「恋は盲目」前橋市長選挙 ― 2025年12月27日
「恋は盲目」とはよく言ったものだが下半身の暴走まで市政に持ち込まれては、さすがに迷惑千万である。週刊文春12月24日号が放った「ダブルスコア圧勝!」なる景気のいい予測に、本人はすっかり気をよくしたらしい。12月20日の支援者集会には300人超が集まり、「あきらちゃん頑張って〜」の黄色い声が飛び交ったという。赤城おろしが吹きすさぶ冬空の下、会場は妙な熱気に包まれていた。だが、その熱狂は本当に前橋市民の総意なのか。それとも、週刊誌の“当て物記事”に浮かれた幻想のバブルにすぎないのか。
事の発端は、2025年9月24日に配信された NEWSポストセブンのスクープである。既婚の年上男性秘書課長(当時)と、市内のラブホテルで10回以上密会していたというものだ。公用車を使用した日もあり、さらには記録的短時間大雨警報が発令された日まで含まれていた。市長は緊急会見を開き、「男女関係はありません」「仕事の打ち合わせでした」と涙ながらに否定した。理由としては、「受付で名前を書かなくて済む」「庁舎の会議室だと特定の職員との関係を疑われるから」と説明したという。なるほど、弁護士らしい理屈としては一応の整合性はある。
しかし、民事裁判ではラブホテルへの同伴が不貞行為と法的に認定される場合があることは、彼女も当然知っているはずだ。そして、常識的な市民の率直な感想は一つに尽きる。なぜ、個人的な問題を政治の現場に持ち込むのか。
市民からの苦情は1万件超。市議会は11月27日、全会一致で辞職を承認した。それでも小川氏は折れなかった。12月17日、出直し市長選(2026年1月5日告示、12日投開票)への無所属出馬を表明し、「やり残した公約を実現するしかない」と胸を張る。だが、ここで見落としてはならない本質がある。それは、巨額の税金が浪費されるという事実だ。
出直し選挙の費用は市負担。読売新聞の試算では約1億3000万円。ポスター掲示板は前回の倍以上となる13枠に拡張され、選挙公報の増刷、事務経費も上積みされる。さらに、辞職に至る混乱の中で設置された臨時コールセンター、議会特別委員会の運営費、第三者調査費用――積み上げれば総額はさらに膨らむ。原因はただ一つ。市長個人の私的欲求が招いた不祥事である。恋は盲目でもいい。だが、市民の血税まで盲目にする権利はない。
それでも本人に反省の色は見えない。「市民の声が大切」と口では言うが、市民が最も強く求めている「けじめ」には耳を塞ぎ続ける。地元取材では「もう信じられない」「早く辞めてほしかった」という声が大勢を占める。若者や主婦、保護者層からは「アイドル気取り」「恥知らず」「子供の出席する卒業式や入学式で小川氏の祝辞は受けたくない」と拒否反応が噴出。連合群馬は自主投票、自民・公明の推薦もなし。経済界からも「街のイメージ低下」と不信の声が上がる。批判票が新人2人に流れれば、前回約6万票の再現はおぼつかない。
小川氏の心理は、「認めたら終わり」という恐怖と「私は間違っていない」という自己欺瞞の間で揺れている。認知的不協和を「女性だから叩かれやすい」という被害者意識で埋め、週刊誌の甘い予測にすがって現実から目を背ける。しかし、最も看過できないのは、自らの不祥事が市政混乱と税金浪費を生んだことへの反省が、一切感じられない点だ。選挙費用も混乱の後始末も、すべて市民の血税。その上で「前橋を変えていく」と強弁する姿は、傲慢を通り越して無神経の極みである。
この出直し選は、もはや単なる市長選ではない。首長の倫理、説明責任、そして私的欲求を政治に持ち込まないという最低限の常識を問う、厳粛な審判の場だ。年末年始を挟み、月曜祝日に投開票という異例日程は、組織票や熱心票を利する可能性がある。だが、保護者世代の怒りが投票箱に向かえば、結果は自ずと見えてくる。首長とは、欲望を優先した人間ではなく、欲望を抑制できた人間だけが就ける職である。1月12日、前橋市民はその最低条件を、投票箱で突きつけることになる。
事の発端は、2025年9月24日に配信された NEWSポストセブンのスクープである。既婚の年上男性秘書課長(当時)と、市内のラブホテルで10回以上密会していたというものだ。公用車を使用した日もあり、さらには記録的短時間大雨警報が発令された日まで含まれていた。市長は緊急会見を開き、「男女関係はありません」「仕事の打ち合わせでした」と涙ながらに否定した。理由としては、「受付で名前を書かなくて済む」「庁舎の会議室だと特定の職員との関係を疑われるから」と説明したという。なるほど、弁護士らしい理屈としては一応の整合性はある。
しかし、民事裁判ではラブホテルへの同伴が不貞行為と法的に認定される場合があることは、彼女も当然知っているはずだ。そして、常識的な市民の率直な感想は一つに尽きる。なぜ、個人的な問題を政治の現場に持ち込むのか。
市民からの苦情は1万件超。市議会は11月27日、全会一致で辞職を承認した。それでも小川氏は折れなかった。12月17日、出直し市長選(2026年1月5日告示、12日投開票)への無所属出馬を表明し、「やり残した公約を実現するしかない」と胸を張る。だが、ここで見落としてはならない本質がある。それは、巨額の税金が浪費されるという事実だ。
出直し選挙の費用は市負担。読売新聞の試算では約1億3000万円。ポスター掲示板は前回の倍以上となる13枠に拡張され、選挙公報の増刷、事務経費も上積みされる。さらに、辞職に至る混乱の中で設置された臨時コールセンター、議会特別委員会の運営費、第三者調査費用――積み上げれば総額はさらに膨らむ。原因はただ一つ。市長個人の私的欲求が招いた不祥事である。恋は盲目でもいい。だが、市民の血税まで盲目にする権利はない。
それでも本人に反省の色は見えない。「市民の声が大切」と口では言うが、市民が最も強く求めている「けじめ」には耳を塞ぎ続ける。地元取材では「もう信じられない」「早く辞めてほしかった」という声が大勢を占める。若者や主婦、保護者層からは「アイドル気取り」「恥知らず」「子供の出席する卒業式や入学式で小川氏の祝辞は受けたくない」と拒否反応が噴出。連合群馬は自主投票、自民・公明の推薦もなし。経済界からも「街のイメージ低下」と不信の声が上がる。批判票が新人2人に流れれば、前回約6万票の再現はおぼつかない。
小川氏の心理は、「認めたら終わり」という恐怖と「私は間違っていない」という自己欺瞞の間で揺れている。認知的不協和を「女性だから叩かれやすい」という被害者意識で埋め、週刊誌の甘い予測にすがって現実から目を背ける。しかし、最も看過できないのは、自らの不祥事が市政混乱と税金浪費を生んだことへの反省が、一切感じられない点だ。選挙費用も混乱の後始末も、すべて市民の血税。その上で「前橋を変えていく」と強弁する姿は、傲慢を通り越して無神経の極みである。
この出直し選は、もはや単なる市長選ではない。首長の倫理、説明責任、そして私的欲求を政治に持ち込まないという最低限の常識を問う、厳粛な審判の場だ。年末年始を挟み、月曜祝日に投開票という異例日程は、組織票や熱心票を利する可能性がある。だが、保護者世代の怒りが投票箱に向かえば、結果は自ずと見えてくる。首長とは、欲望を優先した人間ではなく、欲望を抑制できた人間だけが就ける職である。1月12日、前橋市民はその最低条件を、投票箱で突きつけることになる。