然う然う

日本の次世代主力ロケット「Ｈ３」２号機は午前９時すぎに打ち上げ、予定した飛行実証や超小型衛星２基、模擬衛星の軌道投入すべてに成功したことを発表した。ライブ中継で観ていたが、抱き合うスタッフ見て涙が出た。なんとしても国産ロケットの新たな開発をと１０年近く頑張ったスタッフは、昨年３月の打ち上げ失敗に苦汁をなめた。新型とはいえ、これまでＨ２ロケットで得た信頼をぶち壊したという思いもスタッフの中にはあっただろう。２段目エンジンが駆動しない問題は１年をかけて精査され今回を迎えた。ロケットの打ち上げは何百人というチーム力が試される。ロケットの発射場面を見るといつも胸が熱くなるのは、そうしたスタッフとそれを応援する幾百万の人々の思いが発射の瞬間に結実しているような気がするからだろう。

米宇宙企業スペースＸ社は、革新的な技術開発で打ち上げコストを大幅削減し各国の政府機関も打ち上げを発注する状況だという。Ｈ３は、打ち上げコストを従来の半分に下げ、用途に応じた柔軟な対応も可能にするために開発を重ねてきた。その結果が今日やっと実を結んだ。月面探索機で世界を沸かせた日本が今度はビジネス目的のロケット打ち上げを成功させたのだ。重圧に耐えてスタッフはよく頑張ったと思う。おめでとう。