グッド・ドクター 顔面移植 ― 2024年07月31日

交通事故で脳死状態になった少女の顔を、別の少女に移植するエピソード。父親の銃が暴発した事故で顔が変形してしまった少女モリー。彼女が目の位置を元に戻す手術を控えていたある日、交通事故で重傷を負った少女カリンが搬送されてくる。カリンは手術中に脳死状態となるが、外科部長は彼女の母に顔面移植の相談を持ちかける。母親は娘の顔を他人の顔に移植することを最初は拒んでいたが、偶然エレベーターの中でモリーを見かけ心変わりしていく。圧巻のシーンは脳死したカリンと母親が手術室に向かう廊下に、病院中のスタッフが静かに立ち並んでドナーと母親を見送る場面だ。献身に対して率直に敬意を表現するアメリカ人の素晴らしさを映し出した。これはドラマだけの話かと思ったら実話からおこしたエピソードだという。米国の一部の病院では、自分の愛する人の臓器を提供して命を救うことに同意すると、病院内の全員が臓器提供者のために集まって起立し、彼らを見送るのだという。
移植前に、両者の親は面会してモリーの父親は銃の管理を怠った自分を責め、カリンの母親は事故被害側とはいえ運転していた後悔を語り合う。移植後、カリンの母親は娘の顔を移植したモリーと家族に面会して、娘の顔をしたモリーに母としての別れを告げる。日本では原則としてドナー親族がレシピエント側に面会することは認められていない。アメリカでは両者の同意があれば面会が許可されるケースがあるらしい。しかし、移植大国の米国といえども、顔は個人のアイデンティティの一部であるため顔面移植は倫理的な問題も多いはずだ。このテーマは脳死移植が少ない日本ではTVドラマにはできないだろう。顔面移植を感動的なTVドラマにしてしまうところに米国の懐の深さを感じる。
移植前に、両者の親は面会してモリーの父親は銃の管理を怠った自分を責め、カリンの母親は事故被害側とはいえ運転していた後悔を語り合う。移植後、カリンの母親は娘の顔を移植したモリーと家族に面会して、娘の顔をしたモリーに母としての別れを告げる。日本では原則としてドナー親族がレシピエント側に面会することは認められていない。アメリカでは両者の同意があれば面会が許可されるケースがあるらしい。しかし、移植大国の米国といえども、顔は個人のアイデンティティの一部であるため顔面移植は倫理的な問題も多いはずだ。このテーマは脳死移植が少ない日本ではTVドラマにはできないだろう。顔面移植を感動的なTVドラマにしてしまうところに米国の懐の深さを感じる。