エビデンスベースドサポート2023年02月25日

読み書き障害の学習サークル例会に参加した。キャリアのある指導者は子どもの様子を見ただけでその子の弱さを直感的に見抜く。問題はその原因を自分の経験則で推測してしまう。そして、自分の知っている支援法をステレオタイプに当てはめて効果を検証せずに何か月も続けてしまう。良い支援は支援の対象者が役に立ったと感じるものでなくては意味がないのだが、困難を抱えた人は自分のために向き合ってくれた人との関係性に依存してしまう。支援者はその依存姿勢を支援が正しかったことと勘違いしやすい。大事なことはどれくらい効果があったかなかったかであり、それは本人の困難の分析が正しかったか間違っていたかということと同義である。「勘」は大事だが、その勘が正しいかどうかの確認はデータで証明するしかない。もちろん昭和の時代は子どもの困難を測る道具が少なかった。あっても詳細に分析できるものがなかった。だが今は違う。統計的に標準化されたデータと比べることができるようになっている。比べた結果から自分の見立てたことが正しかったかどうか確認ができるようになっているし、支援の方法も一定の条件がそろえば成果が確実に上がるものがある。

自分が聞きかじった支援法をあてはめて大した効果もないのに何か月も続けることは、対象者への支援そのものに対する信頼を失う事にもなる。そういうことを避けるために20年ほど前から言われているのがエビデンスベースドサポートだ。科学的な根拠がある支援をすることが求められている。風邪の原因が細菌感染なのに良い胃薬を出されても意味がない。感染症なら安価なものでも抗菌剤を出せば症状は緩和できる。支援も同じだ、見立てさえ正しければ少々支援が稚拙でも本人が感じられるほどの成果が出る時代になっている。データに基づいた支援を広げようといって始めた学習会だが、なかなか真意が伝わらない。
Google
www Blog