大阪公立高入試も前倒し2024年06月21日

公立教員試験の前倒しを先日書いたが、今度は公立高試験日の前倒しだ。大阪府は、毎年3月上旬に実施している府立高校の一般選抜を、2月下旬に前倒しする選抜制度改善案を公表した。試験を早くすることで志願者を増やす狙いだ。府は2010年度から高校授業料無償化を導入し、2024年度からは段階的な所得制限の撤廃を実施している。今春の入試では私立高の「専願」が過去20年で初めて3割を超え、公立高の志願者は公立高の半数近い70校が定員割れとなっている。公立校の中でも有名進学校は高い倍率を維持しているが、中堅以下の高校が定員割れを起こしている。これまでは受験時期の早い私学を滑り止めにしてその私学より偏差値の高い公立校を受験するのがセオリーだったが、これが逆転したということだ。つまり人気私学に滑った生徒を公立で受け止めて定員割れに歯止めをかけたいということだろう。

学力があれば貧乏でも進学できる公立高の授業料の無償化には賛成だが、私学の無償化はおかしい。底辺公立高にも引っかからない低学力生を引き受けてきた私学の果たしてきた社会的役割は大きいとは思う。だが子供を人質にして家計が苦しい家庭でも高い学費を余儀なく払わされてきた面は否めない。それを無償にするのだから良いではないかと言う向きもあるが、子供の特性を見抜けず、やる気がないと放置してきた義務制段階の公教育にも原因がある。こうした「尻拭い」を底辺私学校だけが請け負うのはおかしい。低学力生には公立校でこれまでの義務教育の責任を引き受けるのが筋というものだ。試験日の前倒しは、少子化の中でわずかな「上澄み」の子供の取り合いでしかない。私学は授業料が無理なく払えるお金持ちが行けばよい。お金持ちに使う無償化資金は公立教育の充実に回せばよい。公立は貧乏でも勉強ができない子でも引き受けるという本来の公教育の役割を果たしてほしい。