北陸新幹線小浜京都ルート ― 2024年10月01日
北陸新幹線が金沢から敦賀市まで延伸し、9月で半年が経過した。この間、福井県では観光客が大幅に増加したが、地元からは「石川に裏切られた」という声が聞かれる。与党のプロジェクトチームは2016年に移動時間の短縮を理由に「小浜・京都ルート」を採用した。しかし、近年になって工期や費用が倍近くになる見通しが示され、石川県では「米原ルート」の再検討を求める声が高まっているからだ。福井県側は「既に決まった話」として反発しており、両県の対立が表面化している。自分の駅ができれば延伸先を変更してでも最短で開通させたい気持ちはわかるが、地元エゴの誹りは免れない。先日、大阪や金沢など7つの商工会議所は会合を開き、北陸新幹線の「小浜ルート」の早期着工を目指す決議を採択して巻き返しを図った。「大規模災害時に日本海回りのルートがあれば、東海道新幹線の代替路線となる。北陸新幹線は災害に強い国土形成に不可欠」「敦賀開業の経済効果を最大化するためには、一日も早い大阪延伸が重要」という。巨額投資をあてにしていた経済界も黙ってはいない。何しろ小浜以南はほぼトンネルなので通常の高架建設の5倍以上の投資となる。
敦賀~新大阪間計画は東小浜、京都、松井山手を経由し、ほとんどがトンネル区間となる。鉄道・運輸機構は京都駅の位置について「東西案」「南北案」「桂川案」の3案を提示している。「東西案」は現京都駅に沿い、工期は約28年で工費3.7兆円。「南北案」は現駅を南北に貫き、工期は約20年で工費3.9兆円。「桂川案」は桂川駅付近に設置し、工期は約26年で工費3.4兆円だ。ただ、京都盆地の地下には琵琶湖とほぼ同じ水量の地下水があるとされ下手に地下工事をすると地下水脈を切ってしまう。地下水脈に影響の少ないのは「南北案」と言われ、小浜から京都太秦あたりまで南進して堀川通まで東進したあと京都駅から油小路と南進するルートだ。京都人にしてみれば地下50m程のトンネルなのでどこを通ろうと景観には影響がないが地下水の水位は地盤に影響する。完成はリニア大阪開通と同じ頃だろうという。広大な国土だと空港開発一択だが、高速鉄道網の開発は狭い日本ならではのものだ。ただ、地盤弱化で東寺の五重塔が傾くのだけは勘弁してほしい。
敦賀~新大阪間計画は東小浜、京都、松井山手を経由し、ほとんどがトンネル区間となる。鉄道・運輸機構は京都駅の位置について「東西案」「南北案」「桂川案」の3案を提示している。「東西案」は現京都駅に沿い、工期は約28年で工費3.7兆円。「南北案」は現駅を南北に貫き、工期は約20年で工費3.9兆円。「桂川案」は桂川駅付近に設置し、工期は約26年で工費3.4兆円だ。ただ、京都盆地の地下には琵琶湖とほぼ同じ水量の地下水があるとされ下手に地下工事をすると地下水脈を切ってしまう。地下水脈に影響の少ないのは「南北案」と言われ、小浜から京都太秦あたりまで南進して堀川通まで東進したあと京都駅から油小路と南進するルートだ。京都人にしてみれば地下50m程のトンネルなのでどこを通ろうと景観には影響がないが地下水の水位は地盤に影響する。完成はリニア大阪開通と同じ頃だろうという。広大な国土だと空港開発一択だが、高速鉄道網の開発は狭い日本ならではのものだ。ただ、地盤弱化で東寺の五重塔が傾くのだけは勘弁してほしい。