エトロフ遥かなり2023年10月14日

本作は1993年NHKBSオリジナルドラマの再放送。原作は1989年に佐々木譲小説「エトロフ発緊急電」で、山本周五郎賞などを受賞した名著。原作を読んではいないのでNHKの演出かどうかはわからないが、朝鮮人や南京事件の描き方が昨今明らかになってきた史実とはかなり違うので違和感があった。「NHK史観」なので「またか」という感想を持った。九州の炭鉱労働者として強制的に日本に連行されてきたという話や、南京侵攻後日本軍人が現地女性を凌辱したという話は、1990年当時なら自分もそう信じていたので一方的な批判はできないが、そのまま再放送しているあたりがNHKの歴史認識の進歩のなさを物語っている。

ただ、ドラマとしては真珠湾攻撃準備の裏側で祖国が信用できない人々の姿を描いたサスペンスものになっており面白い。冒頭にこのドラマは事実ではないと記されても、史実の重要な部分を事実と嘘を織り交ぜて印象操作をするNHKのプロデューサーらの意図が見え白けてしまう。今更30年前のドラマを修正してとは言えないだけに気持ちよく視聴が出来ないのが残念だ。
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