中国が自由貿易を口にする? ― 2025年04月24日

中国を訪問中の公明党・斉藤鉄夫代表は23日、中国共産党の王滬寧政治局常務委員と会談し、トランプ米政権の関税措置による国際社会の混乱を背景に、自由貿易体制の維持が重要だとの認識で一致した。日中両国が自由貿易を巡って足並みをそろえるのは異例であり、中国は米中貿易摩擦による苦境の中、日本との関係改善に前向きな姿勢を示している。しかし、両国間には依然として深い不信感があり、今後の関係改善には不透明な要素が多い。斉藤氏は会談で、中国に対し国際ルールの順守と責任ある行動を求め、中国側も交流強化の必要性を強調した。今回の訪中には、習近平指導部が日本との関係を通じて米国をけん制するという意図があるとも見られる。日本政府は、米中間でのバランスを取りつつ、中国との関係をどう深化させるかという難題に直面している。
しかし、ここで改めて問いたい。「どの口が自由貿易を口にするのか」。中国はこれまで日本に対し、自由貿易に反する数々の措置を講じてきた。福島原発事故後の日本産水産物や食品に対する過剰な輸入規制、ガリウムやゲルマニウムなど半導体素材の輸出制限による日本製造業への圧力、太陽光パネル産業への巨額の補助金による日本市場の独占、日本からの鉄鋼製品輸入制限、そして自国にも適用していない基準での農産物輸入制限。さらに、日本企業への中国への技術移転の強制など、その一つひとつが自由貿易の原則を踏みにじる行為である。枚挙にいとまがない。中国は一貫して、自国の行為は正当とし、他国からの批判には「他国こそ間違っている」と返す姿勢を貫いてきた。まさに「トランプ流」のダブルスタンダードである。
アメリカの「相互関税」政策は、こうした中国の「やりたい放題の自由貿易」に歯止めをかけることを目的としている。特に注目すべきは為替問題である。通貨安は輸出に有利であり、過去の日本が経験したプラザ合意(1985年)もその典型だ。当時、日本円は1ドルに対し実質より2.5倍程度安く、1ドル250円から150円へと是正された。一方、中国元は現在1ドル約7元だが、理論値では1ドルは1.2元程度で、約6倍もの元安が続いている。これは中国が「管理変動相場制」によって意図的に自国通貨を安く保っているためであり、米国の対中強硬姿勢はこうした不公正な為替操作への怒りの現れにすぎない。このような現実を理解しながら、中国の「なんちゃって自由貿易」に共感を示す公明党や自民党幹部の姿勢は理解に苦しむ。中国の自由貿易違反に最も苦しめられているのは他ならぬ日本である。中国に歩み寄ることが、結果として日本の国益を損なう可能性があることを真剣に考えるべきだ。今のような対応では、「親中」を通り越して「中国と心中したいのか」と疑念を抱かれても、致し方ないのではないか。
しかし、ここで改めて問いたい。「どの口が自由貿易を口にするのか」。中国はこれまで日本に対し、自由貿易に反する数々の措置を講じてきた。福島原発事故後の日本産水産物や食品に対する過剰な輸入規制、ガリウムやゲルマニウムなど半導体素材の輸出制限による日本製造業への圧力、太陽光パネル産業への巨額の補助金による日本市場の独占、日本からの鉄鋼製品輸入制限、そして自国にも適用していない基準での農産物輸入制限。さらに、日本企業への中国への技術移転の強制など、その一つひとつが自由貿易の原則を踏みにじる行為である。枚挙にいとまがない。中国は一貫して、自国の行為は正当とし、他国からの批判には「他国こそ間違っている」と返す姿勢を貫いてきた。まさに「トランプ流」のダブルスタンダードである。
アメリカの「相互関税」政策は、こうした中国の「やりたい放題の自由貿易」に歯止めをかけることを目的としている。特に注目すべきは為替問題である。通貨安は輸出に有利であり、過去の日本が経験したプラザ合意(1985年)もその典型だ。当時、日本円は1ドルに対し実質より2.5倍程度安く、1ドル250円から150円へと是正された。一方、中国元は現在1ドル約7元だが、理論値では1ドルは1.2元程度で、約6倍もの元安が続いている。これは中国が「管理変動相場制」によって意図的に自国通貨を安く保っているためであり、米国の対中強硬姿勢はこうした不公正な為替操作への怒りの現れにすぎない。このような現実を理解しながら、中国の「なんちゃって自由貿易」に共感を示す公明党や自民党幹部の姿勢は理解に苦しむ。中国の自由貿易違反に最も苦しめられているのは他ならぬ日本である。中国に歩み寄ることが、結果として日本の国益を損なう可能性があることを真剣に考えるべきだ。今のような対応では、「親中」を通り越して「中国と心中したいのか」と疑念を抱かれても、致し方ないのではないか。