農政とメディアの罪 ― 2025年12月09日
日本のコメ価格がまた暴騰している。5キロ4500円を超える地域も出た。スーパーに行けば「新米」の値札を見て「えっ?」と二度見する主婦の姿が日常だ。でも不思議なことに、テレビや新聞は「農家が可哀想」「天候不作」「輸入米が高くなった」といった表層的な話ばかり。誰もが知っているはずの、あの超基本的な経済学の法則を誰も口にしない。「需要と供給のギャップが価格を決める」これだけだ。高校の公民の教科書に載ってるレベルの話である。供給が足りなければ値段は上がる。 供給が余れば値段は下がる。たったこれだけのことが、日本のコメ農政では50年間、徹底的に無視され続けてきた。
石破政権のとき、コメ価格が高止まりすると、メディアは一斉に「減反政策が諸悪の根源!」と大合唱した。確かに減反はバカげている。安全保障上、食料はできるだけ国内で作るべきなのに、わざわざ作るなと補助金まで出していたのだから。だが、「じゃあ増産したら価格が暴落したとき、農家の生活はどうなるんですか?」 この超当たり前の質問を、誰も真正面からしなかった。
増産が政府の方針であるなら、価格下落時のリスクは政府が全面的に負担するのが筋だろう。財源について?減反のために毎年数千億円も投じていた補助金をそのまま振り向ければ済む話だ。価格の暴落は毎年起こるわけではなく、春の予算確定時には変動を予測できない。だから、暴落時には補正予算で対応し、足りなければ「コメ国債」を発行すればよい。それなのに政府は「市場原理に任せろ!」と叫ぶばかりだ。市場原理とは、農家が潰れることまで含めての話なのか。
政権が変わって鈴木農林水産大臣の時代になると、今度は真逆のコントが始まった。主食米がまだ20万トンも足りないというのに、なぜか備蓄米を慌てて買い上げる。そして来年はまた「生産調整」(=減反復活)だと言う。はあ?不足してるって言ってるのに、なんでまた作るなって言うんですか?鈴木大臣が言うには、需要に応じた生産をするというが、その需要量の予測がはずれたからコメが一斉に店頭から無くなりべらぼうな米価となった。そもそも予測ができない需給ギャップに手を付けて失敗してきたのがコメ政策の歴史だ。市場に価格を任せるなら「調整」するのは矛盾しているのだ。
この明らかな矛盾を、メディアはスルーした。 「お米券がまた復活!」とか「農協が喜んでる!」とか、まるでグルメコラムみたいな小ネタばかり取り上げて、肝心の本丸には誰も踏み込まない。石破時代は「減反批判しすぎ」 鈴木時代は「矛盾だらけなのに批判なさすぎ」まるでプロレスだ。政権が替わると、前の政権への批判は全部チャラ。新しい政権にはまたハネムーン期間。その繰り返しで、政策の根本的な欠陥は50年経っても放置されたまま。
これのどこがジャーナリズムだ。本来やるべきことは簡単だ。
1. 減反を全廃して、できるだけたくさん作らせる
2. 価格が下がりすぎたら、政府が差額を農家に補填する
3. その財源は減反補助金をそのまま転用
これで食糧安全保障も向上するし、価格も暴騰しない。農家も安心して種をまける。なのに、なぜか誰もこの「当たり前の解」を大声で言わない。「市場競争に任せろ」とか「農家も経営努力を」とか、責任逃れの綺麗事ばかり。
コメ5キロが4500円もする国で、「市場競争」なんて言ってる場合じゃないだろう。高校生でもわかる需給の話を、大人たちが50年間、頑なに無視し続けている。そしてそれをちゃんと突っ込まないメディアも、共犯だ。
もういい加減にしてほしい。せめて週刊誌の一コラムくらいは、「高校公民レベルの経済学」をちゃんと書いてもいいんじゃないか。だって、それすらできないんじゃ、 コメの値段について語る資格なんて、どこにもないから。
石破政権のとき、コメ価格が高止まりすると、メディアは一斉に「減反政策が諸悪の根源!」と大合唱した。確かに減反はバカげている。安全保障上、食料はできるだけ国内で作るべきなのに、わざわざ作るなと補助金まで出していたのだから。だが、「じゃあ増産したら価格が暴落したとき、農家の生活はどうなるんですか?」 この超当たり前の質問を、誰も真正面からしなかった。
増産が政府の方針であるなら、価格下落時のリスクは政府が全面的に負担するのが筋だろう。財源について?減反のために毎年数千億円も投じていた補助金をそのまま振り向ければ済む話だ。価格の暴落は毎年起こるわけではなく、春の予算確定時には変動を予測できない。だから、暴落時には補正予算で対応し、足りなければ「コメ国債」を発行すればよい。それなのに政府は「市場原理に任せろ!」と叫ぶばかりだ。市場原理とは、農家が潰れることまで含めての話なのか。
政権が変わって鈴木農林水産大臣の時代になると、今度は真逆のコントが始まった。主食米がまだ20万トンも足りないというのに、なぜか備蓄米を慌てて買い上げる。そして来年はまた「生産調整」(=減反復活)だと言う。はあ?不足してるって言ってるのに、なんでまた作るなって言うんですか?鈴木大臣が言うには、需要に応じた生産をするというが、その需要量の予測がはずれたからコメが一斉に店頭から無くなりべらぼうな米価となった。そもそも予測ができない需給ギャップに手を付けて失敗してきたのがコメ政策の歴史だ。市場に価格を任せるなら「調整」するのは矛盾しているのだ。
この明らかな矛盾を、メディアはスルーした。 「お米券がまた復活!」とか「農協が喜んでる!」とか、まるでグルメコラムみたいな小ネタばかり取り上げて、肝心の本丸には誰も踏み込まない。石破時代は「減反批判しすぎ」 鈴木時代は「矛盾だらけなのに批判なさすぎ」まるでプロレスだ。政権が替わると、前の政権への批判は全部チャラ。新しい政権にはまたハネムーン期間。その繰り返しで、政策の根本的な欠陥は50年経っても放置されたまま。
これのどこがジャーナリズムだ。本来やるべきことは簡単だ。
1. 減反を全廃して、できるだけたくさん作らせる
2. 価格が下がりすぎたら、政府が差額を農家に補填する
3. その財源は減反補助金をそのまま転用
これで食糧安全保障も向上するし、価格も暴騰しない。農家も安心して種をまける。なのに、なぜか誰もこの「当たり前の解」を大声で言わない。「市場競争に任せろ」とか「農家も経営努力を」とか、責任逃れの綺麗事ばかり。
コメ5キロが4500円もする国で、「市場競争」なんて言ってる場合じゃないだろう。高校生でもわかる需給の話を、大人たちが50年間、頑なに無視し続けている。そしてそれをちゃんと突っ込まないメディアも、共犯だ。
もういい加減にしてほしい。せめて週刊誌の一コラムくらいは、「高校公民レベルの経済学」をちゃんと書いてもいいんじゃないか。だって、それすらできないんじゃ、 コメの値段について語る資格なんて、どこにもないから。