故郷は遠きにありて ― 2023年04月13日
実家に帰って散歩をしてみる。どこまで行っても広い田んぼと畑、石川が低山が沿って流れ山々は金剛山に連なる故郷の姿は、4車線道路や高架道路に切り裂かれ、その周りにはコンビニと100円ショップとどの町にもおなじみの店舗が並んでいる。ザリガニ釣りやライギョ釣りに来たため池はフェンスで囲まれ「入るな」と薄汚れた看板がぶら下がっている。田んぼを乱開発した住宅地は消防も入れぬ袋小路になって、ぎっしりと家屋が詰まっている。懐かしい故郷は「遠くにありて思」い。いつまでも良い記憶だけを懐かしんでいるのが良い。
もっとも、室生犀星のその後に続く「そして悲しくうたふもの」というのは、結局、今の故郷に失望した思いが綴られる。私も犀星ほどではないが、やや故郷に裏切られたような裏悲しい気持ちになっている。昔友とよく語らった小さな公園にある藤棚の花が青空に明るく咲いていたのが救いだ。
もっとも、室生犀星のその後に続く「そして悲しくうたふもの」というのは、結局、今の故郷に失望した思いが綴られる。私も犀星ほどではないが、やや故郷に裏切られたような裏悲しい気持ちになっている。昔友とよく語らった小さな公園にある藤棚の花が青空に明るく咲いていたのが救いだ。