Nスペ「国債発行チーム」 ― 2025年04月14日

『未完のバトン 第1回 密着 “国債発行チーム”』というNHKのドキュメンタリーは、財務省の「国債発行チーム」に密着し、国債発行の舞台裏を描いた作品である。日銀の金利引き上げや国債買入縮小をテーマに、国内外の投資家とのやり取りが描かれている。特に中東など海外市場へのアプローチが注目されるが、冒頭で政府が国民に借りた負債である国債残高を「国の借金」と表現した点に嫌な予感を抱いた。視聴を続けるうちに、その予感は怒りを超え、あきれ果てるに至った。
番組内では、日銀による国債購入縮小と連動して財務省が行う国債売りの「営業活動」が強調されている。これでは、視聴者が国債発行の実態を誤解する恐れがある。特に、日銀の保有率低下とそれに伴う海外投資家の登場が、まるで国債発行に対する不安を煽るかのように描かれており、印象操作にしか見えない。なお、特別会計による180兆円分の国債購入額を示して多額に見せているが、実際にはほとんどが借り換えであり、新規の資金調達を意味するものではない。確かに海外資本がある程度の国債を保有することはリスクヘッジとして一定の意味を持つが、多額になれば国債安定の信用低下のリスクも増す。日銀や民間銀行が積極的に国債を買い入れないという印象と、財務省の海外への「積極的な国債販売」との結び付けは、悪質な印象操作であると言わざるを得ない。
さらに、日銀が国債を買わないかのように見える描写も目立つ。中央銀行は市場の安定を図るために国債売買で市場の通貨量を調整することが金融政策の原則である。それにもかかわらず、日銀の国債買い入れと政府国債発行との連携が欠如しているかのように描くのは、制作者の悪意を感じざるを得ない。また、金融緩和政策がデフレ脱却に寄与した面に触れず、異次元の緩和が市場を歪めたという一面的な見解のみを取り上げるのも偏った印象を与える。これでは日銀の調整は不要で金利は市場に任せておけば良いという理屈になる。視聴者の中央銀行への知識不足を良いことに言いたい放題である。もっとも、デフレが長く続いたのはバブル崩壊以降の日銀の引き締めが長期化したことが一因であるため、必ずしも日銀政策が正しいわけではないが、金融緩和だけを切り取って批判するのはフェアではない。
結局のところ、NHKという公共放送機関が特定の視点に偏った報道を行っている現状は、ガバナンスの不備を露呈している。多角的な視点と正確な統計に基づく報道が求められる中、今回のドキュメンタリーはその点で多くの疑問を残すものであった。果たして、この放送は一体誰のために制作されたのか。国債残高は国民の富とも言えるのに、何も知らない一般視聴者にとっては、国債発行がただの「悪」として映ってしまう。責任は国民にはなく、30年もの間、国民負担を増やし可処分所得を減らした結果、消費も投資も増えずGDPを伸ばせなかった政府にある。
番組内では、日銀による国債購入縮小と連動して財務省が行う国債売りの「営業活動」が強調されている。これでは、視聴者が国債発行の実態を誤解する恐れがある。特に、日銀の保有率低下とそれに伴う海外投資家の登場が、まるで国債発行に対する不安を煽るかのように描かれており、印象操作にしか見えない。なお、特別会計による180兆円分の国債購入額を示して多額に見せているが、実際にはほとんどが借り換えであり、新規の資金調達を意味するものではない。確かに海外資本がある程度の国債を保有することはリスクヘッジとして一定の意味を持つが、多額になれば国債安定の信用低下のリスクも増す。日銀や民間銀行が積極的に国債を買い入れないという印象と、財務省の海外への「積極的な国債販売」との結び付けは、悪質な印象操作であると言わざるを得ない。
さらに、日銀が国債を買わないかのように見える描写も目立つ。中央銀行は市場の安定を図るために国債売買で市場の通貨量を調整することが金融政策の原則である。それにもかかわらず、日銀の国債買い入れと政府国債発行との連携が欠如しているかのように描くのは、制作者の悪意を感じざるを得ない。また、金融緩和政策がデフレ脱却に寄与した面に触れず、異次元の緩和が市場を歪めたという一面的な見解のみを取り上げるのも偏った印象を与える。これでは日銀の調整は不要で金利は市場に任せておけば良いという理屈になる。視聴者の中央銀行への知識不足を良いことに言いたい放題である。もっとも、デフレが長く続いたのはバブル崩壊以降の日銀の引き締めが長期化したことが一因であるため、必ずしも日銀政策が正しいわけではないが、金融緩和だけを切り取って批判するのはフェアではない。
結局のところ、NHKという公共放送機関が特定の視点に偏った報道を行っている現状は、ガバナンスの不備を露呈している。多角的な視点と正確な統計に基づく報道が求められる中、今回のドキュメンタリーはその点で多くの疑問を残すものであった。果たして、この放送は一体誰のために制作されたのか。国債残高は国民の富とも言えるのに、何も知らない一般視聴者にとっては、国債発行がただの「悪」として映ってしまう。責任は国民にはなく、30年もの間、国民負担を増やし可処分所得を減らした結果、消費も投資も増えずGDPを伸ばせなかった政府にある。
高関税発動を延期 ― 2025年04月11日

トランプ政権がわずか半日で一部関税の発動を延期した背景には、表向きには「消費者への影響を避けるため」と説明されたが、実際には米国債市場の動揺、いわゆる“国債暴落”への懸念が大きく影を落としていた可能性が高い。これまで「リスクフリー資産」とされてきた米国債は、関税政策や中国との対立激化を受け、株・債券・ドルが同時に売られるという異常な状況に見舞われた。これは、米国経済や財政に対する投資家の信頼が揺らぎ始めている兆候に他ならず、米国債がもはや安全な避難先として機能しなくなりつつあることを示していた。加えて、米国債の主要保有国である中国や日本の動きも見逃せない。もし外国人投資家が米国債を本格的に売却すれば、長期金利が急騰し、ドルも下落する。その結果、政府の借入コストが上昇し、財政運営は一層厳しさを増すことになる。株価を政権の成果と位置付けてきたトランプ政権にとって、こうした市場の混乱は単なる経済問題ではなく、政治的な打撃ともなりうる。したがって今回の関税延期は、単なる政策の微調整ではなく、国債市場や金融システム全体の安定を守るための“退却”だったとも言える。
株価の乱高下に一喜一憂する向きもあるが、株式市場は経済活動が続く限り、いずれ回復する可能性がある。しかし、国債価格の下落は国の信用そのものを揺るがし、民間の借入コストや企業の経営、ひいては雇用や実体経済に深刻な影響を与える。とりわけ、株式市場から距離のある下層労働者層の生活が直撃されれば、トランプ支持層の離反にもつながりかねない。この間、日本が米国債を売ったという噂もあるが、より現実味があるのは、中国が戦略的に売り浴びせを行ったという見方だ。米国債を売れば中国自身の資産も減るが、それでも100%超の関税を科された状況下では「背に腹は代えられない」との判断だったのだろう。だが、こうなると高関税と米国債売却の応酬となり、基軸通貨ドルの信用が損なわれれば、その影響は世界全体に波及する。日本としては静観を保ちつつ、中国産太陽光パネルに依存しない電力資源の開発に投資し、国内の産業と農業を早急に立て直すことが肝要だ。だが、それを迅速に実行できる政府が今の日本にあるかというと、残念ながら心もとない。
株価の乱高下に一喜一憂する向きもあるが、株式市場は経済活動が続く限り、いずれ回復する可能性がある。しかし、国債価格の下落は国の信用そのものを揺るがし、民間の借入コストや企業の経営、ひいては雇用や実体経済に深刻な影響を与える。とりわけ、株式市場から距離のある下層労働者層の生活が直撃されれば、トランプ支持層の離反にもつながりかねない。この間、日本が米国債を売ったという噂もあるが、より現実味があるのは、中国が戦略的に売り浴びせを行ったという見方だ。米国債を売れば中国自身の資産も減るが、それでも100%超の関税を科された状況下では「背に腹は代えられない」との判断だったのだろう。だが、こうなると高関税と米国債売却の応酬となり、基軸通貨ドルの信用が損なわれれば、その影響は世界全体に波及する。日本としては静観を保ちつつ、中国産太陽光パネルに依存しない電力資源の開発に投資し、国内の産業と農業を早急に立て直すことが肝要だ。だが、それを迅速に実行できる政府が今の日本にあるかというと、残念ながら心もとない。
1リットル10円補助 ― 2025年04月08日

政府・与党は、6月からガソリン価格を抑えるため、1リットルあたり10円の定額補助を導入する方向で検討している。現在の価格水準から見れば、確かに一定の値下がり効果は見込まれる。しかし、1リットルあたり25円10銭の「暫定税率」の廃止を求める野党の反発は必至だ。政府はガソリンの全国平均価格を185円程度に抑える方針を掲げ、夏の参院選を見据えた「国民負担の軽減」をアピールする構えだ。財源は既存の基金を活用し、追加の予算措置は講じないとしている。昨年12月には、自民・公明・国民民主の3党が「暫定税率の廃止」で合意した。しかし、あれから半年、具体的な廃止時期は棚ざらしのまま。6月から来年3月末まで、価格を引き下げることだけは決めたようだ。だが、現実を見れば、その「効果」には疑問符がつく。市中のガソリンスタンドでは185円程度の価格が一般的。そこから10円引いたとしても、満タン給油でせいぜい500円程度の差だ。原油価格も同時株安でやや下がってはいるものの、1バレル5ドルの下落では2円分程度しか値下がりしない。しかも、その上に「暫定」の名を借りた税金がどっしりとかかる。結局、庶民の負担は「雀の涙」ほども軽くならない。そもそもこの暫定税率、1974年の石油危機を受けて「一時的措置」として導入されたものだ。それが50年経っても存続している。
昨年の与党合意ですら実行されないまま先送り。もはや「暫定」とは、政治が怒りの火消しに使う“魔法の言葉”と化している。政府は「地方財政への影響がある」と繰り返すが、インフレの影響で地方税収も軒並み増加している今、果たしてどれだけの自治体が「あと1年、暫定税率を維持してほしい」と訴えているのか。どう見ても、理由をこじつけて、少しでも多く徴収したいという国の思惑が透けて見える。そして忘れてはならないのが、ガソリンだけではないということだ。日本の電力の約7割を火力発電が占める中、電気代の高騰も深刻な問題となっている。この夏、光熱費がどれだけ跳ね上がるのか、考えるだけで寒気がする。世界経済も安定にはほど遠い。トランプ関税への報復として中国が同率の関税を発表し、世界は同時株安に突入。日経平均は3月の3万9千円から、既に8千円も下落した。賃上げが進んだとはいえ、物価高に追いつけず、実質賃金は先月もマイナス。インフレと景気後退が同時に襲う「スタグフレーション」の足音がひたひたと迫っている。それでもなお、「10円の補助」でしのげるとでも思っているのだろうか。減税には背を向け、実効性の乏しい支援策でやり過ごそうとする石破内閣に、果たして危機を乗り越える力はあるのか。いま、国民が求めているのは、言葉のごまかしではなく、現実に即した政策だ。即刻、退場を願いたい。
昨年の与党合意ですら実行されないまま先送り。もはや「暫定」とは、政治が怒りの火消しに使う“魔法の言葉”と化している。政府は「地方財政への影響がある」と繰り返すが、インフレの影響で地方税収も軒並み増加している今、果たしてどれだけの自治体が「あと1年、暫定税率を維持してほしい」と訴えているのか。どう見ても、理由をこじつけて、少しでも多く徴収したいという国の思惑が透けて見える。そして忘れてはならないのが、ガソリンだけではないということだ。日本の電力の約7割を火力発電が占める中、電気代の高騰も深刻な問題となっている。この夏、光熱費がどれだけ跳ね上がるのか、考えるだけで寒気がする。世界経済も安定にはほど遠い。トランプ関税への報復として中国が同率の関税を発表し、世界は同時株安に突入。日経平均は3月の3万9千円から、既に8千円も下落した。賃上げが進んだとはいえ、物価高に追いつけず、実質賃金は先月もマイナス。インフレと景気後退が同時に襲う「スタグフレーション」の足音がひたひたと迫っている。それでもなお、「10円の補助」でしのげるとでも思っているのだろうか。減税には背を向け、実効性の乏しい支援策でやり過ごそうとする石破内閣に、果たして危機を乗り越える力はあるのか。いま、国民が求めているのは、言葉のごまかしではなく、現実に即した政策だ。即刻、退場を願いたい。
トランプ高関税発動 ― 2025年04月03日

トランプ米大統領は「相互関税」と称する関税措置を発表し、すべての貿易相手国に最低10%の関税を課す方針を示した。さらに、貿易赤字や貿易障壁を考慮し、追加の税率を設定するとした。この措置は米東部時間4月5日未明に基本部分が発効し、9日未明から各国への追加関税が適用される。トランプ氏は日本市場の閉鎖性を批判し、日本のコメには700%の関税が課されていると指摘。日本に24%、EUに20%、中国に34%の関税を設定すると説明した。政府高官は「巨額で慢性的な貿易赤字」が問題であるとし、「緊急事態」を宣言する文書に署名したと述べた。また、相互関税の追加分は貿易赤字の規模や非関税障壁を考慮して算出され、「最悪の違反者」とされる60カ国以上に高い税率が適用される。この措置により貿易摩擦の激化や世界経済への影響が懸念されている。トランプ氏は演説で「今日は長く待ち望んだ解放の日だ」と述べ、相手国に課す税率を示したボードを掲げるなど、強硬な姿勢を示した。さらに、日本車には25%の追加関税を課すとし、日本政府は引き続き米国との交渉に臨む方針を示している。しかし、トランプ氏や米国共和党の真の意図は不透明である。米国製造業の復活を目的とした高関税政策とされるが、高関税は他国からの輸入品価格を引き上げるため、米国内の供給が追いつくまでの間、インフレを引き起こす要因となる。政府が関税収入を国内減税に充てるとしても、輸入量の減少による供給不足がさらなるインフレを招く可能性がある。その結果、関税収入の減少が避けられず、この政策がうまく機能するとは思えない。
一方、各国は米国への輸出依存を減らし、非関税の市場への転換を模索すると考えられる。インフレによって高騰した米国製品は競争力を失い、結果的に中国やインドなどの製品が市場を席巻する可能性が高い。これにより、米国が中国の経済拡大を抑えようとする意図とは逆の現象が起こり、米国抜きのサプライチェーンが形成される契機となるかもしれない。もちろん、米国には世界が追随できないデジタル産業や宇宙・エネルギー産業が存在し、今後もこれらを主要な収益源とすることが予想される。しかし、民生製造業の復活は容易ではない。日本はいつまでも米国に依存するのではなく、大企業は600兆円に達する利益剰余金の半分でも活用して大幅な賃上げを実施し、政府は大幅な減税を行い、国民の可処分所得を増やすことで購買力を強化すべきである。また、政府投資の制限となっているプライマリーバランス論を捨て、積極的な公共投資を推進することが重要だ。日本のGDPの約6割は国内消費が占めるため、これを拡大する努力こそが必要である。米国の高関税政策に振り回されても、決定権は米国にあるため、先行きは極めて不透明である。それよりも、この機を国内生産と消費を伸ばす好機と捉え、政策を展開していくべきだ。しかし、頑なに減税を拒み負担増だけを求め激動する世界情勢の中で何をしたいのかわからぬ現政治体制では、その実現は難しい。
一方、各国は米国への輸出依存を減らし、非関税の市場への転換を模索すると考えられる。インフレによって高騰した米国製品は競争力を失い、結果的に中国やインドなどの製品が市場を席巻する可能性が高い。これにより、米国が中国の経済拡大を抑えようとする意図とは逆の現象が起こり、米国抜きのサプライチェーンが形成される契機となるかもしれない。もちろん、米国には世界が追随できないデジタル産業や宇宙・エネルギー産業が存在し、今後もこれらを主要な収益源とすることが予想される。しかし、民生製造業の復活は容易ではない。日本はいつまでも米国に依存するのではなく、大企業は600兆円に達する利益剰余金の半分でも活用して大幅な賃上げを実施し、政府は大幅な減税を行い、国民の可処分所得を増やすことで購買力を強化すべきである。また、政府投資の制限となっているプライマリーバランス論を捨て、積極的な公共投資を推進することが重要だ。日本のGDPの約6割は国内消費が占めるため、これを拡大する努力こそが必要である。米国の高関税政策に振り回されても、決定権は米国にあるため、先行きは極めて不透明である。それよりも、この機を国内生産と消費を伸ばす好機と捉え、政策を展開していくべきだ。しかし、頑なに減税を拒み負担増だけを求め激動する世界情勢の中で何をしたいのかわからぬ現政治体制では、その実現は難しい。
再エネ賦課金値上げ ― 2025年03月22日

経済産業省は、令和7年度の再生可能エネルギー普及のための「再エネ賦課金」を1キロワット時当たり3.98円に設定したと発表した。これにより、標準家庭の電気料金には月額1,592円、年額19,104円が上乗せされ、国民全体の負担は年間3兆634億円に達し、初めて3兆円を超える。この金額は令和6年度の3.49円から0.49円の上昇となり、標準家庭では月額196円、年額2,352円の増加となる。この賦課金は平成24年度に導入されたものであり、再エネの普及状況や市場価格を踏まえて毎年度経済産業相が設定している。令和5年度には、ウクライナ侵攻に伴う資源価格高騰の影響で一時的に単価が1.40円に下がったが、その後、令和6年度には元の水準へと引き上げられた。再エネ賦課金の増加は継続しており、負担増加が国民生活に影響を与えている。この制度は再生可能エネルギーの普及を促進するための政策の一環とされているが、今後の負担軽減策についても議論の余地がある。我が家では、月平均700kWhの電力を使用しており、月額約3,000円、年額3万円を超える賦課金を支払うことになる。賦課金は電気使用量そのものではなく、太陽光パネルを設置する企業のために国民全体が支払う「税金」のようなものである。この制度を決定したのは、立憲民主党の前身である民主党の菅直人政権である。当時、原発は放射能事故の危険性、火力発電は二酸化炭素排出による環境への影響が懸念され、再エネへの転換を図るため、政府が財政出動するのではなく、この賦課金制度が導入された。その結果、日本中に太陽光パネルが設置されたが、これにより二酸化炭素排出量がどれだけ減少したのかは、製造過程や処分過程を考慮すると明確ではない。一方で、高効率の石炭発電の新技術の方が削減効果が明確であるとされる。さらに自然任せの発電では発電低下した全域を賄う電力を蓄電するインフラがないので、同じ発電量の火力発電所を待機させておくことになり非効率この上ない。
2012年当初、再エネ賦課金は1kWhあたり0.2円で、「月額コーヒー一杯程度の負担」と説明されていたが、現在ではその18倍を支払う状況となっている。消費電力は横ばい、もしくは減少傾向にあるにもかかわらず、賦課金の増加は止まらない。燃料代高騰といっても、2012年と比較して電気代は約1.5倍程度の増加にとどまっているが、賦課金の上昇は天井知らずである。先日、OECDから日本の石炭消費削減を求める報告があったが、化石燃料の消費が減少すれば、再エネ発電の需要がさらに増加する可能性がある。二酸化炭素排出量が減少しても、国民生活が破綻しては意味がない。日本と他の先進国の違いは、所得の伸びにある。日本の実質賃金はマイナス成長である一方、先進国の平均所得は軒並み増加している。つまり、支払える可処分所得に大きな差がある。電気料金が高ければ、産業も国際競争に勝てない。このような負のスパイラルを生む制度は、即刻廃止されるべきである。
2012年当初、再エネ賦課金は1kWhあたり0.2円で、「月額コーヒー一杯程度の負担」と説明されていたが、現在ではその18倍を支払う状況となっている。消費電力は横ばい、もしくは減少傾向にあるにもかかわらず、賦課金の増加は止まらない。燃料代高騰といっても、2012年と比較して電気代は約1.5倍程度の増加にとどまっているが、賦課金の上昇は天井知らずである。先日、OECDから日本の石炭消費削減を求める報告があったが、化石燃料の消費が減少すれば、再エネ発電の需要がさらに増加する可能性がある。二酸化炭素排出量が減少しても、国民生活が破綻しては意味がない。日本と他の先進国の違いは、所得の伸びにある。日本の実質賃金はマイナス成長である一方、先進国の平均所得は軒並み増加している。つまり、支払える可処分所得に大きな差がある。電気料金が高ければ、産業も国際競争に勝てない。このような負のスパイラルを生む制度は、即刻廃止されるべきである。
トランプ米政権の関税政策 ― 2025年03月14日

トランプ米政権の関税政策が景気の先行きを不透明にしている。4月に新たな関税措置を発動予定で、市場は警戒を強めている。米国の関税強化に対し、中国は報復関税を実施し、EUやカナダも対抗措置を表明。貿易摩擦の激化による経済の停滞が懸念される。エコノミストは経済成長予測を下方修正し、景気後退リスクの高まりを指摘。JPモルガン・チェースは米国の景気後退確率を40%に引き上げ、ウェルズ・ファーゴは世界経済が2026年に景気後退に陥る可能性を示唆した。トランプ氏の関税強化姿勢を受け、10日のNYダウは1100ドル超下落。12日にはEUの対米報復計画に対し、「やり返す」と述べ、さらなる対抗措置を示唆した。まさに関税戦争である。武力こそ用いないが、このエスカレーションは歴史上、恐慌や世界大戦の引き金となったことがある。トランプ氏によれば、関税を引き上げるのは輸入品を締め出し、国内産業を復活させるためだという。しかし、関税は自国民が値上げの負担を強いられる政策でもある。つまり、コストプッシュインフレを引き起こし、ようやく落ち着きを取り戻した米国内の物価が再び高騰する恐れがある。
おそらく、増収となる関税を減税や国内投資に充てるというシナリオを持っているのかもしれないが、これもインフレ要因となり、結果としてFRB(米連邦準備制度理事会)は金利を引き下げられず、為替はドル高が進行し、米国の輸出は伸び悩むことになる。関税戦争が続けば、インフレによる価格高騰とドル高に加えて、関税負担もかさみ、米国製品はますます他国から敬遠されるだろう。アメリカの主要輸出品には精製石油、航空機、自動車、医薬品、半導体、トウモロコシや大豆などの農産物があるが、輸出額はGDPの約13%だ。トランプ氏は輸出量が減少しても国内生産を拡大し、インフレを抑制しようと考えているのかもしれない。しかし、その戦略に市場が納得する保証はない。また、高関税を課すアメリカを嫌い、各国が独自の経済圏を形成すれば、世界第2位の経済規模を誇る中国がその中心となる可能性が高い。アメリカが最大の標的とした中国経済がむしろ活性化する事態も考えられる。つまり、安全保障の観点からも、この関税政策は米国にとってマイナスに働く恐れがある。トランプ氏の関税政策は理屈では説明がつかず、予測不可能な要素が多い。関税戦争が世界恐慌や世界大戦へとつながらないことを願うばかりである。
おそらく、増収となる関税を減税や国内投資に充てるというシナリオを持っているのかもしれないが、これもインフレ要因となり、結果としてFRB(米連邦準備制度理事会)は金利を引き下げられず、為替はドル高が進行し、米国の輸出は伸び悩むことになる。関税戦争が続けば、インフレによる価格高騰とドル高に加えて、関税負担もかさみ、米国製品はますます他国から敬遠されるだろう。アメリカの主要輸出品には精製石油、航空機、自動車、医薬品、半導体、トウモロコシや大豆などの農産物があるが、輸出額はGDPの約13%だ。トランプ氏は輸出量が減少しても国内生産を拡大し、インフレを抑制しようと考えているのかもしれない。しかし、その戦略に市場が納得する保証はない。また、高関税を課すアメリカを嫌い、各国が独自の経済圏を形成すれば、世界第2位の経済規模を誇る中国がその中心となる可能性が高い。アメリカが最大の標的とした中国経済がむしろ活性化する事態も考えられる。つまり、安全保障の観点からも、この関税政策は米国にとってマイナスに働く恐れがある。トランプ氏の関税政策は理屈では説明がつかず、予測不可能な要素が多い。関税戦争が世界恐慌や世界大戦へとつながらないことを願うばかりである。
実質賃金減少 ― 2025年03月10日

厚生労働省の発表によると、1月の現金給与総額は前年同月比+2.8%であり、前月の+4.4%から低下した。基本給に相当する所定内賃金は+3.1%に上昇したが、ボーナスなどの特別給与が減少したため、現金給与総額の伸び率は鈍化した。消費者物価指数は+4.7%となり、実質賃金は-1.8%となり、3か月ぶりに低下した。賃金上昇率の基調は3%弱と見られるが、消費者物価の上昇率は約3%と推定される。今年の春闘では賃上げ率が5.2~5.3%と前年をやや上回る見込みであり、賃金上昇の影響は今後波及すると考えられる。実質賃金の小幅マイナスは続くものの、夏頃にはわずかなプラスが定着する見通しである。しかし、改善幅は小さく、個人消費の本格的な回復には不十分であると見られる。家人が定期預金の利率が倍に上がったと言うので、利率を聞いたところ、0.2%が0.4%に上がったとのことである。1万円で20円が40円になったわけである。一方、キャベツはこの1年で200円から500円と倍以上の高騰を見せており、焼け石に水とはまさにこのことであろう。実質賃金はこの5年間で5%近く減少している。つまり、賃上げ要求が史上最高だと言われているが、5%を超えるのは当たり前であり、5年間の損失を考慮すれば、10%程度の賃上げがなければ生活の質は改善しないというのが現実である。春闘で行われている交渉は、何ともみみっちいものであると感じざるを得ない。
3月1日のブログ「日本経済の死角」では、「この25年間で生産性は約30%向上したが、実質賃金は逆に3%減少した」と述べ、生産性向上に見合った賃上げが必要であると指摘した。試算では650万円程度が適正水準になると考えられる。つまり、現在の430万円に5割増しの220万円を積み上げれば、25年間の生産性上昇に見合った賃金水準となるのである。賃上げ50%と言えば、頭がおかしいと思われるかもしれないが、実際には企業の内部留保は25年前の300兆円から600兆円に膨れ上がっており、そのうちの約2割、100兆円を労働者に還元するよう求めているにすぎない。つまり、大企業には賃上げするだけの体力が十分にある。賃上げの正常化によって、インフレにも対応でき、GDPも上昇し、貿易も正常化し、税の減収も気にする必要がなくなる。何より家計が潤えば、不思議な教育の一律無償化を実施しなくても少子化に歯止めがかかるであろう。日本は先進国の中で最悪の収奪国と言われているが、その汚名を返上することができるはずである。当たり前のことを普通に取り組む政権が早急にできることを願う。
3月1日のブログ「日本経済の死角」では、「この25年間で生産性は約30%向上したが、実質賃金は逆に3%減少した」と述べ、生産性向上に見合った賃上げが必要であると指摘した。試算では650万円程度が適正水準になると考えられる。つまり、現在の430万円に5割増しの220万円を積み上げれば、25年間の生産性上昇に見合った賃金水準となるのである。賃上げ50%と言えば、頭がおかしいと思われるかもしれないが、実際には企業の内部留保は25年前の300兆円から600兆円に膨れ上がっており、そのうちの約2割、100兆円を労働者に還元するよう求めているにすぎない。つまり、大企業には賃上げするだけの体力が十分にある。賃上げの正常化によって、インフレにも対応でき、GDPも上昇し、貿易も正常化し、税の減収も気にする必要がなくなる。何より家計が潤えば、不思議な教育の一律無償化を実施しなくても少子化に歯止めがかかるであろう。日本は先進国の中で最悪の収奪国と言われているが、その汚名を返上することができるはずである。当たり前のことを普通に取り組む政権が早急にできることを願う。
三井住友NZBA離脱 ― 2025年03月06日

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は、脱炭素社会の実現に向けた国際的な金融機関の枠組み「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」からの離脱を決定した。NZBAは2050年までに温室効果ガスの実質排出ゼロを目指す取り組みで、現在44カ国134の金融機関が加盟している。邦銀では三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャル・グループなどが参加しており、SMFGの離脱は日本の金融機関として初の事例となる。SMFGは、これまで気候変動への取り組みとして社内体制の整備や高度化を進めてきたと説明し、NZBAに加盟せずとも独自の方法でネットゼロの目標達成が可能と判断したことを理由に挙げている。米国では、トランプ前大統領の就任前後からゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどの大手金融機関がNZBAから離脱する動きが相次いでいる。背景には、共和党の一部政治家がNZBAの方針が化石燃料企業への融資削減につながる場合、反トラスト法(独占禁止法)に抵触する可能性を指摘していることがある。今後、SMFGの決定が他の邦銀に影響を与え、NZBAからの離脱が広がる可能性があるとみられている。NZBAの方針により、日本の化石燃料新技術の分野は資金調達の制約を受けてきた。特に効率的な化石燃料利用技術や炭素回収・貯留(CCS)の研究開発において、融資制限が商業化の遅れを招き、日本の化石燃料新技術の国際的競争力が低下するとも言われてきた。
効率的な化石燃料利用技術とは、化石燃料のエネルギー効率を向上させつつ、環境負荷を低減することを目的とする。具体例としては、高効率火力発電、クリーンコール技術、低品位炭や廃棄物を活用する技術がある。これらの技術は、化石燃料をより持続可能に利用するための重要な手段であり、温室効果ガス削減やエネルギー効率向上に寄与する。しかし、脱炭素運動の流れの中で、石炭火力などの開発や海外展開を促進するための融資はNZBAの方針により抑制されてきた。建設や運用に高額な資金投入が必要な再生可能エネルギーよりも安価に発電できる火力発電技術は、発展途上国にとって不可欠である。また、放射性廃棄物の最終処理手段を持たない日本にとっても、この技術は重要な役割を果たす。日本の火力発電所は、NZBAの融資制限の影響で新規設備投資が困難となり、古い設備のまま稼働を続けている。これは、燃費の悪いかつてのアメリカ製自動車のような状況である。電気自動車(EV)志向が早すぎるとの声がある中で、日本のハイブリッド車が再評価されていることからもわかるように、発電もベストミックスを選択すべきである。何もかもを一つに絞り込む動きには必ずリスクが伴う。バランスをとりながら一歩ずつ積み重ねていくことこそが、技術革新を支える金融と行政の役割だと思う。
効率的な化石燃料利用技術とは、化石燃料のエネルギー効率を向上させつつ、環境負荷を低減することを目的とする。具体例としては、高効率火力発電、クリーンコール技術、低品位炭や廃棄物を活用する技術がある。これらの技術は、化石燃料をより持続可能に利用するための重要な手段であり、温室効果ガス削減やエネルギー効率向上に寄与する。しかし、脱炭素運動の流れの中で、石炭火力などの開発や海外展開を促進するための融資はNZBAの方針により抑制されてきた。建設や運用に高額な資金投入が必要な再生可能エネルギーよりも安価に発電できる火力発電技術は、発展途上国にとって不可欠である。また、放射性廃棄物の最終処理手段を持たない日本にとっても、この技術は重要な役割を果たす。日本の火力発電所は、NZBAの融資制限の影響で新規設備投資が困難となり、古い設備のまま稼働を続けている。これは、燃費の悪いかつてのアメリカ製自動車のような状況である。電気自動車(EV)志向が早すぎるとの声がある中で、日本のハイブリッド車が再評価されていることからもわかるように、発電もベストミックスを選択すべきである。何もかもを一つに絞り込む動きには必ずリスクが伴う。バランスをとりながら一歩ずつ積み重ねていくことこそが、技術革新を支える金融と行政の役割だと思う。
日本経済の死角 ― 2025年03月01日

著者の河野龍太郎氏は1964年生まれのエコノミストで、BNPパリバ証券経済調査本部長を務める。日経ヴェリタス調査で11回の株式アナリスト首位に輝き、予測的中率の高さで複数回表彰されている。最近はYouTubeでの露出が増えており、本書を手に取るきっかけとなった。本書は、日本経済の停滞を「収奪的システム」として分析している。著者は、生産性が上昇しているにもかかわらず実質賃金がほとんど上がらない現象に注目する。この25年間で生産性は約30%向上したが、実質賃金は逆に3%減少した。企業の利益剰余金は大幅に増加しながらも従業員への還元は進まず、企業は貯蓄主体となり国内投資を控え、海外投資を優先する姿勢を取っている。また、大企業の正社員は定期昇給による賃金上昇で生活水準が保たれたため、全体の賃金停滞に無自覚だった。一方、非正規雇用の拡大と低賃金の固定化が労働者からの収奪を促進した。女性や高齢者の労働参加の増加は労働力不足を補ったが、賃金の上昇を抑える要因となった。日銀の金融緩和政策は円安を維持し、企業の海外投資収益を押し上げたものの、国内投資や賃金の上昇には結びつかなかった。さらに、働き方改革による労働時間の短縮や残業規制は、労働投入量の減少を招き、潜在成長率の低下に寄与したと分析している。
著者は、日本経済の停滞は人口減少や構造改革の遅れだけでなく、企業経営の姿勢や政策判断の誤りによる「収奪的システム」が根底にあると指摘する。このシステムが労働者からの収奪を促進し、経済成長を阻害していると結論付ける。また、DX化による自動化促進も、一部の高所得者を生み出すものの、低所得者の所得底上げにはつながらず、収奪を加速させる恐れがあるという。歴史的に見れば、テクノロジーの発展は政治や社会の在り方によって収奪的にも包摂的にも働く。再分配の民主化は社会民主主義的とも言えるが、経済の安定的発展は単に企業を叩けば実現するものではない。また、リフレ派が主張する未来の果実を先食いする金融政策だけでは、適度な再分配による経済の好循環は本質的には生まれない。結局のところ、問題の解決は政治の在り方に帰結するが、相互に影響を及ぼし合う世界経済の中で、単純な回答は存在しないというのが著者の結論だ。それにしても、日本の高齢化や生産性が向上していないから給与が上がらないというデマを吹聴してきた政治家やエコノミストには、早々に退場してもらいたい。
著者は、日本経済の停滞は人口減少や構造改革の遅れだけでなく、企業経営の姿勢や政策判断の誤りによる「収奪的システム」が根底にあると指摘する。このシステムが労働者からの収奪を促進し、経済成長を阻害していると結論付ける。また、DX化による自動化促進も、一部の高所得者を生み出すものの、低所得者の所得底上げにはつながらず、収奪を加速させる恐れがあるという。歴史的に見れば、テクノロジーの発展は政治や社会の在り方によって収奪的にも包摂的にも働く。再分配の民主化は社会民主主義的とも言えるが、経済の安定的発展は単に企業を叩けば実現するものではない。また、リフレ派が主張する未来の果実を先食いする金融政策だけでは、適度な再分配による経済の好循環は本質的には生まれない。結局のところ、問題の解決は政治の在り方に帰結するが、相互に影響を及ぼし合う世界経済の中で、単純な回答は存在しないというのが著者の結論だ。それにしても、日本の高齢化や生産性が向上していないから給与が上がらないというデマを吹聴してきた政治家やエコノミストには、早々に退場してもらいたい。
電気代値上げ ― 2025年02月13日

大手電力10社は3月請求分(2月使用分)の家庭向け電気代を発表した。発電燃料の価格上昇により、東京電力HDや中部電力など8社が21~54円値上げする。九州電力は制度の影響で2円安くなり、関西電力は据え置き。東京電力管内の電気代は44円上がり、8218円となる見込みだ。政府は2~3月の電気・ガス代を1キロワット時あたり2.5円補助するが、4月以降は1.3円に縮小し、約300円の値上げ要因となる。同日、大手ガス4社もLNG価格上昇に伴い、33~43円の値上げを発表した。1月分の電気代は恐ろしくて確認するのもためらわれたが、怖いもの見たさでWEBで調べると、1400kWhで4万5000円とある。覚悟はしていたものの、思わず目を疑った。確かに寒さが厳しく、昼夜エアコンを使っていたが、ここまでとは思わなかった。一つの部屋で過ごせばエアコン代は抑えられるが、夫婦といえども個室空間は必要だ。電気代を取るか、心の安定を取るかと考えれば、後者が勝る。
2月分からは政府補助が復活すると言うが、1月並みに消費すれば、わずか3500円程度の軽減に過ぎず、値上げ分と相殺して焼け石に水だ。願わくば、一日も早く暖かくなってほしい。キャベツは1玉500円、コメは5キロ3500円と、何もかもが値上がりを続ける一方、年金は物価上昇に応じたスライドなど望めない。政府は米国に153兆円の投資を約束したというが、まず投資すべきは国内ではないのか。ただ、税金を集めるだけ集めて、それをばらまくやり方には納得できない。税率を下げれば、商品価格も抑えられるはずだ。電気税とも言える再エネ賦課金は廃止すべきである。賦課金分にも消費税がかかり、事実上の二重課税となっている。しかし、国会論戦は情けない状況だ。国民民主党が減税を主張しても、立憲民主党は同調せず、インフレ対策とは無縁の夫婦別姓に執着。維新の会も高校教育へのバラマキにばかり関心を示し、減税と景気回復を求める国民に背を向けている。この恨みは、次の参院選で晴らしたい。
2月分からは政府補助が復活すると言うが、1月並みに消費すれば、わずか3500円程度の軽減に過ぎず、値上げ分と相殺して焼け石に水だ。願わくば、一日も早く暖かくなってほしい。キャベツは1玉500円、コメは5キロ3500円と、何もかもが値上がりを続ける一方、年金は物価上昇に応じたスライドなど望めない。政府は米国に153兆円の投資を約束したというが、まず投資すべきは国内ではないのか。ただ、税金を集めるだけ集めて、それをばらまくやり方には納得できない。税率を下げれば、商品価格も抑えられるはずだ。電気税とも言える再エネ賦課金は廃止すべきである。賦課金分にも消費税がかかり、事実上の二重課税となっている。しかし、国会論戦は情けない状況だ。国民民主党が減税を主張しても、立憲民主党は同調せず、インフレ対策とは無縁の夫婦別姓に執着。維新の会も高校教育へのバラマキにばかり関心を示し、減税と景気回復を求める国民に背を向けている。この恨みは、次の参院選で晴らしたい。