プレデター:バッドランド2025年11月21日

プレデター:バッドランド
クリスマスに向けたロードショー直前、これといって観たい映画もなく、ふと足を運んだのが『プレデター』シリーズの第9作『プレデター:バッドランド』だった。タイトルだけは知っていたが、あの異星人キャラクターの悍ましさにどうにも食指が動かず、これまで敬遠してきた。だが、VFX映画であるという一点だけが鑑賞の動機となった。結果としては、思いのほか楽しめた。これならサブスクで最初から観てみてもいいかもしれない、という気にさせられた。

『プレデター』シリーズは、1987年の第1作から始まり、異星の狩猟種族“プレデター”と人類の死闘を描くSFアクションの金字塔として、時代とともに変化を遂げてきた。初期は圧倒的な力を持つ侵略者として描かれたが、やがて異種族間の戦争を描くクロスオーバー展開へと広がっていく。中だるみの時期には、舞台を300年前に戻し、先住民の少女とプレデターの戦いを描くという大胆な試みもあったようだ。人気シリーズではあるが、ストーリー展開には試行錯誤の跡が見て取れる。

そして今回の『バッドランド』では、シリーズ初となる“プレデター視点”の物語が展開される。若きプレデター“デク”は、弱さゆえに一族から追放され、危険な惑星〈ゲンナ〉で生き延びるために戦う。従来の“狩る者”から“狩られる者”への視点転換がなされ、アンドロイドとの共闘や感情の芽生えを通じて、プレデターという存在が単なる怪物ではなく、倫理や感受性を持つ存在として描かれている。

物語終盤、殺戮者である主人公に対し、アンドロイドが孤独や愛を説き、家族や兄弟愛を語るくだりは、ややベタな展開ではある。だが、兄を殺した父に挑み勝利した直後、突如として母親の宇宙船が現れ、「次回へ続く」とばかりに幕を閉じるあたり、10作目への布石は明らかだ。「まだやるのかよ」と思いつつも、「母親ってどんなだよ」と、少しだけ興味を惹かれている自分がいる。