安住委員長の文民統制2025年02月07日

安住委員長の文民統制
衆院予算委員会の審議で、国民民主党の橋本幹彦氏が現役自衛官(制服組)の国会答弁を求めたが、安住淳委員長(立憲民主党)に厳しく注意された。橋本氏は事前に複数の制服組幹部の出席を要請したが、戦後一度も認められておらず、同委員会の理事会でも却下された。これに対し、橋本氏は「委員部(衆院担当者)が安住委員長にどのように耳打ちしたかわからない」と批判的に発言。安住氏は「国民民主党も合意した上で決定したものであり、文民統制の観点から判断した。偏った考えではない」と反論した。さらに橋本氏が「制服組を国会に呼べない法的根拠はない」と抵抗すると、安住氏は審議を一時停止し、「行き過ぎた誹謗中傷は看過できない。戦後積み重ねてきたルールであり、防衛相や防衛官僚が組織として責任を持って答弁していることを否定するのは許されない」と強く非難した。橋本氏は元自衛官で、29歳という。確かに、理事会で合意された内容を予算委員会で蒸し返すことは、国会運営の妨げになり得る。特に、参考人や証人の出席を決める権限は理事会にあり、その決定に反して個々の議員が要求しても認められない。国会法では理事会の決定に基づく委員長権限が優先されるため、これを覆すには委員会での決議が必要となり、事実上困難である。

しかし、安住委員長の「文民統制の観点」という主張は、安住氏個人の解釈に過ぎない。自衛官(制服組)の国会出席を否定するかのような発言だからだ。文民統制の目的は、最終的な決定権と指揮権を文民(民間人)が保持することである。自衛官に答弁を求めることは、情報収集や意見交換の一環として行われるものであり、それ自体が文民統制を侵害する行為ではない。文民統制とは、軍部が政策決定に過度な影響を与えたり、文民の指示を無視したりする事態を防ぐためのものであり、国会議員が自衛官に質問することを禁じるものではない。橋本氏が求めた自衛官の答弁は、陸上自衛隊教育訓練研究本部長など、自衛官養成に関する内容であった。本来であれば、専門的な知見を持つ自衛官が直接答弁することの方が合理的ではないか。むしろ、自衛官の答弁を封じてきた従来の国会こそ、その姿勢を正すべきではないかと思われる。ただし、防衛大学校卒業後は6年間の任官義務が課せられるにもかかわらず、橋本氏はたった1年で退官している。この点は、彼の発言の説得力を弱める要因となり残念ではある。