年金請求書2024年03月24日

65歳の誕生日までに日本年金機構より年金受け取りに関する書類が届く。その中に返送用の年金請求書(ハガキ)が同封されている。繰り下げ受給希望は年金請求書の「繰下げ希望欄」に○で印をつけて、返送するのだ。もちろん繰り下げ受給しない場合は何も選択せずに返信する必要がある。しかし、届いた資料の印象は繰り下げ支給のほうが得だという印象操作がある。繰り下げ受給制度を広く知らしめるための資料だと言えばそれまでだが、「増額させますか?」が大きく書いてあり、最後に「増額させない」選択肢が小さく書いてある。現時点で65歳の人の平均寿命は85歳だと書いてあり、70歳の年金開始なら年金額を42%増額すると書いてある。つまりあと5年待てば約1.5倍の年金額だというわけだ。しかし、現時点で85歳まで全員生存するわけではない。平均なので中央値はわからないが単純に考えればあと20年で半数が死亡する。10年なら1割強が死亡する。そういうことは書かかないまま、70歳なら42%増の文字だけが大きく踊る。

計算をすると最高年額の79.5万円を65歳から20年支給すると総額1590万円だ。比べて70歳開始だと年額112万を15年間支給で1693万でその差約100万だ。この差を得とみるかどうかだ。NISA枠投資で毎月6万円を65歳開始で20年間平均5%運用だと2446万、70歳開始で月9万円を15年間で同率で運用すれば2405万だ。繰り下げ支給は投資運用のリスク抜きで考えるなら得策ではない。厚生年金額にもよるが死亡率も計算した上なら月3万程度は大した差とは言えぬし遊び盛りの70歳まで5年間我慢するほどの価値があるとも思えぬ。
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