紅麹問題とコレステロール2024年04月17日

紅麹サプリが健康被害を起こしたと大騒ぎになっている。医薬関係者は、毒性物質の混入以前の問題として、「なぜ、医薬品と同等とも言える成分を、このようなずさんな形で安易に製造販売していたのか?」「LDLコレステロールを下げる医薬品を摂っていればうんと安全だったのに」というらしい。コレステロールは脂質の一種で、体には必要なものだが、「悪玉コレステロール」(LDL-コレステロール)値が基準値を上回ると「脂質異常症」となり、動脈硬化のリスクが高まり、狭心症や心筋梗塞の大きな要因だといわれてきた。しかし、そのまた大前提として、コレステロールは本当に下げる必要があるのか?「悪玉」という呼称は医学にはない。メディアが面白おかしくつけた呼称だ。昔は卵が「悪玉」コレステロール値を上げる原因として栄養学の専門家らも食べ過ぎに警鐘を鳴らしてきた。ところが昨今は卵の摂取はコレステロール値を上げるというエビデンスはないとして卵の摂取注意を廃止した。もちろん、どんなものでも採りすぎは健康によくないことは当たり前だ。

最近否定された卵悪者論と同じく、LDL-コレステロール値は基準値140mg/dL以上は脂質異常症というのは問題があるという研究結果が出て緩和されつつある。そればかりかコレステロール値が低いと死亡率が高まるという結果も示された。逆に基準値より若干高い人の方が死亡率が低下するという結果も発表されている。米国では10年前にこの基準値に意味がないとして廃止されている。コレステロールは体内で8割が生成されるもので経口摂取によっては2割程度しか変化しないものだ。こうした大前提を抜きに悪玉と呼称してコレステロールを下げる薬物やサプリメントを安易に売り続ける企業や医者の方が悪玉ではないのか?
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