「迷子/ベビーセンター」トイレ ― 2025年04月16日

国民生活を揺るがす物価高、止まらぬ景気後退——未曽有の国難に立ち向かうべきこのタイミングで、国会で飛び出したのはまさかの“トイレ論争”だった。問題提起をしたのは立憲民主党の石垣のり子参院議員。彼女が槍玉に挙げたのは、2025年関西万博会場に設置される「迷子/ベビーセンター」内の子供用トイレだ。関係者によると、このトイレには大便器が3つ、小便器が2つ設置されており、大便器の間には低めの仕切り。利用対象は0〜2歳の乳幼児で、保護者と共に使うことを前提とした設計。経済産業省も「スタッフが入口で監視することで無断利用を防ぎ、プライバシーは確保されている」という。だが、石垣氏は「一組ごとの利用が基本とはいえ、他の家族が同時に使える運用方針はおかしい」と異を唱え、設計ミスがあるなら速やかに見直すべきだと主張。ネット上では「そんなことに時間を使うな」「育児トイレを知らないのか」といった批判の声が相次いでいる。
というのも、このトイレ構造自体、日本中の保育施設で広く採用されている“お馴染み”のスタイル。保育園や商業施設で子供を育てた経験のある親なら、一度は目にしているはずだ。しかも、会場内には親子トイレも各所に設置済み。乳児トイレに親やスタッフが立ち入るのはむしろ常識で、それを問題視する感覚自体がズレているというのが大方の見方だ。さらに突っ込む声もある。「本当にトイレを問題視するなら、むしろ議論すべきは万博会場に設置されるジェンダーフリートイレでは?」。女性スペースへの男性の立ち入り可能性が指摘されているこの構造には、何故かノータッチの石垣議員。これには「批判のための批判」「野党の存在意義が“難癖”になっている」との指摘も。子供の安全とプライバシーの配慮は確かに重要。だが、野党議員としての貴重な質疑時間を“トイレの仕切り”に費やす姿に、国民が感じたのは“違和感”ではなかったか。
というのも、このトイレ構造自体、日本中の保育施設で広く採用されている“お馴染み”のスタイル。保育園や商業施設で子供を育てた経験のある親なら、一度は目にしているはずだ。しかも、会場内には親子トイレも各所に設置済み。乳児トイレに親やスタッフが立ち入るのはむしろ常識で、それを問題視する感覚自体がズレているというのが大方の見方だ。さらに突っ込む声もある。「本当にトイレを問題視するなら、むしろ議論すべきは万博会場に設置されるジェンダーフリートイレでは?」。女性スペースへの男性の立ち入り可能性が指摘されているこの構造には、何故かノータッチの石垣議員。これには「批判のための批判」「野党の存在意義が“難癖”になっている」との指摘も。子供の安全とプライバシーの配慮は確かに重要。だが、野党議員としての貴重な質疑時間を“トイレの仕切り”に費やす姿に、国民が感じたのは“違和感”ではなかったか。
人気パビリオン予約落選 ― 2025年04月13日

大阪・関西万博がついに開幕した。会場は大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、世界158か国・地域が参加。10月13日までの半年間にわたり、未来社会を体験できる一大イベントである。開幕初日、東ゲート前の広場ではテープカットセレモニーが行われ、日本国際博覧会協会(万博協会)の十倉雅和会長が「大阪・関西万博、ただいま開幕します」と高らかに宣言。博覧会国際事務局(BIE)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長、伊東信久万博担当相、大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市長らも参加し、華やかに開幕を祝った。東ゲートには朝から多くの来場者が列をなし、「世界旅行気分で楽しみたい」「一生の思い出を作りに来た」などの声が飛び交った。午前9時の開門と同時に続々と人々が会場に足を踏み入れ、その様子は予想を超える盛り上がりであった。会場内は家族連れや観光客でにぎわい、晴れやかなスタートを切った。
しかし、開幕前には否定的な報道が目立っていたことも事実である。「チケットが売れていない」「パビリオンが間に合わない」「見るところがない」「メタンガスの危険性」「学校行事では使えない」「食事が高すぎる」「赤字は確実」など、あたかも万博が失敗するかのような論調が多かった。世論調査でも「行く予定がない」が半数を超えていた。だが、実際に始まってみると、会場は大混雑で入場すら困難で、人気パビリオンはほとんど予約が取れない状況が続いている。パビリオンは第5希望まで抽選予約が可能であるが、全て落選したという声は少なくない。筆者も5件すべて外れたひとりであり、現在は入場日を変更して7日前抽選に再チャレンジしているが、当選の気配はない。
「並ばない万博」と謳われていたが、現実は人気パビリオンには「入れない万博」である。当日抽選も存在するが、ディズニーやUSJを体験している者であれば、人気アトラクションは「ほとんど当選できない」という厳しさを知っている。あえて夜間や梅雨時、酷暑のタイミングを狙う方が、まだマシかもしれない。本日は雨天であるにもかかわらず、会場は大混雑しているという。まもなく、ブルーインパルスが会場上空を飛行する時間である。曇り空の中でも、この万博の熱気は確実に空まで届いているようだ。ジェット音は自宅まで届くだろうか。
しかし、開幕前には否定的な報道が目立っていたことも事実である。「チケットが売れていない」「パビリオンが間に合わない」「見るところがない」「メタンガスの危険性」「学校行事では使えない」「食事が高すぎる」「赤字は確実」など、あたかも万博が失敗するかのような論調が多かった。世論調査でも「行く予定がない」が半数を超えていた。だが、実際に始まってみると、会場は大混雑で入場すら困難で、人気パビリオンはほとんど予約が取れない状況が続いている。パビリオンは第5希望まで抽選予約が可能であるが、全て落選したという声は少なくない。筆者も5件すべて外れたひとりであり、現在は入場日を変更して7日前抽選に再チャレンジしているが、当選の気配はない。
「並ばない万博」と謳われていたが、現実は人気パビリオンには「入れない万博」である。当日抽選も存在するが、ディズニーやUSJを体験している者であれば、人気アトラクションは「ほとんど当選できない」という厳しさを知っている。あえて夜間や梅雨時、酷暑のタイミングを狙う方が、まだマシかもしれない。本日は雨天であるにもかかわらず、会場は大混雑しているという。まもなく、ブルーインパルスが会場上空を飛行する時間である。曇り空の中でも、この万博の熱気は確実に空まで届いているようだ。ジェット音は自宅まで届くだろうか。
子育て まち育て 石見銀山物語 ― 2025年04月01日

教室監視カメラ導入の是非について、「希望と信頼のあるところに教育は醸成する」と書いたものの、ずっとモヤモヤしていた。たまたまこのドキュメンタリー番組を見て気持ちが晴れた。『子育て まち育て 石見銀山物語』は、世界遺産・石見銀山を抱える島根県大田市大森町を舞台に、かつて世界屈指の銀山の下町だったこの地域が、閉山後に限界集落へと衰退したものの、地域全体で子どもを育て、町を活性化させる取り組みを描いたNHKのドキュメンタリー番組である。番組では、四季折々の町の風景とともに、移住者や地元住民約400人が協力しながら子育てを行う姿が映し出される。本作は2022年から2023年にかけて春・夏・秋・冬の4回にわたって放送され、2023年1月には全話一挙再放送も実施。その後、2024年6月には特別編が放送され、2025年2月に再放送された。特別編では、大森町がどのようにして過疎地域から子どもの笑顔あふれる町へと変化したのかが改めて紹介された。制作にあたり、制作者が具体的に何からインスピレーションを受けたかは明言されていないが、大森町での地域ぐるみの子育てや移住支援、仕事と生活の一体化などの情報が影響を与えたと考えられる。例えば、町の活性化に関する書籍『過疎再生 奇跡を起こすまちづくり』(松場登美著)では、大森町の事例を通じて地方創生の可能性が示されており、本番組の背景とも共鳴する内容となっている。『子育て まち育て 石見銀山物語』は、地域コミュニティの力や移住者と地元住民の協働による町おこしの成功例を広く伝え、多くの視聴者に感動を与えた作品だ。
圧巻は、たった一人で小学校を卒業していく男子が答辞でお礼を述べる際、集落の人々への感謝を語りながら涙ぐむシーンだ。全校20数人の児童たちは、低学年までもらい泣きをする。帰り道では、集落の人たちが皆「おめでとう」と声をかけ、「泣かんかったか?」「泣いてしまいました」と正直に語るシーンも温かい。こんな地域の学校には、監視カメラは必要がない。「学校づくりは地域づくり」。かつて与謝の海養護学校の初代校長となった青木嗣夫氏の言葉を思い出す。この言葉は、障害児のための地域づくりを念頭に置いたものだが、大切なのは、教育と地域づくりは切り離してはならないという思想だ。確かに、小さな集落の学校だからといって、いじめや体罰がまったくないとは言えない。しかし、地域全体が文字通り子どもを見守り、学校を支えていれば、深刻な事態は避けられる。もちろん、その反面、集落の同調圧力は強いのかもしれないが、大森町に志を持って移り住む若い世代が、それを柔らかなものに変えていく可能性も感じる。コンビニはないが、持ち寄りの食事会がメンバーを変えて家々で開かれ、僻地のプロパンガス代は都会の3倍の値段だが、地域はさらに温かい。新入生は昨年度8名に増え、保育所の園児数も一桁増えた。その理由は、大森町の人的環境にあるのだろう。自分も子育て時代、「親子共育ち」として民間学童保育を支援してきたが、地域づくりには足がかりがなかった。大森町の幸運は、2つの中規模企業が集落への貢献も意識して存続していること、そして2007年に石見銀山が世界遺産に登録され、町ぐるみで穏やかな街を目指す地域づくりの経験を積んできたことだ。どこの地域でも同じ条件があるとはいえないが、地域の絆を深めるための努力が、子どもを育てる環境をつくるのだと言える。
圧巻は、たった一人で小学校を卒業していく男子が答辞でお礼を述べる際、集落の人々への感謝を語りながら涙ぐむシーンだ。全校20数人の児童たちは、低学年までもらい泣きをする。帰り道では、集落の人たちが皆「おめでとう」と声をかけ、「泣かんかったか?」「泣いてしまいました」と正直に語るシーンも温かい。こんな地域の学校には、監視カメラは必要がない。「学校づくりは地域づくり」。かつて与謝の海養護学校の初代校長となった青木嗣夫氏の言葉を思い出す。この言葉は、障害児のための地域づくりを念頭に置いたものだが、大切なのは、教育と地域づくりは切り離してはならないという思想だ。確かに、小さな集落の学校だからといって、いじめや体罰がまったくないとは言えない。しかし、地域全体が文字通り子どもを見守り、学校を支えていれば、深刻な事態は避けられる。もちろん、その反面、集落の同調圧力は強いのかもしれないが、大森町に志を持って移り住む若い世代が、それを柔らかなものに変えていく可能性も感じる。コンビニはないが、持ち寄りの食事会がメンバーを変えて家々で開かれ、僻地のプロパンガス代は都会の3倍の値段だが、地域はさらに温かい。新入生は昨年度8名に増え、保育所の園児数も一桁増えた。その理由は、大森町の人的環境にあるのだろう。自分も子育て時代、「親子共育ち」として民間学童保育を支援してきたが、地域づくりには足がかりがなかった。大森町の幸運は、2つの中規模企業が集落への貢献も意識して存続していること、そして2007年に石見銀山が世界遺産に登録され、町ぐるみで穏やかな街を目指す地域づくりの経験を積んできたことだ。どこの地域でも同じ条件があるとはいえないが、地域の絆を深めるための努力が、子どもを育てる環境をつくるのだと言える。
NHK「緑なき島」の謝罪 ― 2025年03月28日

NHKの稲葉延雄会長が頭を下げた。長崎市の端島炭坑、通称・軍艦島を扱った1955年放送の番組「緑なき島」で、元島民たちの名誉を傷つけたとして謝罪したのだ。番組内で使用された坑内映像は、後に韓国メディアによって無断転用され、「軍艦島=地獄島」というデタラメなイメージが世界に広がるきっかけとなった。元島民たちは4年以上にわたり、NHKに訂正と謝罪を求めてきた。ようやく実現したのが26日の面談。稲葉会長は「名誉を傷つけた」と謝罪し、報道陣が多数詰めかけた。だが驚くべきはそのあとだ。当事者であるNHKが、この謝罪を自ら報じていないのである。なぜだろう。他局の不祥事は嬉々として取り上げ、自局のニュース枠でもトップ扱いするNHKが、自らの誤りは一切報じない。翌日には、フジテレビの日枝取締役相談役退任の幹部会見を動画付きで丁寧に報じておきながら、自局の謝罪はニュースにもならない。このダブルスタンダードには呆れるしかない。2014年、朝日新聞は慰安婦報道の誤りを認め、紙面で謝罪し、訂正記事を出した。民放各局も、誤報があれば幹部が頭を下げ、その様子を自ら放送してきた。それがメディアの最低限の責任というものだ。一方で、NHKは過ちを認めても、報道しない。なかったことにする。その態度こそ、公共放送として最も恥ずべき振る舞いではないか。
「緑なき島」は70年前の番組で、当時の制作者はほとんど鬼籍に入っている。軍艦島の実態を知るのは、島で少年期や青年期を過ごした元住民たちだけだ。炭鉱は立坑式で海底下に掘り進む。映像で流されたような褌一丁の作業など、あり得なかった。2015年、軍艦島が世界遺産登録された際、韓国は「朝鮮人労働者が差別され、劣悪な環境で働かされた」と主張した。そのプロパガンダの材料として、NHKの映像が利用されていたことが判明している。つまり、NHKは70年前に捏造されたイメージを、今日に至るまで世界にばらまき、その謝罪すら視聴者には知らせていない。これは朝日新聞の慰安婦誤報と同じ構図だ。それなのに、NHKは謝罪会見をしても、報道しない自由を行使している。フジテレビはスポンサー離れを機に経営方針を変えた。広告収入が命綱の民放は、視聴者やスポンサーの声を無視できない。しかしNHKは違う。国民から強制的に徴収する受信料がある限り、視聴者の声など痛くもかゆくもない。これが公共放送のやり方か。自分たちが報じられる側になると、報道しない。自己検証もしない。批判も取り上げない。それでいて他局や民間企業の不祥事には容赦なく切り込む。こんなNHKに、視聴者の信頼などあろうはずがない。この体質を改めさせるには、視聴者が「見る」「見ない」を選べるスクランブル方式に移行するしかない。少なくとも、好き放題やっておいて「受信料を払え」と言われる筋合いは、もうどこにもない。
「緑なき島」は70年前の番組で、当時の制作者はほとんど鬼籍に入っている。軍艦島の実態を知るのは、島で少年期や青年期を過ごした元住民たちだけだ。炭鉱は立坑式で海底下に掘り進む。映像で流されたような褌一丁の作業など、あり得なかった。2015年、軍艦島が世界遺産登録された際、韓国は「朝鮮人労働者が差別され、劣悪な環境で働かされた」と主張した。そのプロパガンダの材料として、NHKの映像が利用されていたことが判明している。つまり、NHKは70年前に捏造されたイメージを、今日に至るまで世界にばらまき、その謝罪すら視聴者には知らせていない。これは朝日新聞の慰安婦誤報と同じ構図だ。それなのに、NHKは謝罪会見をしても、報道しない自由を行使している。フジテレビはスポンサー離れを機に経営方針を変えた。広告収入が命綱の民放は、視聴者やスポンサーの声を無視できない。しかしNHKは違う。国民から強制的に徴収する受信料がある限り、視聴者の声など痛くもかゆくもない。これが公共放送のやり方か。自分たちが報じられる側になると、報道しない。自己検証もしない。批判も取り上げない。それでいて他局や民間企業の不祥事には容赦なく切り込む。こんなNHKに、視聴者の信頼などあろうはずがない。この体質を改めさせるには、視聴者が「見る」「見ない」を選べるスクランブル方式に移行するしかない。少なくとも、好き放題やっておいて「受信料を払え」と言われる筋合いは、もうどこにもない。
ジェット風船ポンプ付きで復活 ― 2025年03月18日

阪神の応援名物「ジェット風船」飛ばしの完全復活が模索されている。甲子園球場での巨人とのオープン戦で、七回裏の攻撃前にファンが風船を飛ばす実証実験が行われた。新型コロナの影響で2020年から中止されていたが、今回の実験を踏まえ、再開の可否が検討される。約4万2千人の観客が詰めかけた試合では、来場者に風船2個と専用の手動空気入れポンプが無料配布され、飛沫防止策が講じられた。七回表終了後に膨らませるよう案内されたが、五回頃からすでにポンプの音が響き、一部のファンの興奮が抑えきれない様子も見られた。風船飛ばしはDeNA、広島、楽天、西武、ソフトバンクではすでに再開されており、阪神でも伝統の応援スタイルとして復活が模索されてきた。風船の回収作業も課題とされたが、多くのファンが自主的に拾い集め、スタッフの作業を手伝う姿もあった。一方で、無料配布された風船と専用ポンプがネットで高額転売される事態が発生し、球団関係者は「残念」とコメント。また、「観戦の妨げになる」「ルールを守らない人がいる」といった反対意見も寄せられた。4月13日の中日戦でも実証実験を行い、アンケート結果をもとに再開の可否が決定される予定だ。ジェット風船は、1985年の阪神タイガース優勝時に甲子園球場を埋め尽くした風船が話題となり、以降、各球場で飛ばされるようになった。プロ野球では、7回の攻撃前(ラッキー7)や試合勝利時に飛ばすのが定番となり、応援文化の一部として定着している。
かつて阪神ファンは、ジェット風船を購入してからスタンドに入るのが当たり前だった。しかし、新型コロナの流行により「風船を飛ばすな」「応援もするな」「マスクをつけろ」といった飛沫感染防止策が徹底された。日本でマスクの着用義務が緩和されたのは2023年3月だが、大リーグでは2021年5月頃、ワクチン接種の進展に伴い規制が緩和され、通常の観戦スタイルに戻っていた。テレビでマスクなしの観戦を目にし、日本の対応にもどかしさを感じた人も多かったのではないか。日本人は、一度決めたルールをなかなか撤廃できない国民性がある。その名残がジェット風船専用ポンプの義務付けともいえる。応援や歓声でも飛沫は飛ぶのだから、ポンプ使用をマナーとすることには疑問も残る。しかし、子どもや高齢者でも難なく膨らませられるため、利便性の面では受け入れやすいかもしれない。
かつて阪神ファンは、ジェット風船を購入してからスタンドに入るのが当たり前だった。しかし、新型コロナの流行により「風船を飛ばすな」「応援もするな」「マスクをつけろ」といった飛沫感染防止策が徹底された。日本でマスクの着用義務が緩和されたのは2023年3月だが、大リーグでは2021年5月頃、ワクチン接種の進展に伴い規制が緩和され、通常の観戦スタイルに戻っていた。テレビでマスクなしの観戦を目にし、日本の対応にもどかしさを感じた人も多かったのではないか。日本人は、一度決めたルールをなかなか撤廃できない国民性がある。その名残がジェット風船専用ポンプの義務付けともいえる。応援や歓声でも飛沫は飛ぶのだから、ポンプ使用をマナーとすることには疑問も残る。しかし、子どもや高齢者でも難なく膨らませられるため、利便性の面では受け入れやすいかもしれない。
万博チケットの購入手順 ― 2025年03月15日

大阪・関西万博は混雑緩和を目的に予約制チケットを基本としていたが、前売り券の販売が目標の1,400万枚に届かず、3月12日時点で約820万枚と6割未満にとどまった。これを受け、開幕47日前に入場ゲート前で購入できる当日券の導入を決定。しかし、急な方針転換に「利用者目線の欠如」が指摘されている。当初の販売方式は、万博ID登録と入場日時予約を経てQRコードを取得する電子チケットが主流だったが、コンビニや旅行代理店での引き換えも可能だった。しかし、選択肢が多すぎて消費者の混乱を招き、前売り券購入のハードルが高くなった。また、前売り券のみの販売は、消費者に選択肢を与えない印象を与えた。さらに、混雑時に価格を上げ、閑散時に下げる「ダイナミックプライシング」の導入が有効だったとされる。券種も多すぎるため、3種類程度に絞る方が分かりやすかったと考えられる。また、万博の魅力が十分に伝わっておらず、事前予約の煩雑さが消費者の負担となった。実際、私も3カ月前にID登録をしたものの、いつどのパビリオンを選べばよいのか、混雑状況の見通しがつかず、未だにチケット購入に至っていない。ホームページの情報が少なく、広大な会場の回り方がイメージできない。AIを活用して調べても全容がつかめなかった。そのため、どの券種が自分に適しているのか判断できず、購入をためらっている。
先日、老人会の陶芸サークルの方々から「チケットをネットで購入できないので教えてほしい」と頼まれ付き合った。万博チケットの購入手順は公式サイトでまず万博IDを作成しなければならない。ネット予約に慣れている人には問題ないが、メールアドレスの入力経験すら少ない人には大仕事となる。仮登録後、本登録用のURLがメールで届くが、アドレスを打ち間違えると届かず、ここでつまずく人も多い。さらに、パスワード設定では「大文字・小文字・数字の組み合わせ」を求められるが、これがハードルとなり、正しいパスワードが作れず次の画面に進めない人もいる。ようやく登録しても、ログイン画面ではスマホの自動入力が使えず、パスワードの入力ミスが続くと一定時間ログインできなくなる。この登録段階で脱落する人も少なくない。やっとの思いで登録しチケットを購入しても次の手続きがある。来場日時を事前予約し、入場ゲートを選択。さらに、パビリオンやイベントは抽選制で、第1~5希望を選び、当選結果を確認する必要がある。抽選に外れた場合は、当日枠や予約不要エリアを利用する計画を立てなければならない。全ては混雑をできるだけ抑えようとする意図なのだが、利用者には伝わらない。登録に付き合って思ったのは、ネット予約に慣れていない人向けにはAI等の「リアルガイド」が必要だということだ。付き合った方にはお世話になったと恐縮され、お礼にビールまでいただいた。慣れたものには何でもないのだが、お礼をしなければと思うほど操作が困難に感じられたのだろう。万博の成功には、ホームページを含めた「利用者目線」の強化が欠かせないと痛感した。
先日、老人会の陶芸サークルの方々から「チケットをネットで購入できないので教えてほしい」と頼まれ付き合った。万博チケットの購入手順は公式サイトでまず万博IDを作成しなければならない。ネット予約に慣れている人には問題ないが、メールアドレスの入力経験すら少ない人には大仕事となる。仮登録後、本登録用のURLがメールで届くが、アドレスを打ち間違えると届かず、ここでつまずく人も多い。さらに、パスワード設定では「大文字・小文字・数字の組み合わせ」を求められるが、これがハードルとなり、正しいパスワードが作れず次の画面に進めない人もいる。ようやく登録しても、ログイン画面ではスマホの自動入力が使えず、パスワードの入力ミスが続くと一定時間ログインできなくなる。この登録段階で脱落する人も少なくない。やっとの思いで登録しチケットを購入しても次の手続きがある。来場日時を事前予約し、入場ゲートを選択。さらに、パビリオンやイベントは抽選制で、第1~5希望を選び、当選結果を確認する必要がある。抽選に外れた場合は、当日枠や予約不要エリアを利用する計画を立てなければならない。全ては混雑をできるだけ抑えようとする意図なのだが、利用者には伝わらない。登録に付き合って思ったのは、ネット予約に慣れていない人向けにはAI等の「リアルガイド」が必要だということだ。付き合った方にはお世話になったと恐縮され、お礼にビールまでいただいた。慣れたものには何でもないのだが、お礼をしなければと思うほど操作が困難に感じられたのだろう。万博の成功には、ホームページを含めた「利用者目線」の強化が欠かせないと痛感した。
京都市青少年科学センター ― 2024年12月18日

「しゃべるティラノサウルス」 「カラフル光ラボ」 「人間万華鏡」など大迫力の体験型展示品をとおして、幼児から大人まで楽しみながら理科・ 科学を学べる施設。「プラネタリウム」 ではオリジナル番組を生解説。屋外園の「チョウの家」では沖縄のチョウを観察できる。地球環境問題を立体的・視覚的に学べるシステム「ダジック・アース」を活用した新展示もある。とおおよその口コミではリーズナブルな親子の科学博物館という評だが、大阪市電気博物館、京都梅小路博物館などを知る者にとっては展示内容が古すぎる感は否めない。入り口のティラノザウルスなど恐竜の展示はつかみとしては申し分ないが、そのあとの展示が古びた生物学標本が並んで好奇心を削ぐ。3階に上がってすぐに地球温暖化をテーマにしたビデオブースがあるが説明が難しすぎる。そこから光学や音波、力学、電気、電子工学、気象学とランダムに展示が続くが、見せ方が一昔前のボタン操作やハンドル操作に終始しているので、何を見せたいのかが分かりにくい。おそらく小学校高学年レベルから中学生なら説明を読んで理解を広げるのだろうが、低学年や科学音痴の大人には今一つ食いつけない内容だと思う。スタッフが少なく予算もないのだろうが展示物を制御するパソコンも古くOSも更新できないまま展示している感じがした。
プラネタリウムは4年前にデジタル投影に新調したらしく美しい表示ができている。今回は月面探査への道を描くテーマだったが、やや映像説明に時間を割きすぎて、冬の星座説明をじっくり聞きたい自分などは、その話は展示ブースでもできるだろうにと思ってしまう。展示で2時間、プラネタリウムで1時間ほど3時間を要するが、リピータになろうという感じはしなかった。できれば、異常気象の仕組の展示や、リニアやPHVなど新しい乗り物の仕組み、国産ロケットの開発の展示などがあれば食いつきも良かったのではないかと思うが、限られた予算の中で、理科的な原理を伝える目的でつくられた施設なので、どうしてもおとなしいお勉強的展示になってしまうのは仕方がないのだろうか?
プラネタリウムは4年前にデジタル投影に新調したらしく美しい表示ができている。今回は月面探査への道を描くテーマだったが、やや映像説明に時間を割きすぎて、冬の星座説明をじっくり聞きたい自分などは、その話は展示ブースでもできるだろうにと思ってしまう。展示で2時間、プラネタリウムで1時間ほど3時間を要するが、リピータになろうという感じはしなかった。できれば、異常気象の仕組の展示や、リニアやPHVなど新しい乗り物の仕組み、国産ロケットの開発の展示などがあれば食いつきも良かったのではないかと思うが、限られた予算の中で、理科的な原理を伝える目的でつくられた施設なので、どうしてもおとなしいお勉強的展示になってしまうのは仕方がないのだろうか?
姫路城の入場料改定案発表 ― 2024年12月06日

姫路市は、世界文化遺産で国宝の姫路城の入場料改定案を発表し18歳以上は市民は現行の約1,000円を維持、市民以外は2,000~3,000円に値上げする方針である。外国人料金の設定は、「来場者が外国人であることの確認が難しい」として見送った。料金改定は、今後10年間の維持管理費や保存修理費を考慮した結果であり、無料化は「子供たちに保存継承への理解を深めてもらう」ことを目的としている。市民料金は、普段からの保存協力や市税の活用を反映したものである。また、2025年の大阪・関西万博期間中には、日時指定のデジタルチケットを試験導入し、年間パスポートの販売も検討する予定である。6月には清元市長が外国人観光客の入場料を引き上げる案を示して議論を呼んだが、方針を見直し今回の改定案に至ったという。姫路城の維持費の確保と外国人観光者が詰めかけてきていることにも歯止めをかけるための話が、単なる現行の2倍以上の大幅値上げとなったのは肩透かしだった。
見分けにくい18歳未満の区別は学生証を提示させるのだろう。従来金額の1000円のままという市民の証明はどうするのだろう。おそらく住所のわかる免許証やマイナカードなどを求めるのだろう。しかし、それならば外国人の区別も簡単にできるではないか。何も証明書を示さないものは外国人料金とし、マイナカードを示せば日本人と証明できる。もしも市民識別をしたい場合もマイナカードなら瞬時に識別できる。1日平均4千人弱の入場者数で、なぜ便利なものがあるのに使わないのか意味が分からない。
見分けにくい18歳未満の区別は学生証を提示させるのだろう。従来金額の1000円のままという市民の証明はどうするのだろう。おそらく住所のわかる免許証やマイナカードなどを求めるのだろう。しかし、それならば外国人の区別も簡単にできるではないか。何も証明書を示さないものは外国人料金とし、マイナカードを示せば日本人と証明できる。もしも市民識別をしたい場合もマイナカードなら瞬時に識別できる。1日平均4千人弱の入場者数で、なぜ便利なものがあるのに使わないのか意味が分からない。
ご飯盛り付けロボット ― 2024年10月17日

ホテル渋川ヒルズは安いので宿泊した。佐渡の八幡温泉は9500円、ルートイン沼田は8500円、今回は6300円。ホテルの中では最もリーズナブルだ。いずれも朝飯付きだがランクが落ちれば中身も落ちるが、バイキング料理で山ほど種類があったにしても食べられる量は決まっている。汁物が不味くなければ文句は言わない。面白かったのはルートインのご飯盛り付けロボットだ。大中小と盛り付けの選択ができお椀を下に置くとポソっと必要量のご飯が落ちてくる。シャモジをたくさんの人が使うのは不潔だなぁと思っていたのでこれは良い発明だ。今回のホテルはなぜか和室で風呂トイレがないので安いのだが、展望風呂は赤城山が見えて良い眺めだ。夕食もカレーライスだけだが無料で振る舞っているので助かる。フロントにはインド人らしきスタッフが見習プレートをつけて対応していたが日本語を上手に喋っていていた。スタッフは半数が外国人のようだ。ただ、そのためかバイキングに並べる納豆の位置がヨーグルトやデザートのスペースに置かれていて食べ損ねた。なるほど食べない文化の人には納豆カップはデザートに見えるかもと妙に納得した。
喉の腫れもなんとか治まり快適なドライブができた。移動距離を細かく区切りすぎて、富士宮市でぶらぶらすることになる。白糸の滝のみの計画だったが30分ほどで見終わってしまった。近くの日帰り温泉で時間を潰すことにした。今日のゲストハウスのオーナーから18時にチェックインして欲しいとリクエストがあったからだ。大石寺も見に行ったが誰もおらず、大きな山門が寂しく佇んでいた。HPをよく読むと平日は開いていないようだ。土日と行事日しか開けない寺院は珍しい。お布施は全国から集まって経営には問題がないということかもしれない。信徒の行事がなければ誰も行かないようだ。3時間は有に余ったので、名古屋まで足が延ばせた。だが長時間運転は嫌だしダラダラしている方が年寄りらしくて良いと思う。
喉の腫れもなんとか治まり快適なドライブができた。移動距離を細かく区切りすぎて、富士宮市でぶらぶらすることになる。白糸の滝のみの計画だったが30分ほどで見終わってしまった。近くの日帰り温泉で時間を潰すことにした。今日のゲストハウスのオーナーから18時にチェックインして欲しいとリクエストがあったからだ。大石寺も見に行ったが誰もおらず、大きな山門が寂しく佇んでいた。HPをよく読むと平日は開いていないようだ。土日と行事日しか開けない寺院は珍しい。お布施は全国から集まって経営には問題がないということかもしれない。信徒の行事がなければ誰も行かないようだ。3時間は有に余ったので、名古屋まで足が延ばせた。だが長時間運転は嫌だしダラダラしている方が年寄りらしくて良いと思う。
松本城 ― 2024年10月11日

ゲストハウスは松本城下の味噌蔵のリノベーション宿だった。「またたび」というゲストハウス名でググった場所には「糀屋フジヨ」や「カンデラゲストハウス」と看板を掲げた店しか見当たらない。元は味噌蔵を初代ゲストハウスオーナーが「カンデラゲストハウス」で看板を上げたが、現在のまたたびオーナーに譲渡されたのだろう。あえて現在名で看板を掲げず謎めき感を出した遊び心だろうが、疲れ果ててたどり着く旅人には迷惑な話だ。味噌蔵を改造したドミトリールームからスペイン人のオリオンが出てきた。明日は中山道を歩くという。バルセロナからドーハでトランジットして成田まで遠かったという。
松本城は白鳥が泳ぐお堀に囲まれた美しい黒塗りの城だ。開城前なのに多くの外国人が並んでいた。天守閣自体は名古屋城の半分もないが、北アルプスとお城がお堀の水面に反射して美しい。天守閣内のハシゴ階段はかなり急で段差が広いので年寄りにはきつい。これもあっち系の輩なら松本城のハシゴをバリアフリーのエレベーターにせよというのだろうか?時間が余ったので、善光寺にも寄った。善光寺の胎内巡りは、御本尊様の真下にある開運の錠前に触れてご縁を結ぶ、暗闇の中を手すりをたどって進む「お戒壇めぐり」だが、小学生の遠足で暗闇内が喧し過ぎた。参拝者への迷惑にならないよう教師が注意しないので悲しくなった。直江津から佐渡島に渡る。これまで畳一枚分の空間で寝ていたのに今日は10畳だ。八幡温泉はいいお湯だ。
松本城は白鳥が泳ぐお堀に囲まれた美しい黒塗りの城だ。開城前なのに多くの外国人が並んでいた。天守閣自体は名古屋城の半分もないが、北アルプスとお城がお堀の水面に反射して美しい。天守閣内のハシゴ階段はかなり急で段差が広いので年寄りにはきつい。これもあっち系の輩なら松本城のハシゴをバリアフリーのエレベーターにせよというのだろうか?時間が余ったので、善光寺にも寄った。善光寺の胎内巡りは、御本尊様の真下にある開運の錠前に触れてご縁を結ぶ、暗闇の中を手すりをたどって進む「お戒壇めぐり」だが、小学生の遠足で暗闇内が喧し過ぎた。参拝者への迷惑にならないよう教師が注意しないので悲しくなった。直江津から佐渡島に渡る。これまで畳一枚分の空間で寝ていたのに今日は10畳だ。八幡温泉はいいお湯だ。