米国製長距離ミサイル使用承認2024年11月18日

ATACMS
バイデン米大統領が、ウクライナ軍によるロシア領内攻撃に米国製長射程ミサイル「ATACMS」の使用を承認したと報じられた。当初、バイデン氏はロシアとの緊張を高めるリスクから慎重だったが、北朝鮮兵士がロシア軍に参加したことを受け方針を転換した。ATACMSは最大射程300キロメートルで、ウクライナ軍がロシア西部クルスク州などで使用する可能性が高い。同州では北朝鮮兵1万人を含む約5万人のロシア軍が反攻を準備しているとされる。バイデン氏の決定には、ウクライナがクルスク州を確保し、将来の和平交渉で有利な立場を得る狙いがあるとみられる。さらに、ゼレンスキー大統領は報道について明言を避け、「ミサイルが語る」と述べた。英仏のロシア領内攻撃にも注目がされている。ロシアが北朝鮮の兵士をウクライナに投入したことで、ウクライナ東部戦線はさらに劣勢に強いられるだろうという。戦争が3年続くと多くの例では、双方戦力低下や経済疲弊で国内に嫌戦ムードが蔓延して休戦や停戦を模索し始めるという。そして停戦前には双方優位に立とうとするので戦況は激化する。ロシアは北朝鮮兵の大量動員、ウクライナは長距離ミサイルでのロシア領内の攻撃示唆もこの類だ。

射程距離300㎞というとウクライナがロシア領内に進攻したクルスクからモスクワまでは500㎞弱なのでまだ首都は射程圏内には入らないが前線基地は叩ける。ウクライナ東部に兵站を補給するロシア領内の基地にもウクライナ領内から確実に攻撃ができる。戦争時の兵站の逐次投入はもっとも愚策と言われている。戦争を長引かせ戦死者を増やすだけだからだ。ウクライナの劣勢は米国の優柔不断さが原因とも言われている。しかし、停戦前の熾烈な陣取り合戦は下手をすると命取りになる。ウクライナの長距離ミサイルの使用によってロシアに戦術核を使う口実を与えることにもつながる。発端はロシアの北朝鮮兵士の投入だが、白も黒と平気で言うプーチンを侮ってはならない。
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