Military Wives2022年07月22日

映画「シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声」の原題は「Military Wives」。日本の配給会社は何故原題の主旨と違うぼやけたテーマにしたのだろう。連休頃から各地のミニシアターで上映され京都ではすでに終了していたので、尼崎まで観に行ってきた。とてもよかった。イギリスは音楽を題材にした映画が上手い。『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)のように時代のテーマを突きつけメガヒットを飛ばすものもあるが、単純な展開で優しさに溢れた「ブラス!」や「リトルダンサー」などの作品もある。冒頭にぼやけた日本題と書いたのは、夫の戦場からの帰還を不安の中で待つ妻たちが歌うからこの映画の意味があるのに、わざわざコアなところを避けたような日本題はいただけない。

軍事や軍隊を嫌悪する人もいるだろうが、軍隊という言葉を隠しても、姑息だという誤解を招くだけだ。映画の中で戦争反対のビラを撒く青年にビラを突き返して「私たちは戦争と結婚したようなものだから」という彼女らのセリフは重い。あなたのその表現の自由は私たちが守っているのよと。悲しむ人を支えるとはどういうことか?国がその人たちを支えるとはどういうことか。映画はその主張を彼女たちに語らせない分、余計に強く訴えてくるものがある。そして、Soldier WivesではなくMilitary Wivesという原題には明確な意思を感じる。