アストリッドとラファエル2023年07月03日

フランス犯罪資料局に勤務する、自閉症スペクトラムの文書係、アストリッドと、直情的でADHD系女性警視ラファエルのコンビが、毎回意外な真相が隠された難事件に挑む、事件のトリックは緩いが、自閉症を持つアストリッドの社会適応過程が、詳細に描かれている。どのような事件でも、アストリッドはコンビとして最初からラファエルに呼び出されて付いて回る。これは無理やしと思っていると、事件捜査に引き回されすぎたアストリッドがパニッックを発症したりと、それなりの「配慮」がされていた。 「社会力向上クラブ」の世話人、ウィリアムから、10個の豆粒で自分の消耗具合を測るようにアドヴァイスされるエピソードはおもしろい。

そもそもフランスでの自閉症の扱いは先進国の中ではもっとも遅れているとも言え構造化支援を取り入れることなどが大変遅れていた。フランスは精神分析発祥の地でもあることから自閉症を精神分析で治療しようとした時代も長かった。オーストリアのアスペルガーとアメリカのカナー、イギリスのウィング、ラターらに囲まれて意地でも両国の真似はしないプライドがあったのかもしれないフランスの自閉症観がこの30年でどう変わったのかもみてみたい。

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