ブルーインパルス ― 2025年04月10日

大阪・関西万博の開幕を前に、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が予行飛行を行った。大阪の空に彼らの姿が舞うのは、平成2年の国際花と緑の博覧会以来、実に35年ぶりのことらしい。午前11時40分ごろ、関西国際空港を飛び立ち、府南部を経由して大阪城や万博公園の太陽の塔といった、街の象徴をなぞるように飛行していった。展示飛行は正午から15分間。今回の万博会場である夢洲(ゆめしま)の上空に、白いスモークが描く軌跡が広がった。すべては、万博の開幕を華やかに彩る一幕として企画されたものだ。ちょうど私は太陽の塔の近くのショッピングモールに立ち寄った。いつもは閑散としている立体駐車場が満車で、「何かあるのかな?」と不思議に思いながら屋上階へ上がると、たくさんの人が空を見上げていた。その視線の先に、思い出した。ああ、今日はブルーインパルスが飛ぶ日だった。爆音とともに、6機の編隊がスモークを吐きながら空を駆け抜けていく。わずか5秒ほどの出来事だったけれど、その一瞬に目を奪われた。飛行機雲の向こうに、万博のはじまりの気配が見えたような気がした。
思えば数年前、コロナ禍のさなかに、ブルーインパルスが医療従事者への感謝と励ましを込めて飛んだことがあった。あの時は涙が出た。空に浮かぶその姿が、人と人とが支え合う象徴のように感じられて。今回もまた、「大阪万博、がんばれよ」とエールを送るような飛行だったのだろう。きっとあの空を見上げた多くの人が、その想いに応え、会場へと足を運ぶのだと思う。それにしても、ひととおり空を眺め終えた人たちが、誰も彼もぞろぞろと帰っていくのがちょっと可笑しかった。「あれ、買い物はしないの?」と、心の中でツッコミを入れる。スーパーの棚には、5キロ4300円の米がずらりと並んでいた。備蓄米を放出しても全然安くならないなあ、と思いつつ、ふと思い浮かんだ。いっそ「米をもっと作ろう!」というメッセージで、ブルーインパルスがまた空を飛んでくれたら面白いのに。そんな突拍子もないことを考えながら空を見上げた。
思えば数年前、コロナ禍のさなかに、ブルーインパルスが医療従事者への感謝と励ましを込めて飛んだことがあった。あの時は涙が出た。空に浮かぶその姿が、人と人とが支え合う象徴のように感じられて。今回もまた、「大阪万博、がんばれよ」とエールを送るような飛行だったのだろう。きっとあの空を見上げた多くの人が、その想いに応え、会場へと足を運ぶのだと思う。それにしても、ひととおり空を眺め終えた人たちが、誰も彼もぞろぞろと帰っていくのがちょっと可笑しかった。「あれ、買い物はしないの?」と、心の中でツッコミを入れる。スーパーの棚には、5キロ4300円の米がずらりと並んでいた。備蓄米を放出しても全然安くならないなあ、と思いつつ、ふと思い浮かんだ。いっそ「米をもっと作ろう!」というメッセージで、ブルーインパルスがまた空を飛んでくれたら面白いのに。そんな突拍子もないことを考えながら空を見上げた。