ゴンカルベスCEO ― 2025年01月18日
米鉄鋼大手USスチールの買収を巡り、日本製鉄に競り負けた米クリーブランド・クリフスのゴンカルベスCEOは、13日の記者会見で日本批判を展開し、改めて買収への意欲を示した。クリフスは買収計画を再検討しているとし、詳細は明かさないものの、「米国一丸の解決策がある」と強調。一方で、日本を「邪悪だ」「中国以下だ」と非難し、中国にダンピングや過剰生産を教えたと主張。さらに、買収禁止を求めた日本の石破茂首相に怒りを向け、「日本は1945年以降何も学んでいない」と激しい口調で批判した。クリフスはUSスチール買収後、電炉大手ニューコアと提携し電炉部門を売却する計画を進め、反トラスト法への抵触を回避しようとしている。日鉄は141億ドルで買収を進めており、70億ドルのクリフス案を大きく上回る規模でUSスチール側も支持を表明。ゴンカルベス氏の発言に「同盟国日本への攻撃」と失望を示したという。「日本よ、気をつけろ。あなたたちは自分が何者か理解していない。1945年から何も学んでいない。私たちがいかに良心的で寛容かを学んでいない。我々の血を吸うのはやめろ、我々はアメリカ人だ。我々はアメリカ人を愛し、アメリカを愛している」というのはブラジル人のCEOの発言だが、アメリカ人の本音を聞いたような気がする。
未だに世界の認識は連合国の勝利で動いており、敵国日本はお呼びじゃないと言いたいわけだ。もちろんクリーブランド・クリフス社が日鉄の半値でUSスチールを買い、世界市場の中で自社の立場を優位にしたいのは言うまでもないがナショナリズムを味方にして中国以下だと罵る姿はアメリカの属国日本という認識を露わにした。確かに日本は中国に対して多くの技術と人材を投資してきてた。その結果、中国は米国に迫る生産力を持ち今や世界の覇権者となった。だが、それを言うならアップルもテスラも同じだ。このやり取りを見てほくそ笑んでいるのは中国だけだ。ブラジルはロシア、インド、中国、南アフリカで、先進国圏を相手に国際的な協力体「BRICS」を始動し2024年には、イラン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦が新たに加わり、現在では10か国が参加している。反米連合の出身者のどの口が言うのかと言いたくもなる。だがしかし、米国より先に中国と挨拶を交わす石破政権では心許ないと思うのも事実である。
未だに世界の認識は連合国の勝利で動いており、敵国日本はお呼びじゃないと言いたいわけだ。もちろんクリーブランド・クリフス社が日鉄の半値でUSスチールを買い、世界市場の中で自社の立場を優位にしたいのは言うまでもないがナショナリズムを味方にして中国以下だと罵る姿はアメリカの属国日本という認識を露わにした。確かに日本は中国に対して多くの技術と人材を投資してきてた。その結果、中国は米国に迫る生産力を持ち今や世界の覇権者となった。だが、それを言うならアップルもテスラも同じだ。このやり取りを見てほくそ笑んでいるのは中国だけだ。ブラジルはロシア、インド、中国、南アフリカで、先進国圏を相手に国際的な協力体「BRICS」を始動し2024年には、イラン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦が新たに加わり、現在では10か国が参加している。反米連合の出身者のどの口が言うのかと言いたくもなる。だがしかし、米国より先に中国と挨拶を交わす石破政権では心許ないと思うのも事実である。
宿泊税の最高額を1万円 ― 2025年01月15日
京都市は、現行の宿泊税(1人1泊200~1,000円)の最高額を1万円に引き上げる案を発表。1泊10万円以上の宿泊に適用され、税収増を目指す。改正案は2024年2月の市議会で審議後、同意を得て2025年3月から施行予定。現行の3区分を5区分に変更し、最低税額200円を据え置く一方、1泊料金に応じ税額を段階的に引き上げる。税収は2023年度の約52億円から約126億円に増加見込み。オーバーツーリズム問題や観光の持続可能性を踏まえ、松井市長は「公平な負担」を強調。税収は景観保全や社会インフラ整備などに活用される予定。他自治体では定額制が主流だが、北海道俱知安町では2%定率制を採用している。夏の京都四条通は個々はどこの国かと見紛うほどの外国人だらけだ。祇園祭の路地も錦市場も足の踏み場もないほどの混雑ぶりだ。そもそも1000年以上前から同じ道幅のままで溢れに溢れた観光客を捌けるわけがない。市バスは観光客の謎のスーツケース(ホテルにおいて来いよ)で満員で主要路線では市民の足を奪っている。値上がりした食品も工芸品も観光客にしてみれば円安で母国の子供の小遣いほどの値段なので飛ぶように売れる。調子に乗った店舗は外国人価格で値段を吊り上げ日本人には手が出なくなってくる。小洒落た立ち飲みビヤカウンターで飲んだ地ビール1杯1500円には目をむいてしまう。
「堪忍しておくれやす」というのが京都人の正直な気持ちなので、宿泊税が1万になっても誰も文句は言わないだろう。ただ、その程度の値上げでオーバーツーリズムが改善されるわけがない。1泊10万円以上の宿に泊まる観光客はそもそもお金持ちで下々のゲストハウス利用の我々とは違う世界で生きている。京都で一人1泊10万円以上の宿といわれても柊家か俵屋くらいしか思いつかない。確か最高グレードで50万円ほどだと思う。あとは仁和寺の松林庵が100万円だったかと思うが宿泊人数は知れている。本当に観光客の数を減らそうとするなら航空機を下りた税関で滞在期間に応じて1泊5万円ほど課税すれば上客の外国人だけを招くことができるだろう。とにかく観光客が多すぎるのは何とかしてほしい。
「堪忍しておくれやす」というのが京都人の正直な気持ちなので、宿泊税が1万になっても誰も文句は言わないだろう。ただ、その程度の値上げでオーバーツーリズムが改善されるわけがない。1泊10万円以上の宿に泊まる観光客はそもそもお金持ちで下々のゲストハウス利用の我々とは違う世界で生きている。京都で一人1泊10万円以上の宿といわれても柊家か俵屋くらいしか思いつかない。確か最高グレードで50万円ほどだと思う。あとは仁和寺の松林庵が100万円だったかと思うが宿泊人数は知れている。本当に観光客の数を減らそうとするなら航空機を下りた税関で滞在期間に応じて1泊5万円ほど課税すれば上客の外国人だけを招くことができるだろう。とにかく観光客が多すぎるのは何とかしてほしい。
韓国与党支持率回復 ― 2025年01月13日
韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣布し、弾劾訴追された後、一部世論調査で支持率が40%に達し議論を呼んでいる。与党「国民の力」の支持率は34%に上昇し、野党「共に民主党」は36%に下落した。保守層の結束や、野党の政情不安を煽るような姿勢が中道層の離反を招いたと分析されている。一方、野党は昨年末、憲法裁判所判事の人事を巡り、大統領職務を代行していた韓悳洙(ハン・ドクス)首相も弾劾訴追し、職務停止に追い込んだ。また、野党議員が国会で「銃で撃たれても尹氏を拘束すべき」と発言し、物議を醸している。このような強硬姿勢が中道層からの支持を遠ざける要因となった。尹氏の弾劾を巡る政治的混乱が支持率に影響を与えている一方で、野党の行動や発言が分断を深める要因となっている。韓国は法治国家の着物を着ているだけで民主主義は危ういように思えてならない。ことの始まりは少数与党の予算や人事を野党が悉く反対して国政が成り立たないところまで追い込んだことにある。しかし、国会が一定期間内に法律を否決し続けると、大統領は国会を解散することができるのに、尹大統領は解散では与党の勝ち目がないとしたのか国政の対立を戒厳令で解消しようとした。議会は与党を含めて尹大統領を弾劾を議決したので憲法裁判所にその是非を問うているのが現段階だ。ところが野党は調子に乗って高位公職者犯罪捜査処(公捜処)を動かし尹氏の内乱罪の捜査を同時に進めようとしたので今回の事態を招いている。
そもそも公捜処は、文在寅(ムン・ジェイン)政権が、検察の歴代大統領起訴は政治的影響が強すぎるとして、検察の権限を分散するために設立したものだ。その結果、検察にも公捜処にもこれまでのように大統領を拘束する強大な捜査権限を失ったので、逆に尹氏側から非難をされる口実を与えたことになる。つまり今の野党が作った制度が今の野党の首を絞め国民を政争に巻き込んでいるともいえる。また、大統領代行の首相も年末に弾劾され、現在は崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相が大統領権限代行を務めているが、こうした野党の弾劾連発に対し国民の不安の高まりが今回の結果といえる。法は治安のためにあり、政争のために濫用してはならない。野党も与党も大統領も、法ものもとに正々堂々と選挙で決着させるのが法治国家のイロハである。
そもそも公捜処は、文在寅(ムン・ジェイン)政権が、検察の歴代大統領起訴は政治的影響が強すぎるとして、検察の権限を分散するために設立したものだ。その結果、検察にも公捜処にもこれまでのように大統領を拘束する強大な捜査権限を失ったので、逆に尹氏側から非難をされる口実を与えたことになる。つまり今の野党が作った制度が今の野党の首を絞め国民を政争に巻き込んでいるともいえる。また、大統領代行の首相も年末に弾劾され、現在は崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相が大統領権限代行を務めているが、こうした野党の弾劾連発に対し国民の不安の高まりが今回の結果といえる。法は治安のためにあり、政争のために濫用してはならない。野党も与党も大統領も、法ものもとに正々堂々と選挙で決着させるのが法治国家のイロハである。
ブラックボックス停止 ― 2025年01月12日
韓国旅客機事故について韓国国土交通省は、機体が滑走路外の構造物に衝突する約4分前に、フライトレコーダーとボイスレコーダーの記録が停止していたと発表。このため、事故調査が難航する可能性が指摘されている。事故機は救難信号を発信していたが、その前後の記録は残っておらず、記録停止の原因は調査中だという。フライトレコーダーは損傷が激しく、韓国での解析が難しいため、ボイスレコーダーとともに米国で解析が進められている。専門家は、バードストライクにより両エンジンが停止し機体の電源が落ちたことで記録が止まる可能性に言及。また、位置情報を伝えるシステムも救難信号発信直前から情報送信が途絶えており、電源喪失の可能性が高いとされる。このような状況から、調査委員会は事故原因究明を進めるが、電源系統の問題が重要な焦点となる見込みという。バードストライク墜落原因説は不自然でブラックボックスを調べればわかることだと叩かれるとブラックボックスが損傷していると発表をして、ブラックボックスは強靭だと反論されると今回はブラックボックスのレコーダーが停止していたという発表となる。やはりそう来たかというのが正直な感想だ。証拠を隠すような発表を繰り返しているようにしか思えない。機体が古かった説も出てきているが今回の機体は2009年製造のものでこの程度の機体は現役でいくらでも飛んでいる。
過去半世紀の墜落事故の公式発表でブラックボックスのレコーダーが故障していた事故は2013年の韓国アシアナ航空214便事故の1件だけだ。これは着陸前の機長らの会話が数秒間上書きされて消えたというもので、曲がりなりにも作動はしており停止したわけではない。今回は機体に搭載している場所も違うフライトレコーダーとボイスレコーダーの両方が4分前に同時に停止していたという。あり得ない事を、簡単に発表する韓国当局に感心してしまう。航空機の電源が4分前に全喪失したというのが当局のシナリオだろうが、航空機は何重にも安全対策が施されておりバックアップ電源もある。ブラックボックスは機体が失われる事故でも記録を残すために設置されているもので、通常電源を失っても予備バッテリーで独立作動するものだ。今回の当局発表が事実なら、ブラックボックスすらまともに点検されていない航空機だったという発表になる。これでは恐ろしくて韓国機には乗れない。韓国航空界が文字通りブラックボックスだと言われても仕方がない。
過去半世紀の墜落事故の公式発表でブラックボックスのレコーダーが故障していた事故は2013年の韓国アシアナ航空214便事故の1件だけだ。これは着陸前の機長らの会話が数秒間上書きされて消えたというもので、曲がりなりにも作動はしており停止したわけではない。今回は機体に搭載している場所も違うフライトレコーダーとボイスレコーダーの両方が4分前に同時に停止していたという。あり得ない事を、簡単に発表する韓国当局に感心してしまう。航空機の電源が4分前に全喪失したというのが当局のシナリオだろうが、航空機は何重にも安全対策が施されておりバックアップ電源もある。ブラックボックスは機体が失われる事故でも記録を残すために設置されているもので、通常電源を失っても予備バッテリーで独立作動するものだ。今回の当局発表が事実なら、ブラックボックスすらまともに点検されていない航空機だったという発表になる。これでは恐ろしくて韓国機には乗れない。韓国航空界が文字通りブラックボックスだと言われても仕方がない。
ロス山火事 ― 2025年01月11日
米ロサンゼルスとその周辺で発生している山火事について、バイデン大統領は、安否不明者が多数存在し、死者が増加する可能性が高いとの見解を示した。また、被災地では略奪が多発しており、警察官や米軍兵士を増員して治安維持にあたっていると発表した。連邦緊急事態管理局(FEMA)は、状況が依然として非常に危険であり、今後数日の間に強風が再び発生する見込みがあると警告した。被害のさらなる拡大が懸念されるため、住民に対して地元当局の指示に従うよう求めている。バイデン大統領は、気候変動が現実の問題であると強調し、気候変動問題に懐疑的なトランプ政権へのけん制も行った。山火事は1月7日にロサンゼルス西部および北部近郊で発生し、強風により急速に拡大している。9日時点で死者は10人に達し、約15万3千人が避難命令を受けているが、避難者数はAP通信によると9日以降減少しているという。ロスの山火事は今に始まったわけではない。この半世紀ほどを見ても、10年に一度は大火災を起こしている。ただ、その規模が巨大化しており2020年にカリフォルニア州北部で発生した大規模な山火事では約4,168平方キロメートルを焼失した。ほぼ京都府全部が焼失したことになる。
山火事で放出する二酸化炭素量は1000平方キロメートルあたり1000万トン以上と言われる。この間ロス周辺では毎年火災を起こしているので10年間で1億トン以上の二酸化炭素が放出された計算になる。ところが、この火災を食い止める施策が不十分だと言われる。火災が起こるのは自然現象もあり防ぐことはできないが、最小限で食い止めるために最も効果的な施策は防火帯を作って延焼を防ぐことだ。ところが自然保護や景観保護の「リベラル派」の抵抗にあって思うように進まないらしい。全部が燃えてしまっては自然保護も景観保護もないだろうにと思う。リベラルの牙城州とも言われるカリフォルニアでは、山火事をすべて二酸化炭素の責任にして、目の前の防火対策に真摯に取り組めていないとも言われる。住宅地が森林に密接しているのも被害を大きくする原因で住宅地の開発計画そのものも問題視もされている。ロスではブラックマターを契機とする警官の削減で犯罪増加も不安視されている。火事場泥棒は我が国では江戸時代の話だがロスでは増えているというから目も当てられない。防火・防災・治安は自治の基本だ。これをおろそかにした地域は滅びていく。
山火事で放出する二酸化炭素量は1000平方キロメートルあたり1000万トン以上と言われる。この間ロス周辺では毎年火災を起こしているので10年間で1億トン以上の二酸化炭素が放出された計算になる。ところが、この火災を食い止める施策が不十分だと言われる。火災が起こるのは自然現象もあり防ぐことはできないが、最小限で食い止めるために最も効果的な施策は防火帯を作って延焼を防ぐことだ。ところが自然保護や景観保護の「リベラル派」の抵抗にあって思うように進まないらしい。全部が燃えてしまっては自然保護も景観保護もないだろうにと思う。リベラルの牙城州とも言われるカリフォルニアでは、山火事をすべて二酸化炭素の責任にして、目の前の防火対策に真摯に取り組めていないとも言われる。住宅地が森林に密接しているのも被害を大きくする原因で住宅地の開発計画そのものも問題視もされている。ロスではブラックマターを契機とする警官の削減で犯罪増加も不安視されている。火事場泥棒は我が国では江戸時代の話だがロスでは増えているというから目も当てられない。防火・防災・治安は自治の基本だ。これをおろそかにした地域は滅びていく。
グリーンランドを売れ ― 2025年01月09日
トランプ次期米大統領は、7日の記者会見でグリーンランドとパナマ運河の獲得についての質問に対し、可能性を否定せず、両地域がアメリカの経済的・軍事的安全保障に必要だと述べた。グリーンランドはデンマークの自治領で、レアアース埋蔵量や軍事拠点としての重要性から注目されているが、デンマーク側は領土放棄を否定。同地を訪問したトランプ氏の長男も地元住民との交流を強調したが、デンマークのフレデリクセン首相はグリーンランドは「売り物ではない」と表明した。また、トランプ氏はパナマ運河が「中国に運営されている」と主張し、アメリカへの管理権奪還の必要性を訴えた。しかし、パナマ側はこれを否定し、中国の関与についても事実無根と反論。パナマ運河は1900年代初頭にアメリカが建設し、1977年の条約に基づいてパナマに移管された経緯があるが、トランプ氏はこれを「大きな間違い」と批判した。さらに、トランプ氏はアメリカとカナダの合併にも言及し、国境を「人為的」としながら、カナダからの輸入品を批判。カナダのトルドー首相は合併の可能性を完全に否定した。こうしたトランプ氏の発言が交渉戦略か現実的な政策かは不透明だが、領土拡大や資源確保への意欲が浮き彫りになっている。その他、会見ではメキシコ湾の名称変更提案や風力発電への批判も話題となっている。いつものトランプ流のディール政治だと感じる。確かに、ロシアや中国が好き勝手に領土拡大や弱小国への買収戦略を続けている中で、先進国が「遺憾」と発言を繰り返すだけでは、独裁国家による覇権主義を止めることはできないのが現実だ。
当事者国や先進国は口をそろえてトランプの横暴を批判している。しかし、トランプは先進国の本音を代弁しているに過ぎない。もしグリーンランドに中露が進出や侵攻すれば、NATOにはそれを抑える手立てはない。北極や大西洋の航路・空路が制圧される未来は容易に想像できる。また、パナマ運河も中国資本に牛耳られ、莫大な通行税が課されることで先進国の輸送コストが膨れ上がっている。亡くなったカーター大統領の時代には、中国が中南米に進出してくるなど想像もしなかったのだろう。しかし、半世紀を経て中国はアメリカの喉元を押さえるまでに至っているのが現実だ。アラブではスエズ運河や紅海、アラビア海がイスラム過激派による海賊行為で危険にさらされているが、その背後で糸を引いているのは中露だ。国連も、中露が常任理事国としてそっぽを向けば、その役割は極めて限定的にならざるを得ない。欲しい土地には手を上げる――それが、不動産業者であるトランプの流儀なのだろう。黙っていれば無法者が支配する世界で、パワーバランスは動かない。
当事者国や先進国は口をそろえてトランプの横暴を批判している。しかし、トランプは先進国の本音を代弁しているに過ぎない。もしグリーンランドに中露が進出や侵攻すれば、NATOにはそれを抑える手立てはない。北極や大西洋の航路・空路が制圧される未来は容易に想像できる。また、パナマ運河も中国資本に牛耳られ、莫大な通行税が課されることで先進国の輸送コストが膨れ上がっている。亡くなったカーター大統領の時代には、中国が中南米に進出してくるなど想像もしなかったのだろう。しかし、半世紀を経て中国はアメリカの喉元を押さえるまでに至っているのが現実だ。アラブではスエズ運河や紅海、アラビア海がイスラム過激派による海賊行為で危険にさらされているが、その背後で糸を引いているのは中露だ。国連も、中露が常任理事国としてそっぽを向けば、その役割は極めて限定的にならざるを得ない。欲しい土地には手を上げる――それが、不動産業者であるトランプの流儀なのだろう。黙っていれば無法者が支配する世界で、パワーバランスは動かない。
FBファクトチェックを廃止 ― 2025年01月08日
米メタ社は、SNSのフェイスブックやインスタグラムにおいて行われていた第三者による投稿内容のファクトチェックを廃止すると発表した。ザッカーバーグCEOは、検閲が行き過ぎたことを理由に表現の自由の回復に注力すると説明し、利用者同士で投稿内容を指摘する仕組みである「コミュニティーノート」を導入する方針を示した。この新たな措置は、まずアメリカ国内で実施される予定だ。メタは2016年から偽情報対策としてファクトチェックを導入してきたが、2021年の連邦議会襲撃事件を受けてトランプ氏のアカウントを停止するなど対立があった。一方で、大統領選挙後にはトランプ氏の大統領就任式関連基金に寄付を行い、関係改善を図ってきた。アメリカのメディアは、今回の決定がトランプ氏の就任を見据えた動きであると報じた。4年前の米国大統領選を契機に大手SNSが勝手にユーザーアカウントを閉鎖する事態が相次いだ。その後、閉鎖や警告は選挙関連だけではなく人種問題やパンデミック関連にまで及び、いわゆる保守系のインフルエンサーやその支持者の発言がSNSから追い出される事態が相次いだ。
巨大化したフェイスブック、ツイッター(現X)、ユーチューブは万人に影響を与えるが、一民間会社に万人の表現の自由を制限する権限はないと批判する意見と、一民間会社である以上、適度な規制はユーザーをつなぎとめるための経営戦略の一環だとする意見が対立してきた。しびれを切らしたIT長者イーロン・マスクがツイッター社を買収し、役員を解雇して行き過ぎた規制に歯止めをかけたのは記憶に新しい。今回のメタ社の対応は「長いものに巻かれろ」式であるかもしれないが、Xで導入されている「コミュニティーノート」に切り替えるという判断は妥当だ。言論には言論で対抗するのが筋だからだ。確かに、嘘が喧伝され、大衆が誘導されることで不要な対立が生じるのは由々しき事態である。しかし、大手メディアもこれまで嘘や「報道しない自由」、さらには「切り取り」を駆使して大衆を誘導してきた経緯がある。SNSは嘘を流す場となり得る一方で、メディアや権力者の嘘を暴く手段ともなる。これは、いわば情報流通の民主主義革命と言えるだろう。ただし、情報流通が大衆の手に渡ったとしても、それが公平で安全な社会を保障するかどうかは別問題である。SNSが生み出した「アラブの春」や「雨傘運動」が暴力の前に沈んでいった事例が示す通りだ。それでも、表現の自由が民主主義の砦であることは変わらない。自社規制で最後に残ったのはグーグル社のユーチューブである。「コロナ」「ワクチン」への批判発言等がAIで検索されると警告や閉鎖されるのでユーチューバの中では禁句だと言われる。また、通告制度を用いて気に入らない番組を閉鎖に持ち込む仕組みも公平なものとは言えず閉鎖の経過や理由すら示されない。中国共産党の反党分子探しや公安のスパイ探しのようで気味が悪い。
巨大化したフェイスブック、ツイッター(現X)、ユーチューブは万人に影響を与えるが、一民間会社に万人の表現の自由を制限する権限はないと批判する意見と、一民間会社である以上、適度な規制はユーザーをつなぎとめるための経営戦略の一環だとする意見が対立してきた。しびれを切らしたIT長者イーロン・マスクがツイッター社を買収し、役員を解雇して行き過ぎた規制に歯止めをかけたのは記憶に新しい。今回のメタ社の対応は「長いものに巻かれろ」式であるかもしれないが、Xで導入されている「コミュニティーノート」に切り替えるという判断は妥当だ。言論には言論で対抗するのが筋だからだ。確かに、嘘が喧伝され、大衆が誘導されることで不要な対立が生じるのは由々しき事態である。しかし、大手メディアもこれまで嘘や「報道しない自由」、さらには「切り取り」を駆使して大衆を誘導してきた経緯がある。SNSは嘘を流す場となり得る一方で、メディアや権力者の嘘を暴く手段ともなる。これは、いわば情報流通の民主主義革命と言えるだろう。ただし、情報流通が大衆の手に渡ったとしても、それが公平で安全な社会を保障するかどうかは別問題である。SNSが生み出した「アラブの春」や「雨傘運動」が暴力の前に沈んでいった事例が示す通りだ。それでも、表現の自由が民主主義の砦であることは変わらない。自社規制で最後に残ったのはグーグル社のユーチューブである。「コロナ」「ワクチン」への批判発言等がAIで検索されると警告や閉鎖されるのでユーチューバの中では禁句だと言われる。また、通告制度を用いて気に入らない番組を閉鎖に持ち込む仕組みも公平なものとは言えず閉鎖の経過や理由すら示されない。中国共産党の反党分子探しや公安のスパイ探しのようで気味が悪い。
USスチール買収禁止 ― 2025年01月05日
日本製鉄によるUSスチールの買収計画は、バイデン米大統領が買収禁止を命じたことで挫折した。USスチールは全盛期には世界需要の4割を供給し、米国の鉄鋼大国としての繁栄を象徴する存在だった。しかし近年、海外勢との競争で経営が悪化し、買収合併を通じて協業相手を探していた。日鉄が買収計画を発表したものの、労働組合(USW)が雇用への影響を懸念して反対。バイデン氏は「USスチールは国家の背骨であり、米国人による所有が必要」と強調し、国家安全保障や雇用保護の観点から買収を阻止した。日鉄の提案が拒絶された背景には、米国民の自国企業の「身売り」に対する強い抵抗感がある。日本企業は過去にも東芝のウェスチングハウス買収失敗がある。今回も政府の介入により、保護主義的な機運が強まった。しかし、米産業界はUSスチール買収問題の政治化が米経済に大きな負担を強いる可能性を指摘し、バイデン政権の対応を批判。米政府が自国産業保護を優先した結果、経済論理が軽視され、米国の競争力低下や国際的信頼性の損失につながるリスクも指摘する。今回の件は、米国における外資企業の買収が依然として高い壁であることを再確認させた。自国企業が傾けば損だと分かっていても守るか、復活させるために他国企業との合併を選ぶかは難しい問題だ。鴻海に買収されたシャープや同社に買収されかけた日産自動車や、カナダ資本のセブンイレブンとの合併提案のことを考えると良くわかる。
結局シャープは切り売りされてその企業ブランドはことごとく地に落とされた。日産とて一度はフランス・ルノーにコストカットを条件に資本援助をされて息を吹き返したものの、新しい車種が生み出せず1%も営業利益を得られない事態に陥っている。もちろん日鉄の提案はUSSの切り売りや雇用削減ではない。新技術を導入し米国工場を守って雇用を確保し、合併で世界シェアのトップを取ろうというポジティブな買収合併提案で鴻海やルノーのような吸血戦略ではなかったが、米国には日本に乗っ取られるという感情が強かったのだと思う。かつて日本が米国の土地や企業を買収し、米国企業が衰退した80年代を思い起こす米国人も少なくないのだろう。この先、国内でホンダと提携した日産や売却をはねつけているセブンがどのような展開をするか全く先が見えないが、中国やインドをライバルにしたシェアの取り合いは世界規模で激化する。自国主義で国内企業と国民生活が守れるかどうかは極めて不透明というほかない。
結局シャープは切り売りされてその企業ブランドはことごとく地に落とされた。日産とて一度はフランス・ルノーにコストカットを条件に資本援助をされて息を吹き返したものの、新しい車種が生み出せず1%も営業利益を得られない事態に陥っている。もちろん日鉄の提案はUSSの切り売りや雇用削減ではない。新技術を導入し米国工場を守って雇用を確保し、合併で世界シェアのトップを取ろうというポジティブな買収合併提案で鴻海やルノーのような吸血戦略ではなかったが、米国には日本に乗っ取られるという感情が強かったのだと思う。かつて日本が米国の土地や企業を買収し、米国企業が衰退した80年代を思い起こす米国人も少なくないのだろう。この先、国内でホンダと提携した日産や売却をはねつけているセブンがどのような展開をするか全く先が見えないが、中国やインドをライバルにしたシェアの取り合いは世界規模で激化する。自国主義で国内企業と国民生活が守れるかどうかは極めて不透明というほかない。
韓国大統領拘束執行中止 ― 2025年01月03日
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する拘束令状執行が注目を集めている。尹氏は内乱首謀の容疑で捜査対象となり、公捜処の捜査員がソウル市内の大統領公邸で令状執行を試みた。しかし、大統領警護処が建物への立ち入りを拒否し、両者のにらみ合いが約5時間半続いた。公捜処は捜査員の安全を懸念して執行を中止し、尹氏の態度を批判した。一方、尹氏の弁護団は令状を違法と主張し、法的措置を示唆して徹底抗戦の姿勢を見せている。執行期限は6日までで、今後の対応が注目される。公邸周辺では支持者らが抗議デモを続け、警察が厳重警備を敷いているという。破れかぶれの戒厳令を出しても、それが正しいという勢力と大統領護衛側がこれまた何でもありの野党勢力と司法権力を跳ね返したという構図だ。
ただ、国民生活に不可避な予算執行を多数野党に何もかも阻止されたとしても、破れかぶれに大統領権限で戒厳令を発令するなどは民主国家にあって良いはずがない。潔く大統領を辞任するのが筋で、公邸に閉じ籠って司直の捜査を受け入れないというのでは、法治国家の体をなさない。対立する相手側にあれこれの疑惑や不満があるからと抵抗パフォーマンスを見せても、治安が乱れるだけで良いことは何もない。4年まえの米国議事堂でのトランプ支持者の暴動も同じようなものだった。民主主義は腕力による抗争を否定して投票行動で決着するのがルールだ。確かに、その投票システムに不正があったり、メディアに嘘が流布されたりすることはあるだろうが、地道にその穴を修正していくしかないのだ。尹大統領や与党勢力にしてみれば、北の工作が目に余るほど確認されたのかもしれないことは想像に難くないが、それでも表現の自由を守っているのは暴力を否定した民主主義だ。
ただ、国民生活に不可避な予算執行を多数野党に何もかも阻止されたとしても、破れかぶれに大統領権限で戒厳令を発令するなどは民主国家にあって良いはずがない。潔く大統領を辞任するのが筋で、公邸に閉じ籠って司直の捜査を受け入れないというのでは、法治国家の体をなさない。対立する相手側にあれこれの疑惑や不満があるからと抵抗パフォーマンスを見せても、治安が乱れるだけで良いことは何もない。4年まえの米国議事堂でのトランプ支持者の暴動も同じようなものだった。民主主義は腕力による抗争を否定して投票行動で決着するのがルールだ。確かに、その投票システムに不正があったり、メディアに嘘が流布されたりすることはあるだろうが、地道にその穴を修正していくしかないのだ。尹大統領や与党勢力にしてみれば、北の工作が目に余るほど確認されたのかもしれないことは想像に難くないが、それでも表現の自由を守っているのは暴力を否定した民主主義だ。
バードストライク? ― 2024年12月30日
韓国の務安国際空港で29日に発生した旅客機事故は、バードストライクが原因で着陸時にランディングギアが故障し、減速できなかったという。事故機は胴体着陸後、ほとんど速度を落とさず滑走路を進み壁に激突し、炎上した。専門家によれば、鳥類がエンジンに衝突するとエンジンが故障し、油圧システムに影響を与える場合があるというが、片方のエンジンが無事であればランディングギアは動かせるため、システム全体の故障原因は未解明である。さらに、エンジン逆噴射やスポイラーなどの減速手段も機能しなかった模様であり、事故機には以前から何らかの問題があった可能性がある。また、滑走路の長さが十分ではなかった可能性も取り沙汰されているが、国土交通省幹部は滑走路の長さが直接の原因とは考えにくいと述べているという。25日に発生したアゼルバイジャン航空の事故が、ロシアの地対空ミサイルの誤射で墜落したばかりだが、この時も第一報での事故原因はバードストライクだった。治安のやばい国では墜落原因をバードストライクと発表する慣習があるのかと勘繰ってしまう。
バードストライクによる墜落事故は2009年のUSエアウェイズ航空機事故が有名で「ハドソン川の奇跡」として映画にもなった。ただこの場合は両エンジンをバードストライクで失う事故だった。かなり前では1960年にボストンのローガン国際空港で離陸直後に鳥の群れと衝突し、両エンジンが故障し62人の乗客と乗員が死亡した事故があるが、それ以来死亡事故に至る墜落事故は見つけられなかった。バードストライクは日本でも毎年1000件を超えて生じているが大事故には結びついていない。60年以上死亡事故は起こらず15年間両エンジンを失う墜落事故がないのに、アゼルバイジャンも韓国も航空当局が安易に墜落原因をバードストライクと推測にせよ当局が発表する辺りに胡散臭さを感じる。原因はもっと重大なところにあると推測できるからこそ非難をかわすために鳥や滑走路長のせいにしている感がぬぐえない。蛇足ではあるが日本には務安より短い2700m未満の滑走路が伊丹国際空港をはじめ12空港もあるが、2000m以上の滑走路ではオーバーランの事故もない。
バードストライクによる墜落事故は2009年のUSエアウェイズ航空機事故が有名で「ハドソン川の奇跡」として映画にもなった。ただこの場合は両エンジンをバードストライクで失う事故だった。かなり前では1960年にボストンのローガン国際空港で離陸直後に鳥の群れと衝突し、両エンジンが故障し62人の乗客と乗員が死亡した事故があるが、それ以来死亡事故に至る墜落事故は見つけられなかった。バードストライクは日本でも毎年1000件を超えて生じているが大事故には結びついていない。60年以上死亡事故は起こらず15年間両エンジンを失う墜落事故がないのに、アゼルバイジャンも韓国も航空当局が安易に墜落原因をバードストライクと推測にせよ当局が発表する辺りに胡散臭さを感じる。原因はもっと重大なところにあると推測できるからこそ非難をかわすために鳥や滑走路長のせいにしている感がぬぐえない。蛇足ではあるが日本には務安より短い2700m未満の滑走路が伊丹国際空港をはじめ12空港もあるが、2000m以上の滑走路ではオーバーランの事故もない。