読み書きのバリアフリー ― 2024年09月28日
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発達性読み書き障害の事例研に参加した。ひらがなを定着させる方略はあるが、読み書き障害の中核的な音韻障害、文字と文字を結びつける単語認識の向上についてエビデンスのある方略はない。「あ」「か」「い」を見て「赤い」と瞬時に認識するには、このひとつづつの音を結び付けて「あかい」と認識し、記憶の中から「赤い」を意味とともに引き出して認識する過程がある。これをチャンキングというが、この機能がうまくいかないのが音韻意識の弱さの本質だ。ひらがな一音づつが認識できてもこれを結びつけることが難しいのが発達性ディスレクシアの中心的な問題である。確かに一音一文字を合致させひらがな50音を覚えることが必要なのは間違いないが、ひらがなの一音一音を結び付けるためには単語をひと固まりとして認識する必要がある。音韻障害はここに大きな壁がある。
重篤な音韻障害がない限りは何とか読み書きできるようになる。しかし、文字のつながりを認識できない人には、これだけでは解決しない。単語を認識するには、文字の塊を単語として認識する必要があるが、ここに障害を抱えている人には次のステップはかなり大きい。エビデンスが証明されたトレーニングの実践もない。今のところは、単語が認識できない方には、読み書きにこだわらずに聞く喋るに特化した教育が求められる。読み書きはあきらめて他の方法で知識や思考を育てることが大事だ。機能的に歩けない人に回復の見通しのない歩行訓練をするより、バリアフリー環境を準備する方が社会参加の有効な手立てとなる。機能的に読み書きが難しい人に、読み書きの訓練を行うより、読み書きしなくても学習ができる環境を準備した方が才能を開発できる。重篤な音韻障害の事例に出会うたびに、読み書きのバリアフリー概念の普及を願うばかりだ。
重篤な音韻障害がない限りは何とか読み書きできるようになる。しかし、文字のつながりを認識できない人には、これだけでは解決しない。単語を認識するには、文字の塊を単語として認識する必要があるが、ここに障害を抱えている人には次のステップはかなり大きい。エビデンスが証明されたトレーニングの実践もない。今のところは、単語が認識できない方には、読み書きにこだわらずに聞く喋るに特化した教育が求められる。読み書きはあきらめて他の方法で知識や思考を育てることが大事だ。機能的に歩けない人に回復の見通しのない歩行訓練をするより、バリアフリー環境を準備する方が社会参加の有効な手立てとなる。機能的に読み書きが難しい人に、読み書きの訓練を行うより、読み書きしなくても学習ができる環境を準備した方が才能を開発できる。重篤な音韻障害の事例に出会うたびに、読み書きのバリアフリー概念の普及を願うばかりだ。