晩酌を直撃したランサムウェア ― 2025年10月04日
Windows11のアップデートを、あーでもないこーでもないと格闘してようやくインストールしたのに、ふと調べたらMBR仕様が起動するアップデート版は保守期間がすでに終了。2週間の努力が華麗に「無駄遣い」認定された。PCと私、どっちが旧式なんだろうとしばし考え込む。そんな矢先に発表されたのがWindows11の25H2アップデート版。試しに古いVAIOに入れてみたら、これが意外と通ってしまった。ただしタッチパッドは死んだまま、Bluetoothも冬眠中。まるで「動くけど走らない中古車」を押し付けられた気分だ。それでも一応はアップデートが届くので、まあ良しとする。
一方で、旧BIOSでMBR起動しかできない骨董級マシンは門前払い。そこで救世主として登場したのがLinuxMint。調べてみるとLinuxは世界で1億台、そのうちMintは900万台も動いているという。これなら旧BIOSでもスイスイ動き、しかも最新バージョンは2029年まで保守される。Windowsの短命サイクルに振り回されるより、むしろこっちの方が安心かもしれない。そんなわけでMintをインストールしながら「ふぅ、やっと平和が訪れた」と思ったら、ニュースサイトから飛び込んできたのは「アサヒグループ、ランサムウェア感染」の見出し。私のパソコン1台の騒ぎどころではない。システムが止まったせいで、コンビニからビールやチューハイが消える事態に発展したという。これ、下手したら私の晩酌ライフに直撃する大事件じゃないか。
考えてみれば、企業の情報システムって今や冷蔵庫や電気と同じくらい社会インフラだ。DDoS攻撃みたいに防ぎきれないものもあるけれど、ランサムウェアなんて内部設計や運用でかなり対策できるはず。多層防御とかゼロトラストとか横文字が並ぶけど、要するに「ちゃんと備えとけ」って話だ。それなのに全国規模でシステムが止まる──これは怠慢と呼ばれても仕方がない。ここ5年だけでもKADOKAWA、名古屋港、HOYAといった大企業が同じ目に遭っている。サイバー攻撃はもはや夏の蚊みたいなもので、毎年必ず出るのに「まあ大丈夫だろう」で刺されるパターン。
結局セキュリティは「何も起きないこと」が成果だから地味に扱われる。でも、その地味さを軽視した結果、社会全体に迷惑をかけるなら、それは経済合理性じゃなくてただのズボラだ。池井戸潤の『空飛ぶタイヤ』を思い出す。大企業の見えないリスクが下請けや消費者にしわ寄せされる構図は、サイバー攻撃にもぴったり重なる。責任をあいまいにして、公共性を軽んじて、最後に信頼を失う──お決まりの三段落ちだ。
結局のところ、企業は「儲けるため」にあるだけじゃない。「迷惑をかけない」存在でないと社会が困る。パソコンのドライバー探しに右往左往する私でさえ、ちょっとはその自覚がある。大企業がそれを忘れていたら笑えない。
というわけで今日の教訓。
「古いPCはLinuxで延命、企業はセキュリティで延命」
どちらもサボると、酒の一杯さえ失うことになるのだ。
一方で、旧BIOSでMBR起動しかできない骨董級マシンは門前払い。そこで救世主として登場したのがLinuxMint。調べてみるとLinuxは世界で1億台、そのうちMintは900万台も動いているという。これなら旧BIOSでもスイスイ動き、しかも最新バージョンは2029年まで保守される。Windowsの短命サイクルに振り回されるより、むしろこっちの方が安心かもしれない。そんなわけでMintをインストールしながら「ふぅ、やっと平和が訪れた」と思ったら、ニュースサイトから飛び込んできたのは「アサヒグループ、ランサムウェア感染」の見出し。私のパソコン1台の騒ぎどころではない。システムが止まったせいで、コンビニからビールやチューハイが消える事態に発展したという。これ、下手したら私の晩酌ライフに直撃する大事件じゃないか。
考えてみれば、企業の情報システムって今や冷蔵庫や電気と同じくらい社会インフラだ。DDoS攻撃みたいに防ぎきれないものもあるけれど、ランサムウェアなんて内部設計や運用でかなり対策できるはず。多層防御とかゼロトラストとか横文字が並ぶけど、要するに「ちゃんと備えとけ」って話だ。それなのに全国規模でシステムが止まる──これは怠慢と呼ばれても仕方がない。ここ5年だけでもKADOKAWA、名古屋港、HOYAといった大企業が同じ目に遭っている。サイバー攻撃はもはや夏の蚊みたいなもので、毎年必ず出るのに「まあ大丈夫だろう」で刺されるパターン。
結局セキュリティは「何も起きないこと」が成果だから地味に扱われる。でも、その地味さを軽視した結果、社会全体に迷惑をかけるなら、それは経済合理性じゃなくてただのズボラだ。池井戸潤の『空飛ぶタイヤ』を思い出す。大企業の見えないリスクが下請けや消費者にしわ寄せされる構図は、サイバー攻撃にもぴったり重なる。責任をあいまいにして、公共性を軽んじて、最後に信頼を失う──お決まりの三段落ちだ。
結局のところ、企業は「儲けるため」にあるだけじゃない。「迷惑をかけない」存在でないと社会が困る。パソコンのドライバー探しに右往左往する私でさえ、ちょっとはその自覚がある。大企業がそれを忘れていたら笑えない。
というわけで今日の教訓。
「古いPCはLinuxで延命、企業はセキュリティで延命」
どちらもサボると、酒の一杯さえ失うことになるのだ。