ただ、中国で気になるのは、その管理が行き届いているかどうかだ。中国のうなぎ養殖業は、日本向けの輸出を目的に、北京と上海のほぼ中間地点の江蘇省でうなぎの養殖が始まり、養殖技術は日本の「露地養殖」の技術で生産されている。飼料原料も日本と同じものを使用し日本の規定にあったうなぎを生産している。そうは言っても中国と聞くだけで、尖閣沖領海侵犯、放射能汚染水デマ、中国外交官暴言、日本近海への海洋ブイ無断設置、邦人スパイ容疑拉致、強制労働のソーラーパネル輸出と森林破壊の電力事業参入、軍事や産業のスパイ行為、靖国神社への冒涜行為、日本人襲撃と良いイメージがひとつもない。中国産と知らなければ美味しく頂けるのだが・・・。
馴化 ― 2024年07月07日

以前なら旅に出て2カ月もすると無性に新たな旅に出たくなったのに、最近はちらちらと旅行のWEBサーフィンはするのものの、旅に出かけたいという強い衝動が起こらない。サンデー毎日の生活にもうんざりしている。気に行った動画やドラマを見ていても長続きしない。完全無職になって2年が過ぎたが、この繰り返しのパターンに厭きてしまったのかもしれない。これを心理学では馴化と言う。神経科学者のタリ・シャロットらの、馴化をテーマにした新著『Look Again: The Power of Noticing What Was Always There』(もう一度見てみよう:いつもそばにあったものに気づく力)に詳しい。快適な家や新しい人間関係など、過去に喜びをもたらしてくれたものに反応しなくなり、嫌悪感を覚えていたものにも反応しなくなる。これは、人の進化の原動力でもあるらしい。常にあるものから受ける刺激の減少は、新しい興味を生み出す効果がある。馴化は生存の観点からも有用で、人が慣れてしまう生き物でなかったら、まだ洞窟の中で暮らしていたかもしれないという。感情は思考よりも早く馴化する傾向があるそうで、どんなにお気に入りでも深く愛していても対象に変化がなければ通常2年で最初の感情に戻る。情熱や恋愛感情がやがて色褪せてしまうのは馴化が原因だという。
「脱馴化」には2つの方法がある。1つは、どんなに短くても一定期間だけ普段の環境から離れ、またその環境に戻ることだ。フーテンの旅はそういう意味で良い役割をしているのだが、繰り返すと旅行したい気持ちに馴化が生じているのか。2つ目の方法は、日常に変化をつける場所を変える、違うタイプの人と友だちになる、様々なプロジェクトに取り組む、仕事以外で新しい習い事をする、新しいスキルを身につけるなどだ。研究会の事務局担当はこれに当てはまるが、これも3年経過している。今必要なのは、新しい趣味や交友関係など、少し変えてみる事なんだろう。ただ、自分から変えるにはそれなりのきっかけや馬力がいる。それが面倒で、さらに馴化が進行するという悪循環がなかなか断ち切れない。
「脱馴化」には2つの方法がある。1つは、どんなに短くても一定期間だけ普段の環境から離れ、またその環境に戻ることだ。フーテンの旅はそういう意味で良い役割をしているのだが、繰り返すと旅行したい気持ちに馴化が生じているのか。2つ目の方法は、日常に変化をつける場所を変える、違うタイプの人と友だちになる、様々なプロジェクトに取り組む、仕事以外で新しい習い事をする、新しいスキルを身につけるなどだ。研究会の事務局担当はこれに当てはまるが、これも3年経過している。今必要なのは、新しい趣味や交友関係など、少し変えてみる事なんだろう。ただ、自分から変えるにはそれなりのきっかけや馬力がいる。それが面倒で、さらに馴化が進行するという悪循環がなかなか断ち切れない。
水泳授業を中止 ― 2024年07月08日

高知県の4年生男子が水泳の授業中に溺れて死亡した事故を受け、松下整教育長は小中学校の本年度の水泳授業を中止すると明らかにした。第三者委員会による事故の検証が終わるまで続けるという。事故は、小学校のプールが設備の故障で4~6年生が近隣の中学校プールで授業を行っていたときに発生した。プールには児童36人と教員3人がいた。小学校のプール深度は中学年では90cm程度が目安となっているが、中学校プールは深いところで130cm。授業では、25メートルを泳ぐグループと、プールを横向きに泳ぐグループに分かれており、男子児童は横向きのグループでプールサイドにつかまってバタ足の練習をしていたという。小学校のプール授業における溺死は2012年から4件報告されているが、ここ数年は発生していない。
学校で教師が最も緊張するのは、溺死の危険があるプール指導だ。毎年6月には指導研修として監視体制の手順や救命法の講習を行っている。監視は入水監視と陸上監視に分かれ、監視範囲を分担して指導にあたる。危険度が増すのは、児童が一斉に入水する自由水泳だ。今回のようにプールサイドの指導中に目を離すことはあり得ない。しかも、4年生になってのバタ足指導は首をひねる。泳げない子の指導は、水中での浮遊感覚を育て、その後は息継ぎの指導が重要だ。泳げない子にバタ足を4年間続けても泳げるはずがない。学校プールの話題の度にプール廃止論をいう人らは、泳ぎが苦手で、効果のない指導に苦痛を感じた人が多く、近代的な水泳指導を体験していない人たちだと思う。自然に泳ぎを習得した人も水泳指導の効果を知らず廃止論に追随する。水難による中学生以下の子どもの死者・行方不明者数は、1999年には1044人、2023年には27人まで減少した。指導の良し悪しはともかく学校での水泳教育の普及が子どもの水難死を減らすために貢献したと言える。今回は管理職と教員の監視の怠慢と言うほかないのに、全教職員の責任であるかのように全県で中止するのは筋が違う。矢面に立ち道理で対応するものはおらず、皆首を引っ込めてしまう公務員の事なかれ主義だと言われても仕方ない。なんでも第3者委員会に丸投げすればよいというものではない。
学校で教師が最も緊張するのは、溺死の危険があるプール指導だ。毎年6月には指導研修として監視体制の手順や救命法の講習を行っている。監視は入水監視と陸上監視に分かれ、監視範囲を分担して指導にあたる。危険度が増すのは、児童が一斉に入水する自由水泳だ。今回のようにプールサイドの指導中に目を離すことはあり得ない。しかも、4年生になってのバタ足指導は首をひねる。泳げない子の指導は、水中での浮遊感覚を育て、その後は息継ぎの指導が重要だ。泳げない子にバタ足を4年間続けても泳げるはずがない。学校プールの話題の度にプール廃止論をいう人らは、泳ぎが苦手で、効果のない指導に苦痛を感じた人が多く、近代的な水泳指導を体験していない人たちだと思う。自然に泳ぎを習得した人も水泳指導の効果を知らず廃止論に追随する。水難による中学生以下の子どもの死者・行方不明者数は、1999年には1044人、2023年には27人まで減少した。指導の良し悪しはともかく学校での水泳教育の普及が子どもの水難死を減らすために貢献したと言える。今回は管理職と教員の監視の怠慢と言うほかないのに、全教職員の責任であるかのように全県で中止するのは筋が違う。矢面に立ち道理で対応するものはおらず、皆首を引っ込めてしまう公務員の事なかれ主義だと言われても仕方ない。なんでも第3者委員会に丸投げすればよいというものではない。
教員不足 ― 2024年07月09日

文部科学省が教員不足について全国の教育委員会に調査したところ、今年度の開始時点で、昨年度より状況が「悪化した」と回答した割合が3割に上ったことがわかった。教員不足は、病気や産休などで生じた欠員を埋める非正規の講師が見つからないなどで生じている。2021年度の調査で、2558人が不足している。教員の定年は2023年に61歳に引き上げられたが、予想より退職希望者が多かった。教員の定年は今後、2年ごとに1歳ずつ引き上げられる。文科省は退職が近い教員の意向をより正確に把握するよう見直しも含めて近く通知する方針だという。今の60代は昔より元気なのでもっと働けると定年を延長するところが増えてきた。しかし、他職種と違い小中教員の仕事は多種多様な内容が要求される。教える中身も英語や情報教育が増え、その方法もDX化をはじめ新しい指導スキルが求められている。今まで通りの指導では上からも下からも責められ、保護者からの突き上げも容赦ない。
教職は他の多くの職種のような数値目標は立てにくい。自他ともに目標設定や達成評価が難しいので、どこまでやればよいかキリがつけにくい。職場で居残れば働き方改革だと帰宅させられるが、結局自宅での持ち帰り仕事となる。学校行事や事務仕事に追い立てられ授業準備は後回しになる。また、元気で体力があっても反射力は落ちていく。子供への教育対応は反射力が求められることが少なくない。反射力とは直観力に裏付けられる即対応の能力だ。残念ながら40代をピークにこの能力は落ちていく。60歳を超えても現場で同じように働くというのは、まじめな教員であるほど子供や職場に迷惑をかけてしまうと思うのかもしれない。逆に言えば、定年後も正規で残っているのは反射力の衰えないわずかな教員と自己認知の低い教員かもしれない。授業だけ、行事だけ、事務仕事だけという選択肢を定年後の教員に与えるなら別だが、給与は3割減で今まで通りに働くとなれば、定年前に辞めてしまう教員が減ることはない。
教職は他の多くの職種のような数値目標は立てにくい。自他ともに目標設定や達成評価が難しいので、どこまでやればよいかキリがつけにくい。職場で居残れば働き方改革だと帰宅させられるが、結局自宅での持ち帰り仕事となる。学校行事や事務仕事に追い立てられ授業準備は後回しになる。また、元気で体力があっても反射力は落ちていく。子供への教育対応は反射力が求められることが少なくない。反射力とは直観力に裏付けられる即対応の能力だ。残念ながら40代をピークにこの能力は落ちていく。60歳を超えても現場で同じように働くというのは、まじめな教員であるほど子供や職場に迷惑をかけてしまうと思うのかもしれない。逆に言えば、定年後も正規で残っているのは反射力の衰えないわずかな教員と自己認知の低い教員かもしれない。授業だけ、行事だけ、事務仕事だけという選択肢を定年後の教員に与えるなら別だが、給与は3割減で今まで通りに働くとなれば、定年前に辞めてしまう教員が減ることはない。
落選者の中傷は不快 ― 2024年07月10日

東京都知事選で、インターネット上で人気を集めた前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏は、得票数で前参院議員の蓮舫氏を上回る2位となって存在感を示した。当選した小池氏の得票は291万票で得票率は42%。石丸氏は165万票で24%、蓮舫氏は128万票で18%だった。石丸氏は蓮舫氏に得票率で5ポイント以上の差をつけた。石丸氏は、都内62市区町村のうち53市町村で小池氏に次ぐ2位となった。23区においては全てで蓮舫氏を破った。ネット上ではこの結果をめぐり、落選者への批判で炎上している。当選者への批判や注文は今後も公職にあるから当然だろうが、『水に落ちた犬は叩け』とばかりに落選した候補者を選挙と関係のない中身で批判するのは見苦しい。確かに公職選挙法違反の疑いのある蓮舫氏の公示前街宣や「R(蓮舫)」ステッカーの違法貼り付け、蓮舫陣営の支持者による他候補への集団ヤジの選挙妨害は批判して正す必要がある。しかし、インタビューの答え方が不遜だとか、田舎インテリの典型だとか、生理的に嫌いな人が多いとか、あれこれと落選者の人格に立ち入って叩くのは良くない。
石丸氏のポスター費用未払い分訴訟で敗訴し最高裁の支払い命令の判決があった。これを彼はケチで横暴な人間だと揶揄する批判がある。石丸氏が争ったのは、ポスター260枚とビラ1万6000枚で102万円の請求が高額だというものだ。ネットで注文すればデザイン料を除けば1週間の納品で10万円にも満たないものを、急ぎの発注にせよ102万円が妥当かどうかは意見が分かれるだろう。選挙印刷物の費用が高すぎるというのは以前から問題にされていた。石丸氏のやり方に稚拙さは否めないが言い分は理解できるし、裁判で争う権利はある。敗訴したからと言って人格を非難される道理もない。また、インタビューへの回答が偉そうだという向きもあるが、ネット選挙を飯のタネにする選挙ビジネスについてどう思うかというメディアの質問に、テレビも同じ報道ビジネスだろうという発言は本質を突いている。最初は小池VS蓮舫だと偏向報道で誘導をし、泡沫候補として石丸氏を取り上げなかったテレビ局のどの口が言うのかという発言も納得できる。落選してすでに一般市民となっている人を道理のない中傷で叩くのは見ていて気分の良いものではない。
石丸氏のポスター費用未払い分訴訟で敗訴し最高裁の支払い命令の判決があった。これを彼はケチで横暴な人間だと揶揄する批判がある。石丸氏が争ったのは、ポスター260枚とビラ1万6000枚で102万円の請求が高額だというものだ。ネットで注文すればデザイン料を除けば1週間の納品で10万円にも満たないものを、急ぎの発注にせよ102万円が妥当かどうかは意見が分かれるだろう。選挙印刷物の費用が高すぎるというのは以前から問題にされていた。石丸氏のやり方に稚拙さは否めないが言い分は理解できるし、裁判で争う権利はある。敗訴したからと言って人格を非難される道理もない。また、インタビューへの回答が偉そうだという向きもあるが、ネット選挙を飯のタネにする選挙ビジネスについてどう思うかというメディアの質問に、テレビも同じ報道ビジネスだろうという発言は本質を突いている。最初は小池VS蓮舫だと偏向報道で誘導をし、泡沫候補として石丸氏を取り上げなかったテレビ局のどの口が言うのかという発言も納得できる。落選してすでに一般市民となっている人を道理のない中傷で叩くのは見ていて気分の良いものではない。