熊、わが町に現る2025年06月25日

西代里山公園
6月22日(日)午前2時頃、京都府長岡京市の西代橋付近で熊の目撃情報が寄せられた。現場は市街地に隣接する山林。市は西代里山公園と近隣のキャンプ場を同日午後5時から閉鎖。北側市道も通行止めとなった。翌23日(月)には現地のパトロールが実施されたが、熊の姿は確認されず。安全が確認されたとして、24日(火)には公園と市道の閉鎖措置が解除され、通常の利用が再開された。だが、熊の出没は今回が初めてではない。昨年2024年6月27日(木)午後5時15分頃には、西代里山公園の西方約500メートル、奥海印寺・立石橋付近で目撃情報が。そしてそれに先立つ6月18日(火)午後8時30分頃には、公園の北東約1キロ、粟生清水谷(光明寺近く)の山道でも熊が確認されている。時期も場所も近く、もはやこのエリアに「定住している」と見て間違いない。光明寺側の熊は別個体の可能性もあり、複数頭が生息している懸念も拭えない。

自分もこのエリアを頻繁に訪れる一人だ。自宅から歩いて行ける距離ということもあり、ハイキングやキャンプには何度も出かけている。これまでイノシシの「ヌタ場」を見かけたことはあっても、熊の存在は噂程度だった。それがここにきて、実際の目撃情報が立て続けに寄せられている。どうやら熊は川沿いを下ってきており、住宅地のすぐ近くにまで接近しているようだ。かつては「田舎の話」と他人事に思っていたが、ついに我が町にも熊が現れた。これは決して他人事ではなく、いまや日本全国どこででも起こり得る現実であると、痛感させられる。

来月には、東北を巡る10日間のドライブ旅を予定している。3カ所のキャンプ場に泊まる計画だが、熊の不安がつきまとう。比較的大きめのキャンプ場を選んだとはいえ、「熊が出ない」とは誰にも言い切れない。今回の長岡京の目撃情報も、すべて夜間──深夜の時間帯だ。正直、「そんな時間に山中で何をしていたんだ?」と突っ込みたくもなるが、ふと、熊が夜行性であることを思い出す。日本に生息するツキノワグマは、日中は木陰や茂みで休み、夜間や早朝、夕方などに活動する傾向がある。春や秋の食糧確保の時期には、日中に姿を現すこともあり、油断は禁物だ。

しかし、夜のテントに熊が襲来したら……正直、ひとたまりもない。頭をよぎるのは、昨年の北アルプス・岳沢キャンプ場で起きた「テントへの熊襲撃」だ。怖い。けれど、それでも一人キャンプの魅力には抗えない。自然の静寂、焚き火のぬくもり、そして誰にも邪魔されない自由な時間──それらは、多少のリスクを冒してでも手に入れたい体験なのだ。熊との「共存の時代」が始まったのかもしれない。私たちは、自然の懐に踏み込む者として、もう一度、気を引き締める必要がある。
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