ギリシャよりもよろしくない ― 2025年05月25日
石破茂首相が5月19日の国会答弁で「日本の財政状況はギリシャよりもよろしくない」と発言し、ちょっとした騒ぎになっている。これは、減税を求めた国民民主党議員への答弁の中で出た一言だが、同党の玉木雄一郎代表は「市場に影響を与えかねない」として問題視。実際にその日の国債市場では長期金利が上昇し、石破発言の影響があったのではという見方も出ている。石破首相は、「日本の財政は厳しい。税収は増えているが、社会保障費も増えており、減税を国債で賄うという考えには賛同できない」と説明した。玉木代表は翌日の会見で「総理の発言は市場に影響を及ぼす可能性がある」と改めて批判。SNSでも「わざわざ国会で言う必要があるのか」といった声が多く見られた。
この話を聞いて思い出すのが、2010年、当時の菅直人首相が参院選の最中に「このままだと1年か2年でギリシャみたいになる」と言って物議をかもした件だ。あのときも「反自民かと思ったら結局増税か」と失望した人も多かったはずだ。その後、民主党政権では2011年に野田佳彦首相がG20で「2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げる」と表明し、実際に2014年に8%、2015年に10%への増税が決まった。これには自民・公明との「三党合意」も絡んでいた。つまり、どの党が政権を取っても、結局は増税路線なのだ。今回の石破発言は、「ギリシャみたいに」ではなく「ギリシャよりも」と言ってしまった。以前の菅発言も批判されたが、その理由は「日本とギリシャの財政状況は根本的に違う」という点だった。日本の国債の約95%は国内で保有されているのに対し、ギリシャは海外投資家の保有比率が高く、国外からの資金が引き上げられたことで危機に陥った。日本の国債利回りは低く、財政赤字は国内資金で賄われている。ギリシャは慢性的な財政赤字で、税収も安定せず、海外から高金利で資金を調達していた。だから同列に語るのは無理がある。
最新のIMFのデータで見ると、日本の政府債務残高はGDP比234.9%、ギリシャは142.2%と、確かに日本の方が高い。ただし、それだけで財政の健全性は語れない。たとえば、年収500万円で1000万円の借金があっても、1000万円の資産があれば問題ない。ギリシャの負債は約4000億ユーロ、公的資産は約1200億ユーロしかなく、バランスが悪すぎる。日本は借金は多いが資産も同程度あるため、財政が破綻する状況ではない。もちろん、日本の財政が健全だと楽観していいわけではない。しかし、今のところは100兆円程度の追加債務があっても大丈夫だという見方もある。問題なのは、まともな議論をせず、「国債の利率が上がって利払いだけで国家が破綻する」といった不安を煽る声が多すぎることだ。ましてや一国の首相が、根拠の薄い例えで「ギリシャよりもよろしくない」と発言するのは、世界に向けて日本の政治家の水準の低さを示しているようなものだ。恥ずかしいから、そういうことは本当にやめてほしい。
この話を聞いて思い出すのが、2010年、当時の菅直人首相が参院選の最中に「このままだと1年か2年でギリシャみたいになる」と言って物議をかもした件だ。あのときも「反自民かと思ったら結局増税か」と失望した人も多かったはずだ。その後、民主党政権では2011年に野田佳彦首相がG20で「2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げる」と表明し、実際に2014年に8%、2015年に10%への増税が決まった。これには自民・公明との「三党合意」も絡んでいた。つまり、どの党が政権を取っても、結局は増税路線なのだ。今回の石破発言は、「ギリシャみたいに」ではなく「ギリシャよりも」と言ってしまった。以前の菅発言も批判されたが、その理由は「日本とギリシャの財政状況は根本的に違う」という点だった。日本の国債の約95%は国内で保有されているのに対し、ギリシャは海外投資家の保有比率が高く、国外からの資金が引き上げられたことで危機に陥った。日本の国債利回りは低く、財政赤字は国内資金で賄われている。ギリシャは慢性的な財政赤字で、税収も安定せず、海外から高金利で資金を調達していた。だから同列に語るのは無理がある。
最新のIMFのデータで見ると、日本の政府債務残高はGDP比234.9%、ギリシャは142.2%と、確かに日本の方が高い。ただし、それだけで財政の健全性は語れない。たとえば、年収500万円で1000万円の借金があっても、1000万円の資産があれば問題ない。ギリシャの負債は約4000億ユーロ、公的資産は約1200億ユーロしかなく、バランスが悪すぎる。日本は借金は多いが資産も同程度あるため、財政が破綻する状況ではない。もちろん、日本の財政が健全だと楽観していいわけではない。しかし、今のところは100兆円程度の追加債務があっても大丈夫だという見方もある。問題なのは、まともな議論をせず、「国債の利率が上がって利払いだけで国家が破綻する」といった不安を煽る声が多すぎることだ。ましてや一国の首相が、根拠の薄い例えで「ギリシャよりもよろしくない」と発言するのは、世界に向けて日本の政治家の水準の低さを示しているようなものだ。恥ずかしいから、そういうことは本当にやめてほしい。