KKパーク2025年02月27日

KKパーク
ミャンマー東部の武装勢力「BGF」は、特殊詐欺の犯罪拠点を一掃する作戦を実施し、7,141人の外国人を解放した。タイ国境近くの「KKパーク」では、多くの外国人が詐欺活動に加担させられていたとみられ、BGFは1月以降、複数の拠点を捜索した。解放された外国人の国籍は中国、ベトナム、インド、エチオピアなど28カ国・地域に及ぶ。KKパークは、2021年の軍事クーデター後の混乱に乗じた中国系犯罪組織が通信インフラを整備し、誘拐や人身売買で集めた外国人を厳しい監視下で長時間労働させる詐欺拠点である。恋愛詐欺、投資詐欺、仮想通貨詐欺などの手口で世界中から金銭を騙し取っていた。ノルマ未達時には拷問が行われるなど非人道的な環境が報告されている。BGFの捜索活動は継続中であるが、犯罪組織の一部は作戦前に逃走したとみられる。国際社会はタイやミャンマーの関係機関と連携し、摘発活動や情報共有を進めている。しかし、問題の根本的な解決にはミャンマー国内の政治的安定と法の支配の確立が不可欠だ。救出された被害者への支援や国際的な連携強化も重要な課題となっている。

同じ特殊詐欺拠点である泰昌パークからは、日本人高校生が救出された。SNSを通じて誘い出された高校生は、タイ経由で拠点に連れ去られ、特殊詐欺の「かけ子」として働かされていたとみられる。同様の事件で、他にも複数の日本人がミャンマーの特殊詐欺拠点に監禁されている可能性があり、関係機関が救出に向けて捜査を進めているという。無法地帯には無法者が蔓延り、時代劇かと思うような人身売買や虐待がこの時代にも続いていることをまざまざと見せつけられる。さかのぼればミャンマー民主政府をクーデターで転覆させた軍政の結果ともいえるが、クーデターでなくとも独裁国家の下で同じような現象が起こっている。深刻なのはSNSの普及で人さらいが世界規模で生じているということだ。海外で一儲けと世界情勢やネットリテラシーの知識のない若者が餌食になっているのは、平和なお花畑の日本人だけではない。「騙される者が悪い」とは言っていられない。

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