ドイツVW車国内工場閉鎖2024年09月03日

VWEV車
ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は2日、同国で工場の閉鎖を検討していると明らかにした。中国勢の台頭で電気自動車(EV)の事業環境が厳しくなり、コスト削減を迫られている。VWがドイツで工場閉鎖に踏み切れば、1937年の同社設立以来で初めてとなる。乗用・商用車工場やグループの部品工場の閉鎖に加え、従業員の削減も検討されている。VWはドイツで約30万人を雇用しておりドイツ経済に大きな打撃を与えることは必至となる。日本ではハイブリッド車のゴルフがそこらじゅうを走っているがドイツではEVに舵を切っていたらしい。同じくドイツ車のベンツも同じような状況であるという。ヨーロッパでの中国車進出は、かつて米国に安価な日本車が入って国内サプライチェーンを脅かし日米貿易戦争が起こった80年代を思い出す。1968年にGDP世界2位に上り詰め85年のプラザ合意まで円安で輸出がイケイケ状態だったころだ。ドル・ユーロ高の今も同じような現象だが、一つ違うことが世界的な脱炭素キャンペーンだ。

高性能ハイブリッドの日本車を封じ込めようとしたEUの電気自動車ブームだったが、勝ち残ったのは安価な石炭発電電力と安価で圧倒的な労働人口に支えられた中国の自動車産業だった。脱原発と脱炭素に舵を取ったメルケルの政策は露のウクライナ侵略でLNG発電の供給も絶たれた。高い電気代では工場稼働しても儲けにならないのだ。好景気で移民労働を大量に受け入れたことも今後の国内経済の足かせになってくる。熱狂的な脱炭素キャンペーンは中国の世界戦略のための陰謀ではないかと疑ってしまう。中国は、二酸化炭素の世界排出量の3割を超えて排出し続けて工業生産を伸ばし、脱炭素の電気自動車だと各国に輸出してシェアを伸ばした。東ドイツ出身のメルケルは社会主義への幻想があり中・露を甘く見過ぎた。複雑なハイブリッドエンジン技術は部品製造まで含めた技術なので簡単には他国にコピーされない。結局、豊田社長の先見性が世界に証明されたことになる。わが国の政治家たちがメルケルの轍を踏まぬようにと願うばかりだ。
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