国力研究会 ― 2026年05月24日
JiB(ジブ) という略称は、国力研究会の発足と同時に永田町へポンと投げ込まれた。ところが、この三文字の出生届をたどっていくと、高市首相の強い意志も、麻生太郎氏の「うむ、それでいこう」という鶴の一声も見当たらない。派閥解消でふわふわ宙に浮いた議員たちを、とりあえず一つの“器”にギュッと押し込み、結果として“最大会派”の巨大パックを作る──そのために事務局が若手受けを狙ったのか慌ただしくこしらえた英語風ブランド名らしい、というあたりが実に永田町的である。
そもそも JiB には公式の英語展開がない。Japan initiative Boost(日本のイニシアティブ促進)でも、Japan innovation Base(日本のイノベーション基盤)でも、あとから好きな味をつけられる“空白の三文字”。語感だけがスタスタ先に歩き、意味は後ろで息を切らして「ちょっと待って」と追いかけてくる。そのうえ「JiB」という音は、英語では jibe(しりごみする)を連想させるというのだから、国力研究会の威厳とはどうにも相性が悪い。
では、なぜそんな略称が採用されたのか。背景には、派閥解消で行き場を失った議員たちを“檻”にまとめて収容し、巨大な数字で政権の延命を図るという萩生田氏らの計算があった。三百四十七人を詰め込めば、「党の八割が支持」という巨大なハリボテが完成する。中身がスカスカでも、数字だけは立派に見える。だからこそ、略称も中身より“見た目”が優先された。英語三文字にすれば若者にウケるだろう、という昭和マーケティングの亡霊が、ここでひょっこり顔を出したわけだ。
しかし、この“雰囲気づくり”は見事に裏目に出た。以下の訳の方が完璧に一致するのだ。JiB の「i」はirregular。ただの「不規則」ではない。英語では統制されていない、まとまりがない、即席の、規律を欠いたという、 なかなか手厳しいニュアンスを帯びる。まさに、思想も立場もバラバラの三百四十七人を押し込んだ現状を、ピタリと言い当ててしまった。政策議論は薄味の湯豆腐のように方向性を失い、 JiB の「B」は bunch。 bunch(寄せ集め)と言う単語がぴったり合う。
そして、この“巨大会派”の対極として、反主流派の存在感がむしろクッキリと浮かび上がってきた。JiB が大きくなればなるほど、「政策軸を持つ少数派」という希少種が、かえって目立つ。反主流派は、JiB の曖昧さを背景に、逆説的に“筋の通った集団”として見えてしまう。
さらに、かつて永田町を一喝できた麻生氏の求心力も、この雑多な気配にまぎれて輪郭を失っていく。昭和政治が信じていた「数は力だ」という呪文は、令和の世論の風の前ではすっかり効き目がない。むしろ、数をかき集めた瞬間に力がスルスル抜け落ちていく。語感だけで作られた三文字は、巨大組織の空虚さをそのまま映し出す鏡になってしまったのである。JiB(ジブ):Japan irregular Bunch(日本烏合の衆)。
そもそも JiB には公式の英語展開がない。Japan initiative Boost(日本のイニシアティブ促進)でも、Japan innovation Base(日本のイノベーション基盤)でも、あとから好きな味をつけられる“空白の三文字”。語感だけがスタスタ先に歩き、意味は後ろで息を切らして「ちょっと待って」と追いかけてくる。そのうえ「JiB」という音は、英語では jibe(しりごみする)を連想させるというのだから、国力研究会の威厳とはどうにも相性が悪い。
では、なぜそんな略称が採用されたのか。背景には、派閥解消で行き場を失った議員たちを“檻”にまとめて収容し、巨大な数字で政権の延命を図るという萩生田氏らの計算があった。三百四十七人を詰め込めば、「党の八割が支持」という巨大なハリボテが完成する。中身がスカスカでも、数字だけは立派に見える。だからこそ、略称も中身より“見た目”が優先された。英語三文字にすれば若者にウケるだろう、という昭和マーケティングの亡霊が、ここでひょっこり顔を出したわけだ。
しかし、この“雰囲気づくり”は見事に裏目に出た。以下の訳の方が完璧に一致するのだ。JiB の「i」はirregular。ただの「不規則」ではない。英語では統制されていない、まとまりがない、即席の、規律を欠いたという、 なかなか手厳しいニュアンスを帯びる。まさに、思想も立場もバラバラの三百四十七人を押し込んだ現状を、ピタリと言い当ててしまった。政策議論は薄味の湯豆腐のように方向性を失い、 JiB の「B」は bunch。 bunch(寄せ集め)と言う単語がぴったり合う。
そして、この“巨大会派”の対極として、反主流派の存在感がむしろクッキリと浮かび上がってきた。JiB が大きくなればなるほど、「政策軸を持つ少数派」という希少種が、かえって目立つ。反主流派は、JiB の曖昧さを背景に、逆説的に“筋の通った集団”として見えてしまう。
さらに、かつて永田町を一喝できた麻生氏の求心力も、この雑多な気配にまぎれて輪郭を失っていく。昭和政治が信じていた「数は力だ」という呪文は、令和の世論の風の前ではすっかり効き目がない。むしろ、数をかき集めた瞬間に力がスルスル抜け落ちていく。語感だけで作られた三文字は、巨大組織の空虚さをそのまま映し出す鏡になってしまったのである。JiB(ジブ):Japan irregular Bunch(日本烏合の衆)。