自主ゼミ ― 2024年08月01日

大学時代の友人5人が集まって泊りで飲み会をした。1カ月前の同窓会で会えなかったメンバーだ。25年程前にも有馬温泉で集まったが、皆おじいさんになってフロントで顔を合わせても俄かには分からないほど老け込んでいる友人もいた。ただ、声色は変わっていないので話すと45年前の若人が蘇ってくる。自分以外は皆真面目に授業を受けていたメンバーで、卒業と同時に正規採用された。その後、職場や家族に様々あったのは皆同様で途中退職したり行政に行ったり坊主になったりした。飲んだあとは何を話したか定かではないが、日常の百倍は喋ったと思う。だが、酒は昔のようには進まず半分以上余ってしまった。皆歳をとった証だ。
このメンバーは、大学側が主催する実習行事だけでは飽き足らず、自分たちでレポートを作って学部として自主ゼミと称して伊吹山で合宿を企画したのが始まりだ。何を話していたのかは昨夜と同じく全く覚えていないが熱心に取り組んでいたのはよく覚えている。自分はすでに滅びかけていた学生運動に巻き込まれて学部では異質の存在だったが、この仲間が学部から離れないように引き受けてくれていたのだと思う。持つべきものは友達だというがその通りだなと思う。
このメンバーは、大学側が主催する実習行事だけでは飽き足らず、自分たちでレポートを作って学部として自主ゼミと称して伊吹山で合宿を企画したのが始まりだ。何を話していたのかは昨夜と同じく全く覚えていないが熱心に取り組んでいたのはよく覚えている。自分はすでに滅びかけていた学生運動に巻き込まれて学部では異質の存在だったが、この仲間が学部から離れないように引き受けてくれていたのだと思う。持つべきものは友達だというがその通りだなと思う。
五輪ボクシング女子性分化疾患 ― 2024年08月02日

パリ五輪ボクシング女子66キロ級の試合に、昨年の女子世界選手権の性別テストで不合格となったアルジェリア選手が出場した。対戦相手のイタリア選手は強烈なパンチを浴び、開始46秒で棄権した。国際オリンピック委員会(IOC)は試合後、選手の性別はパスポートに基づくとして「すべての人は差別なくスポーツする権利を持っている」とする声明を発表したが、公平性や安全性の観点から物議を醸している。世界選手権は国際ボクシング協会(IBA)が主催するが、五輪からは組織運営や不正判定の問題で排除され、五輪ボクシングはIOC管轄下で行われている。IBAは「競技者の安全と健康を第一に考え、男女間のボクシング試合を決して支持しない」「なぜボクサーを重大なけがにつながる危険にさらすのか理解できない」とIOCを批判した。アルジェリアの選手はIBAの性別テストでXY染色体が検出され、生物学的に男性と判定され女性競技出場を禁止された経緯がある。IOCはアルジェリア国家が女性としてパスポートで認めているものを覆せないという政治的な判断なので、両者の意見はかみ合っていない。その間隙をついてLGBTQ問題としてポリコレで煽って炎上しているという構図だが、この問題はいわゆるLGBTQ問題ではない。選手は見かけ上の身体も、心も女性であり、DNA検査上男性だと判定されたからだ。
アルジェリアの選手(25)は女性の体形をして生まれてきた。16歳までは女子サッカーに参加して活躍したという。その後ボクシングに興味を持ち、練習を始め19歳でデビュー。23歳でIBA世界大会で準優勝するが、翌年の世界大会決勝前にDNA検査でXY染色体と男性ホルモンが女性の規定値以上に検出され失格となる。つまり、性分化疾患と判明したのはこの時だったと推測される。選手にとっては青天の霹靂だったと思う。体形も性自認も周囲の認識も女性だった選手が、検査で男性の筋肉を持つと判明したのだから、選手に責任はない。これがポリコレ騒動に巻き込まれたわけであるから、責任は資格審判をするIOCにある。IBAは極めてまともに選手の安全と試合の公平を主張しているのだが、これまでのトップの独裁的な運営や汚職体質の経歴によってIOCから放逐されているのでIOCへの政治力が働かない。できることは対戦する女性選手が試合をボイコットして世間に訴えるしか方法がないのがもどかしい。
アルジェリアの選手(25)は女性の体形をして生まれてきた。16歳までは女子サッカーに参加して活躍したという。その後ボクシングに興味を持ち、練習を始め19歳でデビュー。23歳でIBA世界大会で準優勝するが、翌年の世界大会決勝前にDNA検査でXY染色体と男性ホルモンが女性の規定値以上に検出され失格となる。つまり、性分化疾患と判明したのはこの時だったと推測される。選手にとっては青天の霹靂だったと思う。体形も性自認も周囲の認識も女性だった選手が、検査で男性の筋肉を持つと判明したのだから、選手に責任はない。これがポリコレ騒動に巻き込まれたわけであるから、責任は資格審判をするIOCにある。IBAは極めてまともに選手の安全と試合の公平を主張しているのだが、これまでのトップの独裁的な運営や汚職体質の経歴によってIOCから放逐されているのでIOCへの政治力が働かない。できることは対戦する女性選手が試合をボイコットして世間に訴えるしか方法がないのがもどかしい。
オール沖縄会議の要請 ― 2024年08月03日

辺野古基地移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡する事故が発生した後、玉城デニー知事の支持母体である「オール沖縄会議」は、沖縄防衛局に対し、事故原因の究明と安全対策が整うまで全工事の中止を求める要請書を提出した。要請書には、「防衛局が辺野古『新基地』建設事業の工事を急がせるため、業者に無理を強いた」「抗議運動に参加している市民には非難されるべき事情は全くない」「民意と憲法に従い、安全に配慮した抗議運動を尊重すること」などの内容が含まれている。防衛局長は「安全を確保する観点から、抗議者が工事車両の前に飛び出さないよう必要な警告を行いながら工事車両の誘導を行ってきた」と述べ、工事を進める意向を示した。一方、「オール沖縄」幹部からは、「抗議者が飛び出したかのような言い分は問題がある」「あなたは沖縄県民を一人殺してしまった責任者だ」などと糾弾されている。これは「盗人猛々しい」と形容される状況である。
辺野古基地移設を巡る代執行裁判では、政府が沖縄県の埋め立て承認取り消しを無効とするため、2015年に法的手段を取った。最高裁は2016年に政府側勝訴を判決し、移設工事が進められることとなった。判決から約8年が経過しているが、反対派は依然として歩道の不法占拠や工事車両の通行妨害を「抗議活動」として続けている。死亡事故は、工事車両入り口で、反対派の一人がダンプの前を歩行したのを止めようとした警備員が巻き込まれて死亡したものである。反対派は歩行者の通行が優先されると主張するが、ダンプが横断しようとするたびにその前で牛歩するのは嫌がらせの妨害行為でしかない。自分たちの抗議活動のために警備員が亡くなったにも関わらず、防衛局に責任を押し付けるのは身勝手な理屈である。「民意と憲法に従」って抗議活動をさせろと主張する一方で、「民意と憲法に従」った最高裁が認めた工事を妨害するのでは筋が通らない。
辺野古基地移設を巡る代執行裁判では、政府が沖縄県の埋め立て承認取り消しを無効とするため、2015年に法的手段を取った。最高裁は2016年に政府側勝訴を判決し、移設工事が進められることとなった。判決から約8年が経過しているが、反対派は依然として歩道の不法占拠や工事車両の通行妨害を「抗議活動」として続けている。死亡事故は、工事車両入り口で、反対派の一人がダンプの前を歩行したのを止めようとした警備員が巻き込まれて死亡したものである。反対派は歩行者の通行が優先されると主張するが、ダンプが横断しようとするたびにその前で牛歩するのは嫌がらせの妨害行為でしかない。自分たちの抗議活動のために警備員が亡くなったにも関わらず、防衛局に責任を押し付けるのは身勝手な理屈である。「民意と憲法に従」って抗議活動をさせろと主張する一方で、「民意と憲法に従」った最高裁が認めた工事を妨害するのでは筋が通らない。
大阪城公園は暑かった ― 2024年08月04日

家人が吉本ライブを観に行くというので、大阪城公園の近くの会場まで行った。自分はそこらでコーヒでも飲んでいれば良いかと駐車場に車を止めてスタバに行くことにした。公園内のスタバは人だらけである。気温は38度で、体温を超えている。誰もが涼みに屋内に逃げたいのはわかるが、このクソ広い大阪城公園に何をしに来たんだとも思う。入店は無理かと思ったが運動がてらにJR公園駅のスタバを目指した。木陰はなんとか歩けるが、10分も歩くと汗が吹き出してきた。駅前はさらに人だかりで皆修行のようにして歩いている。店という店には人が並び、順番を外で待っているだけで卒倒しそうだ。諦めてもときた道を帰る。駐車場で待つしかないので、アプリで車の冷房をいれた。
着いた頃にはよく冷えていた。このアプリは冬にはそう使うことはないが夏場は便利だ。汗でベタベタのTシャツもすぐに乾いた。日曜日とは言えこの殺人的な暑さの中で遊びに来るとは大したもんだとも思うが、年寄りはさすがにいない。年寄りの冷や水に加え、年寄りの夏外出である。全国の熱中症による救急搬送は先週、屋外だけで6000人を超えたという。涼しくなるまで日中はウロウロしてはいけない。
着いた頃にはよく冷えていた。このアプリは冬にはそう使うことはないが夏場は便利だ。汗でベタベタのTシャツもすぐに乾いた。日曜日とは言えこの殺人的な暑さの中で遊びに来るとは大したもんだとも思うが、年寄りはさすがにいない。年寄りの冷や水に加え、年寄りの夏外出である。全国の熱中症による救急搬送は先週、屋外だけで6000人を超えたという。涼しくなるまで日中はウロウロしてはいけない。
ダイビング死亡事故 ― 2024年08月05日

昨日、続けて2件のダイビング死亡事故が報道された。新潟の事故は、佐渡市宿根木地区の沖合約200mの付近でスキューバダイビングのツアーに参加していた男性が死亡した。水深約20mの地点で呼吸装置をつけたり外したりしてパニック状態になっている男性を発見したインストラクターが男性に「酸素(原文ママ)」を供給しながらボートに引き上げたが、男性は心肺停止の状態で病院に運ばれ死亡が確認された。男性はダイビング経験者で、ツアーには8人が参加し、インストラクター2人で対応していた。和歌山の事故は、串本の沖合150メートルほど水深は3メートルから5メートルほどのところでインストラクター1人と一緒に体験プログラムのスキューバダイビングをしていた親子3人のうち2人が溺れて父親が亡くなった。インストラクターが海中に沈んでいる2人を見つけて岸に引き上げたが、父親の死亡が病院で確認された。串本は自分も初心者の時にアドバンスライセンスの講習を受けた経験がある。串本の講習スポットは遠浅で潮が引いているときは重いタンクを担いでかなり岩場を歩いて入水した覚えがある。
体験ダイビングの手順は知らないが、インストラクターが見失うというのだから、水中でのトラブルなのだろう。考えられるのは、潜行が難しい人が多いのでインストラクターが母親の潜行を助けているうちに、すでに潜行した二人が水中で泳いで移動し何かのトラブルで浮上できなかったという可能性がある。体験ダイビングは浅瀬で沈めない人が多いのでウェイトを多めにつけさせる事がある。通常はジャケット(浮き)に空気を入れなくても泳いで浮上できるのだが重すぎて泳ぐだけでは浮上できずパニクって浮上装置のボタンを探せなかったのだろうか。息子に意識があるで海中で何があったかは明らかになるのだろうが、どちらにしても初心者を潜らせるのは事故リスクが高いので少数でもトラブルに対応する指導者と全体を海面から監視する指導者が必要だと思う。佐渡のトラブルは経験者の事故なので、初歩的なミスというよりは海中で体調を崩したトラブルだろう。ダイビング事故の記事にレギュレター(呼吸器)から出る気体を「酸素」と記述されていることが多い。タンクに圧縮充填されているのは「空気」だ。ダイビングを始めて30年たつが事故報道で酸素と記述する記者が減らないのが気になる。
体験ダイビングの手順は知らないが、インストラクターが見失うというのだから、水中でのトラブルなのだろう。考えられるのは、潜行が難しい人が多いのでインストラクターが母親の潜行を助けているうちに、すでに潜行した二人が水中で泳いで移動し何かのトラブルで浮上できなかったという可能性がある。体験ダイビングは浅瀬で沈めない人が多いのでウェイトを多めにつけさせる事がある。通常はジャケット(浮き)に空気を入れなくても泳いで浮上できるのだが重すぎて泳ぐだけでは浮上できずパニクって浮上装置のボタンを探せなかったのだろうか。息子に意識があるで海中で何があったかは明らかになるのだろうが、どちらにしても初心者を潜らせるのは事故リスクが高いので少数でもトラブルに対応する指導者と全体を海面から監視する指導者が必要だと思う。佐渡のトラブルは経験者の事故なので、初歩的なミスというよりは海中で体調を崩したトラブルだろう。ダイビング事故の記事にレギュレター(呼吸器)から出る気体を「酸素」と記述されていることが多い。タンクに圧縮充填されているのは「空気」だ。ダイビングを始めて30年たつが事故報道で酸素と記述する記者が減らないのが気になる。
原爆被災者慰霊 今年も妨害 ― 2024年08月06日

平和記念公園では午前8時から記念式典が開かれたが、公園周辺の道路では同時間帯に「反戦・反核」を訴える団体のデモが行われた。拡声器を使って「岸田政権打倒」などと政治的主張を連呼し、その音声は式典会場内にも届き、今年も「静かな慰霊」が妨げられた。デモだけでなく、夜明け前から平和記念公園内で市の警備強化に抗議する活動も行われた。「中国侵略戦争反対」などと書かれたプラカードやのぼりを掲げた人が集まり、市や県警の退去命令に従わず、座り込みを続けていた。式典が始まる前になると、太鼓を打ち鳴らしながら「松井市長は教育勅語を使うな」「イスラエル代表は出ていけ」などとシュプレヒコールを繰り返した。デモに対抗し、市民団体は「非常識」「不道徳」とのプラカードを持って無言で抗議したという。式典や選挙での拡声器による威圧や妨害が問題になっているが、自分が子どものころは右翼団体の装甲車による大音量の街宣活動が恐ろしかったのを覚えている。それがいつの間にか、「左翼」団体にとって代わった。しかも、慰霊を目的にする式典でもお構いなしに拡声器で妨害を始めたのは銃弾に倒れた安倍元総理の国葬の頃からだ。
彼らの妨害行動は死者の親族、悲しみを慰める人々の気持ちを冒涜し、圧倒的な国民から嫌悪されている。彼らにしてみれば、政治権力が国民を誘導するために「死者」を利用しているというのだろう。自分たちは少数者であるからこそ、世間が注目する慰霊式典で拡声器の力を用いて権力の意図を暴く表現をしているのだと。「表現の自由」を持ち出して妨害行動を正当化しているが、慰霊という表現を侵している自らの行動は顧みない。左翼小児病とは左翼の親玉レーニンの言葉だ。レーニンは、革命運動において非現実的な理論や過度に過激な戦術を採用することは「小児病」(子供っぽい病気)のようなものであり、労働者階級の支持を得られず革命の成功を妨げると指摘した。ただ、このデモに関わる中核派は、レーニンには批判的で、無謀な行動で妥協や協力を拒否する姿勢がウリなのでレーニンを持ち出しても意味がない。要はただのチンピラと同じだ、と言えばチンピラが気を悪くするかもしれぬ。
彼らの妨害行動は死者の親族、悲しみを慰める人々の気持ちを冒涜し、圧倒的な国民から嫌悪されている。彼らにしてみれば、政治権力が国民を誘導するために「死者」を利用しているというのだろう。自分たちは少数者であるからこそ、世間が注目する慰霊式典で拡声器の力を用いて権力の意図を暴く表現をしているのだと。「表現の自由」を持ち出して妨害行動を正当化しているが、慰霊という表現を侵している自らの行動は顧みない。左翼小児病とは左翼の親玉レーニンの言葉だ。レーニンは、革命運動において非現実的な理論や過度に過激な戦術を採用することは「小児病」(子供っぽい病気)のようなものであり、労働者階級の支持を得られず革命の成功を妨げると指摘した。ただ、このデモに関わる中核派は、レーニンには批判的で、無謀な行動で妥協や協力を拒否する姿勢がウリなのでレーニンを持ち出しても意味がない。要はただのチンピラと同じだ、と言えばチンピラが気を悪くするかもしれぬ。
火力発電10社を若者が提訴 ― 2024年08月07日

中学生を含む青年らが、気候変動が若い世代の人権を侵害しているとして、CO2排出量の多い火力発電事業者10社を相手取り、名古屋地裁に提訴した。原告は名古屋市の中学3年生や東京都、奈良県などの大学生ら14~29歳の若者16人で、被告はJERAや東北電力、関西電力など国内の火力発電事業を行う企業計10社。国連のIPCCは、世界の平均気温上昇を1.5度以内に抑えるには2035年までに2019年比で60%削減が必要と指摘している。訴状では、被告企業のCO2排出量が日本のエネルギー起源の排出量の約3割に当たると指摘し、2035年までに65%削減するよう求めている。記者会見で原告の一人、中学3年生は「この暑さは異常です」と訴えた。弁護団は「気候変動で若者世代の生活が脅かされている」と主張したという。その意気や良し、しかし、主張が幼稚すぎて痛々しくもある。
背後で支援した誰かさんはもう少し彼らに勉強させてほしかった。日本のエネルギー起源CO2排出量は現在11.5憶トンで2013年度は13.1憶トンなので10年間で13%減った。世界の排出量は現在375億トンで2013年は322億トンなので10年間で16%増えた。世界の排出割合のトップは32%の中国で2023年度は106.5憶トン2013年度は90.2憶トン。10年間で18%増えた。対して日本は世界で3%の排出割合だ。削減努力を公平に比較しようとすれば国の経済規模(GDP)で比較する必要がある。中国のGDPは17兆ドル、日本は4兆ドルだ。原発がほぼ稼働していないのに排出量を減らしてきた日本の火力発電所を問題にすべきか、日本の4倍の経済規模の中国が日本の10倍近いCO2排出をしていることに着目すべきか。事実を積み上げて冷静に考えれば中学生でも判断できるはずだが、子供じみた大人しか彼らの取り巻きにはいないのかも知れない。
背後で支援した誰かさんはもう少し彼らに勉強させてほしかった。日本のエネルギー起源CO2排出量は現在11.5憶トンで2013年度は13.1憶トンなので10年間で13%減った。世界の排出量は現在375億トンで2013年は322億トンなので10年間で16%増えた。世界の排出割合のトップは32%の中国で2023年度は106.5憶トン2013年度は90.2憶トン。10年間で18%増えた。対して日本は世界で3%の排出割合だ。削減努力を公平に比較しようとすれば国の経済規模(GDP)で比較する必要がある。中国のGDPは17兆ドル、日本は4兆ドルだ。原発がほぼ稼働していないのに排出量を減らしてきた日本の火力発電所を問題にすべきか、日本の4倍の経済規模の中国が日本の10倍近いCO2排出をしていることに着目すべきか。事実を積み上げて冷静に考えれば中学生でも判断できるはずだが、子供じみた大人しか彼らの取り巻きにはいないのかも知れない。
長崎平和祈念式典 市長会見 ― 2024年08月08日

長崎市の平和祈念式典にイスラエルを招待しなかったことについて、G'7各国大使が参加を拒否したことが話題になっている。市長は、イスラエルを招待しないことでG7各国やEUから不満の書簡が届き、イスラエルを除外することが誤った印象を与えると指摘されたと明かした。市長は、政治的理由ではなく、平穏かつ厳粛な式典を行うための判断だったと説明した。7月31日にイスラエル大使を招待しないことを決定し、各国に説明したが、理解を得られたとは思っていないと答えた。外務省と情報を共有したが、市長は式典を円滑に進行するための判断を変えない考えを示した。被爆者の声を考慮し、平穏な式典が重要だと強調した。最後に、米国大使が欠席することについても言及し、来年以降の参加を期待したという。要はイスラエルを招待すると式典中に反対派が会場周辺で妨害行為をするのではないかという懸念から招待しなかったということだ。一昨日の広島記念式典でもデモ隊の拡声器の音が中継中のテレビ音声にも入っていた。中継用マイクは周辺音を拾わないように作られているので気になるほどの音量ではなかったが、現地ではかなり耳障りだったと思われる。
被災者の慰霊は静かに開催したいという長崎市長の思いは理解できる。駐日大使らが「ウクライナ侵攻を理由に招待していないロシアやベラルーシとイスラエルを同列に置くことは遺憾で誤った印象を与える」という考えについて市長は「むしろ紛争当事国であるからこそ呼ぶべきだと私自身は思っている」とし分け隔てなくどの国にも参加を呼び掛けるのが本来の式典の在り方だとも述べた。だが、論点は駐日大使の論でも市長の説明のどちらでもない。「静粛な慰霊の場」を拡声器で妨害する輩が来るかもしれないという理由で各国大使の公式招待を選別することは、不当な抗議行動・妨害に屈したことになる。妨害を「成功」させた輩は味を占めさらに増長するだろう。市長が決断すべきは粛々と妨害を排除することであり、それが被爆者への慰霊の真摯な態度ではないか。その場しのぎの事なかれ主義は未来に混乱のつけを残すだけだ。
被災者の慰霊は静かに開催したいという長崎市長の思いは理解できる。駐日大使らが「ウクライナ侵攻を理由に招待していないロシアやベラルーシとイスラエルを同列に置くことは遺憾で誤った印象を与える」という考えについて市長は「むしろ紛争当事国であるからこそ呼ぶべきだと私自身は思っている」とし分け隔てなくどの国にも参加を呼び掛けるのが本来の式典の在り方だとも述べた。だが、論点は駐日大使の論でも市長の説明のどちらでもない。「静粛な慰霊の場」を拡声器で妨害する輩が来るかもしれないという理由で各国大使の公式招待を選別することは、不当な抗議行動・妨害に屈したことになる。妨害を「成功」させた輩は味を占めさらに増長するだろう。市長が決断すべきは粛々と妨害を排除することであり、それが被爆者への慰霊の真摯な態度ではないか。その場しのぎの事なかれ主義は未来に混乱のつけを残すだけだ。
南海トラフ巨大地震 注意 ― 2024年08月09日

8日夕方、宮崎県日向灘で最大震度6弱の地震が発生し、気象庁は初めて「巨大地震注意」を発表した。今回の地震により、別の巨大地震が発生する可能性が平常時より高まっているため、関東から九州の太平洋側などに住む人々には「今後1週間は防災対応をとってほしい」としている。南海トラフとは、駿河湾から日向灘にかけてのプレート境界に沿った海底のくぼ地であり、約100年から150年の間隔で大規模な地震が発生する。前回の南海地震(熊野灘)から約80年が経過しており、南海トラフ巨大地震の発生が予想されている。南海トラフ巨大地震が発生すれば、関東地方から九州地方にかけての広範囲で強い揺れと高い津波が想定される。最悪の被害想定では、死者32万、倒壊・焼失建物は238万棟にのぼり、経済的損失は約215兆円と試算されている。今回の地震が南海トラフ地震に繋がる可能性について、気象庁は初めて「南海トラフ地震臨時情報」を発表し、巨大地震が発生する可能性が高まっていないか調査している。「注意」とは、屋内耐震チェック、避難経路、避難備品装備をしておけということだ。
家人がベッド頭上のエアコンが落ちてこないか心配していたが、冷却パイプが千切れて落下するような揺れは鉄筋家屋が倒壊する規模なので、どちらにしても助からない。ただ2階建てのコンクリート建屋が地震で倒壊した事例は聞かないので大丈夫だとなだめた。心配すべきは電力と水道の供給だ。ここは関電エリアなので敦賀原発が止まらぬ限りは復旧は遅くないとは思うが、災害が広域の場合は復旧要員も被災するので予測はつかない。エアコンと水道が使えねば殺人的な猛暑では何日耐えられるかは自信がない。できることは被災地外に脱出するために車のガソリンを満タンにするくらいしかないが、皆同じことを考えるので簡単には移動はできないだろう。Amazonで非常用トイレを探したが、すでに多くの商品が半月から1か月待ちとなっていた。考えることは同じだ。
家人がベッド頭上のエアコンが落ちてこないか心配していたが、冷却パイプが千切れて落下するような揺れは鉄筋家屋が倒壊する規模なので、どちらにしても助からない。ただ2階建てのコンクリート建屋が地震で倒壊した事例は聞かないので大丈夫だとなだめた。心配すべきは電力と水道の供給だ。ここは関電エリアなので敦賀原発が止まらぬ限りは復旧は遅くないとは思うが、災害が広域の場合は復旧要員も被災するので予測はつかない。エアコンと水道が使えねば殺人的な猛暑では何日耐えられるかは自信がない。できることは被災地外に脱出するために車のガソリンを満タンにするくらいしかないが、皆同じことを考えるので簡単には移動はできないだろう。Amazonで非常用トイレを探したが、すでに多くの商品が半月から1か月待ちとなっていた。考えることは同じだ。
ある晴れた夏の朝 ― 2024年08月10日

小説「ある晴れた夏の朝(小手鞠るい2018)」は、米国の高校生8人が原爆投下の肯定派と否定派の2組に分かれて討論会を開いた話。真珠湾攻撃、日中戦争、日系人部隊、ナチスによるユダヤ人弾圧、人種差別…議論は広がり、深まっていく。しかも過去の断罪にとどまらず、現在も各地で続く紛争にも話が及ぶ。被爆国日本の目線で書かれた戦争の本は多くあるが、アメリカの高校生たちに戦争を語らせるというのは、様々な人種の人たちが共に暮らす異民族国家、アメリカの地で書き続けている小手鞠るいさんならではの本だ。政治信条の違うの者同士が、お互いの意見をじっくり聞くこともなく罵倒しあうメディアやSNSにうんざりさせられている自分には一服の清涼剤だった。中高生向けに書かれた小説なのですぐに読めてしまうのも良い。南京事件や大東亜戦争に至る話は正確さに欠くが、重要なことは原爆投下が必要悪か不必要なのかという本質論から高校生たちがぶれないで討論していることだ。
「もしも日本にふたたび原爆を落とそうとする国家が現れたら、それをストップできるのは、アメリカでしかないわけでしょう。核兵器は平和の実現に、ひと役もふた役も買っている。否定派はそのことをもう少しだけ、認識するべきだと思うのです」という現実的な視点も堂々と述べる。もう一方で「わたしたち人類は、もう二度と同じあやまちを犯してはいけない、と、この慰霊碑は語っているのです。原爆投下は、アメリカの犯した罪ではない。人類の罪だと言っているのです」「原爆とガス室。ふたつの行為は、どちらもまちがったものであった。どちらも憎むべき悪であった。どちらも、醜い人種差別の行き着く先にあるものだった」と起きたことへの正しい評価を繰り返す中で、高校生と聴衆らは一つの結論へと進んでいく。議論とはかくあるべきと思った一冊であった。
「もしも日本にふたたび原爆を落とそうとする国家が現れたら、それをストップできるのは、アメリカでしかないわけでしょう。核兵器は平和の実現に、ひと役もふた役も買っている。否定派はそのことをもう少しだけ、認識するべきだと思うのです」という現実的な視点も堂々と述べる。もう一方で「わたしたち人類は、もう二度と同じあやまちを犯してはいけない、と、この慰霊碑は語っているのです。原爆投下は、アメリカの犯した罪ではない。人類の罪だと言っているのです」「原爆とガス室。ふたつの行為は、どちらもまちがったものであった。どちらも憎むべき悪であった。どちらも、醜い人種差別の行き着く先にあるものだった」と起きたことへの正しい評価を繰り返す中で、高校生と聴衆らは一つの結論へと進んでいく。議論とはかくあるべきと思った一冊であった。