家計支出と政府支出の違い2025年01月31日

家計支出と政府支出の違い
財務省の試算によると、2028年度の国債費は約7.1兆円増加し、特に金利上昇による利払い費の増大が財政負担を押し上げる要因と報道されている。これを根拠に「財政破綻」が生じるかのような不安が煽られているが、現実的にはその可能性は低い。財政破綻論の主な根拠として、①金利上昇による利払い費の急増、②日銀の金融政策転換による国債金利の上昇、③プライマリーバランスの赤字拡大、④国債の信認低下と円安・インフレリスクが挙げられる。特に、国債の金利が上がれば利払い費が増え、歳出が圧迫されるため、財政の持続可能性が問題視される。しかし、日本がすぐに財政破綻する可能性は低い。第一に、日本国債は「自国通貨建て」で発行されており、政府が円を発行する限りデフォルトのリスクは極めて小さい。第二に、日銀が国債を買い支えることで金利の急上昇を抑えられる。第三に、日本の家計金融資産は約2000兆円あり、国内で国債を消化する余地がある。過去にも財政破綻論が唱えられたが、実際には破綻していない。さらに、国債の半分程は日銀が保有しており政府が日銀に支払った利子分は結局政府の税外収入として戻ってくるので、何を大騒ぎしているのかと言う話だ。

しかし、この破綻論が政府支出を30年間抑制し、結果として日本の成長を阻害してきた。先進国の政府支出が大幅に増加する中、日本はその半分以下の増加にとどまり、その影響で国民所得は伸び悩み、増税が続く低成長時代が続いた。言い換えれば、財政破綻論が日本の国力を弱めたと言っても過言ではない。財務省やその発表を無批判に報じるメディアが、この30年間の政策の失敗を指摘しないのは不思議である。それどころか、景気が回復の兆しを見せる中で、政府は再び支出の抑制や増税、日銀は金利引き上げを示唆しており、その判断には合理性を欠く。健全な財政運営とは、単なる収支の均衡ではなく、雇用の安定化と消費の増加を促すものであるべきだ。家計支出と同様の視点で財政を運営するだけでは、経済成長は実現しない。収支のバランスを考えることは誰にでもできるが、政府に求められるのは投資とリスクの適切なバランスだ。

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