シン・小泉劇場 ― 2024年09月07日

元宮崎県知事の東国原氏が自民党総裁選への出馬会見で「知的レベルの低さ」を問われた小泉進次郎氏の返答を称賛した。「パーフェクトですね。こんな知恵があるとは思いませんでした。素晴らしい」と述ベた。質疑応答の際、フリーランスの記者が「G7に出席したら、知的レベルの低さで恥をかくのでは?」との質問に、小泉氏は「私に足らないところが多いのは事実です。ただ、足りない部分を補ってくれる最高のチームを作ります」と冷静に回答。「このご指摘を肝に銘じ、成長を見ていただけるようにしたい」と切り返した。東国原は「錬磨されている。質疑応答の準備をされたのでしょう」と評価した。他にも記者の質問は小泉氏に株を上げさせただけだと指摘し「失言を誘ったわけでもなく、ナイスアシストだ」とのコメントもあった。小泉氏の出馬会見はメディアで概ね高評価を得ている。「進次郎構文」「セクシー発言」「コンビニ袋有料化愚策」とその軽薄さが拡散されていただけに今回の嫌味のない切り返しで大きく株を上げている。だが、「準備された」「ナイスアシスト」との評価にもあるように、スタッフが周到に準備した台本を上手に演じた「シン・小泉劇場」に過ぎない。
小泉陣営は出馬に先立って広告代理店などメディア担当を外注しているという。会見は事前に質問を受け付け、記者は座席指定という異例の形で行われた。担当は「参加者が増大したことによる混乱を防ぐため」と説明。実際の質疑応答は通常の挙手制で行われたが、事前に質問を受け付けることで準備された想定問答集に対応させられ、想定外の質問も減らせる。同じ言葉を繰り返し、ポエムのようだと評される“進次郎構文”の回避に努めるのに力を入れたという報道もある。会見映像を見た人は気が付いたと思うが、記者が失礼な質問をしたとき小泉氏はニヤリとほくそ笑んだ。これを、余裕の微笑という人もいるが、おそらく想定問答集で準備した内容にピタリとあてはまった喜びの微笑だろう。確かに小泉氏の言ったように「足りないところをチームで対応」したわけだ。台本や答弁書を棒読みの政治家には退場してほしいが、スタッフが作った台本通りに役を演じるのが政治家の資質かというと微妙なところだ。米国大統領選の討論会に民主党候補ハリスの台本やメモを持ち込みの可否をめぐって攻防戦が繰り広げられているように、政治家の資質は台本なしの表現力が求められている。
小泉陣営は出馬に先立って広告代理店などメディア担当を外注しているという。会見は事前に質問を受け付け、記者は座席指定という異例の形で行われた。担当は「参加者が増大したことによる混乱を防ぐため」と説明。実際の質疑応答は通常の挙手制で行われたが、事前に質問を受け付けることで準備された想定問答集に対応させられ、想定外の質問も減らせる。同じ言葉を繰り返し、ポエムのようだと評される“進次郎構文”の回避に努めるのに力を入れたという報道もある。会見映像を見た人は気が付いたと思うが、記者が失礼な質問をしたとき小泉氏はニヤリとほくそ笑んだ。これを、余裕の微笑という人もいるが、おそらく想定問答集で準備した内容にピタリとあてはまった喜びの微笑だろう。確かに小泉氏の言ったように「足りないところをチームで対応」したわけだ。台本や答弁書を棒読みの政治家には退場してほしいが、スタッフが作った台本通りに役を演じるのが政治家の資質かというと微妙なところだ。米国大統領選の討論会に民主党候補ハリスの台本やメモを持ち込みの可否をめぐって攻防戦が繰り広げられているように、政治家の資質は台本なしの表現力が求められている。