ファタハとヨルダン川西岸2025年03月23日

ファタハとヨルダン川西岸
パレスチナ自治政府のアッバス議長率いるファタハは22日、対立するハマスに対し、ガザ地区のパレスチナ人の存立を守るため権力を放棄するよう求めた。ファタハは、ハマスが統治を続ければパレスチナ人の存在が危機に直面すると警告。ハマスは2007年にガザの権力を掌握して以降、和解の試みは失敗している。2023年10月のハマスの越境攻撃に対するイスラエルの報復攻撃でガザは壊滅的な被害を受けた。ハマスは戦後にガザ支配を返上する用意があるものの、武力放棄は拒否。エジプトの提案する専門家らによる独立委員会の設置を支持しつつ、民族的合意を重視すると表明した。一方、アッバス議長は同委員会をパレスチナ自治政府に報告させるべきだと主張し、自治政府のガザ統治の正当性を強調しているが、イスラエル政府はこれを拒否している。パレスチナ問題は非常に複雑で、解決の糸口を見出すのは容易ではない。ガザをイスラエルに、ヨルダン川西岸をパレスチナにというような和平策が考えられるかもしれない。

1967年の六日戦争におけるヨルダン川西岸の占領も、ユダヤ人を排斥しようとするイスラム勢力のテロやアラブ諸国の挑発が契機となった。結果的にイスラエルを孤立させ、独立した民主国家が反撃したのは当然ともいえる。ただ、パレスチナ側もハマスの武力を排除して政権を統一するならば、イスラエルはヨルダン川西岸をパレスチナに一気に返還し、破壊し尽くしたガザはイスラエルに帰属させて復興を進める方法も考えられるのではないか。しかし、米国の軍事力を背景にしたイスラエルがパレスチナの要求に容易に応じることは考えにくい。イスラエルの占領地の割譲と引き換えに交渉を進めるのが現実的かもしれないが、中露寄りの立場を強めるイランの影響もあり、簡単には進展しないだろう。