119エマージェンシーコール ― 2025年04月02日

「119番、消防です。火事ですか? 救急ですか?」消防局の通信指令センターでは、119番の緊急通報に応答し、適切に救急車や消防車の出動を指令する指令管制員たちが、一本の電話で命をつなぐ最前線に立っている。先月末に放送が終了した「119エマージェンシーコール」は、さまざまなスキルを持つ消防・救急のスペシャリスト集団である指令管制員たちの活躍を描いたオリジナルストーリーだ。救急を題材としたドラマには、「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」や「救命病棟24時」、最近では「TOKYO MER~走る緊急救命室~」などがあり、リアルな救急医療の描写と感動的なストーリー展開で高視聴率を誇る。しかし、今回のドラマは手術や災害現場の状況をほとんど映し出さず、通報者と管制員の通話を中心に物語が進行するという点が新鮮で、視聴者の想像力を引き出す構成となっている。不思議なことに、視聴を続けるうちに、いつの間にか管制員や通報者の立場に寄り添い、彼らを応援している自分に気がつく。
主人公の新人指令管制員・粕原雪を演じるのは清野菜名。フジテレビのドラマでは初主演であり、月9枠でも初主演。さらに、意外にもゴールデン帯ドラマの主演は今回が初となる。清野菜名は、映画「キングダム」シリーズ(2019~)において、「キングダム2 遥かなる大地へ」(2022)から飛信隊副長・羌瘣(きょうかい)役を演じ、アイドルスターではなくアクションスターとしても注目を集めた。今回のドラマでは、新人管制員として奮闘し、上司や先輩に励まされながら成長する姿を見せる。劇中では、彼女の特技として背景音や人物の声を特定する能力が描かれるが、これは物語の本質とは関係が薄く、やや不要に感じられた。しかし、それを差し引いても、管制員の使命感やひたむきな姿勢が彼女の演技を通してよく伝わってきた。このドラマの制作経緯は公にはされていないが、NHKが以前放送した同名のドキュメンタリー番組に触発された可能性がある。人命を救うためにバックヤードで働く人々に光を当て、その支えによって救命に協力する市民の姿を描いた、秀逸な作品であった。
主人公の新人指令管制員・粕原雪を演じるのは清野菜名。フジテレビのドラマでは初主演であり、月9枠でも初主演。さらに、意外にもゴールデン帯ドラマの主演は今回が初となる。清野菜名は、映画「キングダム」シリーズ(2019~)において、「キングダム2 遥かなる大地へ」(2022)から飛信隊副長・羌瘣(きょうかい)役を演じ、アイドルスターではなくアクションスターとしても注目を集めた。今回のドラマでは、新人管制員として奮闘し、上司や先輩に励まされながら成長する姿を見せる。劇中では、彼女の特技として背景音や人物の声を特定する能力が描かれるが、これは物語の本質とは関係が薄く、やや不要に感じられた。しかし、それを差し引いても、管制員の使命感やひたむきな姿勢が彼女の演技を通してよく伝わってきた。このドラマの制作経緯は公にはされていないが、NHKが以前放送した同名のドキュメンタリー番組に触発された可能性がある。人命を救うためにバックヤードで働く人々に光を当て、その支えによって救命に協力する市民の姿を描いた、秀逸な作品であった。