参院選京都選挙区(改選数2) ― 2025年05月21日

元京都府議の二之湯真士氏(46)が、今夏の参院選京都選挙区(改選数2)に無所属で立候補する意向を表明した。京都市内で記者会見を開き、「世代交代を実現しなければならない」と強調した。二之湯氏は京都市出身。父は元自民党参議院議員の二之湯智氏で、その秘書を務めた後、2007年の京都府議選で初当選。以後5期連続で務めた。昨年の京都市長選にも立候補したが、落選している。会見では、北陸新幹線の延伸計画について「京都にとって百害あって一利なし」と批判。府民が望まない事業に莫大な税金を投入することへの疑問を呈した。また、京都選挙区の現職議員に対しては「伝統的、歴史的な政党には制度疲労がある」と指摘し、若い世代へのバトンタッチの必要性を訴えた。若い世代への交代を目指す姿勢は評価でき、自民党を離れて信念を貫く姿勢も潔い。二之湯氏は、自民党府連会長や国家公安委員長などを歴任した父を持つ「二世議員」だが、府議時代から一貫して北陸新幹線の「小浜・京都ルート」に反対の立場をとってきた。2024年の京都市長選出馬にあたっては自民党に離党届を提出し、その後、自民党京都府連から除名処分を受けている。
京都選挙区では、自民の西田昌司氏(66)が前回選で得票率44%を獲得して圧勝しており、今回も再選を目指す。二之湯氏は、自民党という「地盤」や「看板」を捨てての立候補となり、その覚悟と勢いは注目に値する。西田氏と自民党の牙城を崩すのは容易ではないが、共産党(得票率約25%)と立憲民主党(同)による接戦に加え、令和新選組も候補者を擁立する見込みで、票が割れる可能性がある。前回の参院選では、自民党は全体で得票率3割にとどまり、残る7割を立憲・維新・共産が分け合っている。西田氏以外の候補はいずれも北陸新幹線延伸に反対しており、票が四分されれば、誰が2位に滑り込むかは予断を許さない。
興味深いのは、西田氏もまた父親から地盤を引き継いだ「二世議員」であり、今回の選挙が「新しい形の二世対決」となる点だ。また、仏教界や市民団体が北陸新幹線延伸に反対する中で、唯一インフラ投資の必要性を訴える西田氏が、人口減少が進む日本海側と関西圏の発展を結びつける重要性を説いている点には、一理あると言える。環境アセスメントの厳格な実施は大前提だが、「豆腐に縫い針ほどのストローを刺すようなシールド工法が水脈を断ち、地下水位を下げる」といった反対論には、説得力を欠く部分もある。京都では仏教界が反対に回ると事業が進まなくなる風土があり、それに違和感を抱く声も少なくない。過去に断念された拝観税についても、現在のインバウンド急増を踏まえれば、再検討の余地があったのではないか。仏教界が一種の“ディープステート”的に政治へ影響を及ぼしていると感じる人もおり、そうした京都の構造を変えたいという主張もある。そういう意味で言えば、積極財政を掲げる西田氏の一貫した主張にも、共感できる部分はある。
京都選挙区では、自民の西田昌司氏(66)が前回選で得票率44%を獲得して圧勝しており、今回も再選を目指す。二之湯氏は、自民党という「地盤」や「看板」を捨てての立候補となり、その覚悟と勢いは注目に値する。西田氏と自民党の牙城を崩すのは容易ではないが、共産党(得票率約25%)と立憲民主党(同)による接戦に加え、令和新選組も候補者を擁立する見込みで、票が割れる可能性がある。前回の参院選では、自民党は全体で得票率3割にとどまり、残る7割を立憲・維新・共産が分け合っている。西田氏以外の候補はいずれも北陸新幹線延伸に反対しており、票が四分されれば、誰が2位に滑り込むかは予断を許さない。
興味深いのは、西田氏もまた父親から地盤を引き継いだ「二世議員」であり、今回の選挙が「新しい形の二世対決」となる点だ。また、仏教界や市民団体が北陸新幹線延伸に反対する中で、唯一インフラ投資の必要性を訴える西田氏が、人口減少が進む日本海側と関西圏の発展を結びつける重要性を説いている点には、一理あると言える。環境アセスメントの厳格な実施は大前提だが、「豆腐に縫い針ほどのストローを刺すようなシールド工法が水脈を断ち、地下水位を下げる」といった反対論には、説得力を欠く部分もある。京都では仏教界が反対に回ると事業が進まなくなる風土があり、それに違和感を抱く声も少なくない。過去に断念された拝観税についても、現在のインバウンド急増を踏まえれば、再検討の余地があったのではないか。仏教界が一種の“ディープステート”的に政治へ影響を及ぼしていると感じる人もおり、そうした京都の構造を変えたいという主張もある。そういう意味で言えば、積極財政を掲げる西田氏の一貫した主張にも、共感できる部分はある。