日本保守党の行方2025年10月02日

日本保守党の行方
先日、地域政党「減税日本」と日本保守党が“特別友党関係”を解消した。発表のきっかけは、衆院議員・河村たかし氏に対する「共同代表解任通告」。これに河村氏は猛反発し、「信頼関係の再構築は不可能」と突き放した。もはや、政界のドタバタ劇というより「河村劇場の幕引き」と呼ぶべきかもしれない。ただの「ケンカ別れ」ではない。浮き彫りになったのは、保守党の組織運営力の脆弱さと、人材選定の稚拙さだ。

河村氏といえば、衆院議員時代から常に話題を振りまいてきた“トラブルメーカー”である。民主党離党、維新との蜜月と破局、リコール署名不正問題……常に波乱の渦中にいた。個性と庶民感覚を武器にする一方、全国規模で安定した信用を得るには限界がある。にもかかわらず保守党は、愛知の減税日本票を比例区東海ブロックで拾い、選挙で組織戦力を持つ彼を共同代表に据えるという“算段”をした。有本香氏も河村氏の減税論や対中姿勢には共鳴し、河村流への懸念を承知の上で“政略結婚”に踏み切った。

結果は予想通りだ。河村氏は結党間もない補選への参戦や比例候補者に自分の息のかかった人物を当選させようと口を出し、飯山あかり氏、竹上ゆうこ氏らの人事でゴタゴタを引き起こした。資金管理や人事を巡る問題は離党や裁判沙汰まで発展し、支持者を失望させた。要するに、党の信頼性は“河村フィルター”で濁ったのである。保守党執行部はどうだったか。有本氏は理念も発信力も立派だが、組織運営では「自分と同じ熱量と正義」を他人に期待しすぎる癖がある。百田尚樹氏は文句を言いつつ追認するだけで、結果的に責任は曖昧。党の迷走に拍車をかけた形だ。

今回の“離縁”を党全体の挫折と見る向きは少ない。党内には河村氏との共同が党運営をかき乱すと考える声も少なくなかった。有本氏もその反発を承知しつつ、自身の信念を曲げられなかった。つまり、痛みを感じたのは有本・百田両氏であり、党としてはむしろ正常化の一歩を踏み出したと言える。短期的には個人のツケ、長期的には組織の安定――この二重構造こそ、今回の決裂の本質だ。

新興政党にゴタゴタはつきもの。参政党も離脱者や独裁批判、地方議員の不祥事などを経験しながら、理念と再編で一定の支持を維持してきた。保守党も今まさにその途上である。河村氏の退場は“災厄”か、それとも“浄化作用”か。いずれにせよ、日本保守党の真価が問われるのはここからだ。理念だけで突っ走るのではなく、現実の組織運営に耐えうる知恵と協調性――要は“政界サバイバル力”が求められている。皮肉に聞こえるかもしれないが、政治家の器量は、こうした混乱の中でこそ試されるのだ。