選択的夫婦別姓案を衆院提出 ― 2025年04月30日
立憲民主党は選択的夫婦別姓制度の導入に向けた民法改正案を衆院に提出した。この法案では、子どもの姓については平成8年の法制審議会答申案を踏襲し、婚姻時に決定する方式を採用している。当初は、子どもの出生時に両親の協議で決める案も検討されていたが、兄弟姉妹間で姓が異なる懸念が指摘されたことから、他党からの支持も見込める法制審案が選ばれた。夫婦が使用する姓については、結婚前の姓を含めて選択可能とされている。立民は今国会での成立を目指し、与党に対して早期の審議入りを働きかけている。しかし、自民党内では賛否が分かれており、日本維新の会も独自案の提出を模索しているため、法案成立の見通しは不透明だ。立民の辻元清美本部長は、国会審議の争点について「同姓か別姓かではなく、法律で姓を強制するのか、選択可能にするのかが重要だ」と述べている。制度導入を巡る議論は今後も続く見込みであるが、法律で「強制」しているという主張が成り立つのは、通称使用すら認めない場合に限られる。では、立民は現状の何をどう変えたいのだろうか。
法律の改正や新設を正当化する根拠として「立法事実」という概念がある。これは、法改正の必要性を裏付ける社会的・経済的な事情や問題点を指す。たとえば、読売新聞が2月に実施した世論調査では、「夫婦は同じ名字とする制度を維持しつつ、通称として結婚前の名字を使える機会を拡大する」と答えた人が46%で最も多く、「法律を改正して選択的夫婦別姓制度を導入する」と答えた人は27%にとどまった。他の調査でも、子どもの姓が異なることへの懸念が明らかになる中で、これまで「選択制」に同調していた人々が、通称使用の法制化へと立場を変えつつある。すなわち、「別姓を望むのは個人の自由」という立場であっても、「子どもまで別姓に巻き込むのは適切ではない」と判断する人が増えている。こうした状況下で、果たして立法事実が成立していると言えるのだろうか。
経団連も2024年、選択的夫婦別姓制度の導入を求める提言を発表し、旧姓使用に関わるビジネス上の不利益を強調した。しかしその後、自民党などから「旧姓使用に関するトラブルの多くはすでに解消されている」との指摘を受け、経団連は2025年4月に「事実認識が現状に追いついていなかった」と訂正した。この経緯からも、経団連の主張と実際の現場との間に乖離があったことが明らかになった。これもまた、立法事実の不成立を示す一例といえる。それにもかかわらず、選択的夫婦別姓制度に固執しているのは、連合の芳野会長や立民勢力である。彼らは「姓が違っても家族のあり方は変わらない」と述べ、家族の絆や伝統的家族観への懸念に反論し、女性のアイデンティティや人権の観点から制度導入の必要性を主張している。
とはいえ、通称使用が認められている現状において、どれほどの女性がこれを人権問題と捉えているのだろうか。身の回りを見ても、子どもが別姓になることを前提に、なお自分の旧姓を選びたいという女性は、正直ほとんど見かけない。少数ながら強く主張する人々の中には、家制度に基づく戸籍制度そのものに不満を抱いている者もいるようだ。であれば、正々堂々と「戸籍制度の廃止」を訴えるべきであって、戸籍廃止の前段階として夫婦別姓運動に他人を巻き込むのはやめてほしい。
法律の改正や新設を正当化する根拠として「立法事実」という概念がある。これは、法改正の必要性を裏付ける社会的・経済的な事情や問題点を指す。たとえば、読売新聞が2月に実施した世論調査では、「夫婦は同じ名字とする制度を維持しつつ、通称として結婚前の名字を使える機会を拡大する」と答えた人が46%で最も多く、「法律を改正して選択的夫婦別姓制度を導入する」と答えた人は27%にとどまった。他の調査でも、子どもの姓が異なることへの懸念が明らかになる中で、これまで「選択制」に同調していた人々が、通称使用の法制化へと立場を変えつつある。すなわち、「別姓を望むのは個人の自由」という立場であっても、「子どもまで別姓に巻き込むのは適切ではない」と判断する人が増えている。こうした状況下で、果たして立法事実が成立していると言えるのだろうか。
経団連も2024年、選択的夫婦別姓制度の導入を求める提言を発表し、旧姓使用に関わるビジネス上の不利益を強調した。しかしその後、自民党などから「旧姓使用に関するトラブルの多くはすでに解消されている」との指摘を受け、経団連は2025年4月に「事実認識が現状に追いついていなかった」と訂正した。この経緯からも、経団連の主張と実際の現場との間に乖離があったことが明らかになった。これもまた、立法事実の不成立を示す一例といえる。それにもかかわらず、選択的夫婦別姓制度に固執しているのは、連合の芳野会長や立民勢力である。彼らは「姓が違っても家族のあり方は変わらない」と述べ、家族の絆や伝統的家族観への懸念に反論し、女性のアイデンティティや人権の観点から制度導入の必要性を主張している。
とはいえ、通称使用が認められている現状において、どれほどの女性がこれを人権問題と捉えているのだろうか。身の回りを見ても、子どもが別姓になることを前提に、なお自分の旧姓を選びたいという女性は、正直ほとんど見かけない。少数ながら強く主張する人々の中には、家制度に基づく戸籍制度そのものに不満を抱いている者もいるようだ。であれば、正々堂々と「戸籍制度の廃止」を訴えるべきであって、戸籍廃止の前段階として夫婦別姓運動に他人を巻き込むのはやめてほしい。