『鬼滅の刃』無限城編2025年09月19日

『鬼滅の刃』無限城編
とうとう映画のネタも尽き、暇つぶしに観られる実写映画がなくなってしまった。残されたのはアニメ映画だけ。仕方なく(?)選んだのは「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座(あかざ)再来」。結果から言えば、やっぱりすごかった。公開から60日で観客動員数2304万人、興行収入330億円を突破し、国内歴代2位の記録を叩き出したのだという。あの「無限列車編」が社会現象級の大ヒットだったが、今作もそれに続く勢い。迫力ある戦闘シーンと完成度の高さが高く評価され、海外でも125か国で公開され、観客数は累計3196万人、興収349億円。もはや世界規模で「国民的作品」と言ってもいいのだろう。専門家によれば、普遍的なテーマである「正義は必ず勝つ」が国境を越えて共感を呼び、この地位を確固たるものにしたという。

比較として挙げられるのが「国宝」。こちらも102日間のロングラン上映で大ヒットと話題になったが、観客動員1000万人、興収142億円と、『鬼滅』の半分にも届かない。しかも鬼滅は前作が歴代1位、今作が歴代2位というのだから、その破壊力は桁違いだ。それにしても、ここ数年の日本アニメの技術的進歩には目を見張るものがある。今回も戦闘シーンで巻き上げる砂埃が「これ実写じゃないのか?」と思うほどリアルで驚かされた。物語の中心は、前作で煉獄を破った上弦の参・猗窩座と炭治郎の死闘。首を切っても頭が再生し、なかなか死なない猗窩座。だがクライマックスで彼は人間だったころの愛を思い出し、再生力を失って力尽きる――そんな展開だった。正直、少し拍子抜けの最期に感じたのも事実だ。

上映時間は155分。トイレタイムぎりぎりで、中座せずに最後まで観られたのは幸運だった。「無限城編 第一章」というタイトルから察するに、ナンバー1の鬼を倒すまでにあと2作、そして最終的に鬼舞辻無惨を討つまでにはあと3作くらい必要になるのだろう。ファンにとっては楽しみが続くが、こちらとしては「どうか上映時間はトイレを気にしなくて済む2時間以内に収めてほしい」と心の底から願うばかりだ。

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