回顧録2023年03月15日

「安倍晋三回顧録」は面白い。官邸の中がどういうパワーバランスで成り立っているのか、官僚と政治家の綱引き、政治家同士の腹の読み合いを赤裸々に語っているところがいい。これを、回顧録はいいとこ取りだ切り取りだと批判するのは簡単だが、一国の首相が語る内容は重い。死人に口なしなのをいいことにして、あからさまに批判するのは己の小ささを証明しているだけに気が付かぬのかと思う。当然、本人が語るのだから、回顧録は全てが真実でもないだろうし言わないことの方が多いに決まっている。そんなことは読み手は分かっている。それでも、さもありなんと読み手が納得するかどうかは読み手の自由である。官僚との闘いはあるに決まっている。官僚が嘘をつくことがないわけがない。彼らは政治家のように国民の前で丸裸にされる心配はないからだ。

政治家と官僚のどちらが嘘つきかという問題でもない。どちらにもまじめに祖国を愛し国民の利益のために働く人はいる。そして、どちらにも、どこの国の人かと国を欺き、自己保身ばかりをする人もいる。安倍さんはそれを赤裸々に語ったところがすごい。言葉は柔らかだが、闘争心を強く感じた。そして、この人を煙たがっている人たちから殺されたかもしれないなと思う。それくらい、情熱を感じる回顧録だった。

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