スマホ新法でiPhoneが危機2025年08月14日

iPhone危機のスマホ新法
「スマホがもっと自由になるらしい」「Appleの囲い込みが終わるってさ」そんな話を聞いて、ちょっと期待した人もいるかもしれない。だが、2024年に成立した“スマホ新法”の中身をよく見ると、自由化の皮をかぶったトンデモ制度だ。この法律、正式には「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」。要するに、AppleやGoogleが自社のスマホで自社のアプリや課金システムばかり使わせるのはダメ、もっと他社にも開放しなさいという話だ。一見すると「ユーザーの選択肢が増える」「便利になる」と思うかもしれない。だが、規制の対象はAppleとGoogleだけ。XiaomiやHuaweiなどの中国系スマホメーカーは、なんと対象外。これ、どう考えても中国製スマホが得をする構造じゃないか?

しかも、Appleユーザーにとっては深刻だ。AirDropやiCloud連携など、Apple製品同士の便利な機能が「独占的」と見なされ、法律のせいで制限される可能性がある。安全性を理由にAppleが守ってきた設計が、制度によって崩されるかもしれないのだ。「バカ高いiPhoneを買う理由は、便利さとセキュリティの高さにある」──そんなユーザーの声は、どうやら制度設計者には届いていないらしい。もしiPhoneが他のスマホと同じになったら、Appleを選ぶ意味はどこにあるのか?

では、なぜ中国製スマホは規制されないのか?理由は単純。法律が「OSやアプリ配信の仕組みに影響を与えられるメーカー」に限定しているから。AppleやGoogleは自社のアプリストアを独占しているが、中国系メーカーはAndroidベースで自由に自社ストアを導入している。つまり、「すでに自由だから規制の必要なし」という理屈だ。だが、この“自由”には落とし穴がある。中国製スマホは、プライバシーや情報流出の懸念が世界中で指摘されており、米国では政府機関での使用が禁止されている。日本では、こうした安全保障や個人情報保護の観点が制度にまったく反映されていない。EUでも同様の制度(DMA)を導入したが、詐欺アプリやスパムアプリが増え、便利だった機能が削除されるなど、ユーザーの不満が噴出している。自由化には代償がある──それが現実だ。

それでも日本では、経産省や公取委が「競争促進」「選択肢拡大」と制度を推し進め、国会では全会一致で可決。驚くべきは、「中国に左右されたくない」と言っていた議員までが賛成していたこと。理念だけで制度を判断し、現実のリスクを見ていない証拠だ。スマホ新法は2025年末に施行予定。今ならまだ、ガイドラインの見直しや法改正の余地はある。政府は「iPhoneは今のままでいい」と願うユーザーの声に、本気で耳を傾けるべき時だ。