デモ隊が暴徒化2025年06月10日

デモ隊が暴徒化
ロサンゼルスで、移民・税関捜査局(ICE)による不法移民の一斉摘発をきっかけに、抗議活動が激化している。デモ隊は一部が暴徒化し、車両放火や国境警備隊との衝突も発生。これを受けて、トランプ大統領はまず州兵300人を派遣し、さらにホワイトハウスは州兵2000人の追加派遣を決定。国防長官は海兵隊500人の投入準備にも踏み切った。だが、こうした連邦政府の対応に対し、カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサムは「違法な介入」として反発。州兵派遣の撤回を要求した。トランプ氏はSNSで「不法移民と犯罪者による侵略だ」と警鐘を鳴らし、事態は連邦と州の対立に発展している。

この構図、どこかで見覚えがないだろうか。そう、2020年のBLM(ブラック・ライブズ・マター)運動の時とよく似ている。あの時も、暴動が起きるまでリベラル寄りの州政府や自治体は強制力の行使をためらい、結果として略奪や放火が横行。警察すら介入できない“無法地帯”が各地に広がった。今も一部の住民は、その爪痕に苦しんでいる。不思議なのは、今回のケースでも、暴動が起きてからようやく政府が動いたにもかかわらず、その「予防的措置」に対してメディアが一斉に政府を非難していることだ。かつての暴動時に、メディアや自治体は事態を黙認していたのに。

これは、決して“対岸の火事”ではない。実は、日本の埼玉県でも、川口市を中心に不法滞在外国人の問題が深刻化している。地元住民は繰り返し治安悪化を訴えてきたが、自治体も政府も長く沈黙を保ってきた。ところが、選挙が近づくと、それまで口を閉ざしていた政治家たちがようやく発言し始めるという構図は、あまりに無責任ではないか。日本は海に囲まれ、米国のように陸続きで不法入国される心配は少ない。だが、「ノービザ」で入国できる国が多い現在、空路を利用すれば実質的には“開かれた国境”と変わらない。ビザ免除国からの不法滞在者は、ベトナム・タイ・韓国・中国・フィリピンを中心に4万人を超える。川口に集住するトルコ人も1300人を超え、地域に複雑な影を落としている。

今ならまだ間に合う。だが、米国のように事態が膨れ上がってしまえば、手がつけられなくなるだろう。このような警鐘を鳴らすと、すぐに「外国人差別だ」と決めつける声が上がる。しかし、本質はそこではない。違法なものは違法として摘発する、という当たり前の原則に立ち返ろうというだけだ。地域社会で共に暮らすなら、そのルールや文化を尊重することは当然の前提である。米国でも、日本でも、問われているのは「共生」の本当の意味だ。暴力や違法行為を見て見ぬふりをすることが、寛容ではない。むしろそれは、善良な住民にも移民自身にも、長い目で見れば害をなす。偏った報道が「盗人猛々しい」言説を正当化してはならない。必要なのは、冷静なルールの再確認と、それを実行する覚悟である。

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