道路陥没事故 ― 2025年02月03日

埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け、地中インフラ設備の老朽化対策が注目されている。クボタなどが開発する、道路を掘り返さずに老朽化した下水道管を更新できる「管更生」技術は、通行止めを避けながら低コストでの改修を可能にする。また、AIを活用した水道管の老朽度診断と災害時の被害予測システムも開発されている。これにより、断水リスクが高いエリアを特定し、優先的な耐震化工事が可能になる。八潮市の道路陥没では、ガス管や光通信ケーブルも被害を受けた。大規模な陥没は想定されていないものの、地震などの災害対策は進められている。大阪ガスは阪神大震災後、柔軟性がありガス漏れしにくい「ポリエチレン管」の導入を推進。小規模な陥没には耐えられる可能性が高く、破損時にも供給停止範囲を最小限に抑えるため、導管網の細分化を進めている。通信インフラでは、NTT西日本が通信ケーブルを集積した「とう道」を震度7の地震にも耐えられる設計にし、通信障害の防止を図っている。今回の事故を機に、インフラ各社は老朽化や災害リスクへの対策をより強化する方針という。これまで、道路の陥没はアスファルトの問題だと思っていたため、今回の事故には驚いた。実際には、下水管の亀裂から上部の土砂が流れ込み、地中に空洞ができた結果、道路が陥没したり亀裂が生じたりすることがある。車道は強固なものだという思い込みは危険で、実際、日本各地で下水道破損による道路陥没が発生している。今回の事故は、大交差点での大規模な陥没であり、信じられないと思った人も多いだろう。
高度経済成長期に急速に整備された下水管の寿命は50年とされる。小規模な下水管の破損では今回のような事故は起こらないが、幹線道路下にある大規模な下水管の破損は、大事故につながる恐れがある。地盤の緩い埋め立て地や浸水被害の多い地域では特に注意が必要だとされるが、運転時にそれを意識する人は少ないだろう。重要なのは、事前のリスク発見と確実な修復技術の普及だ。下水管内に「管更生」ロボットが潜り込んで修復する技術には大いに期待できる。地方再生のために予算をばらまくくらいなら、こうした技術の開発と急速な普及に税金を投入してほしいものだ。
高度経済成長期に急速に整備された下水管の寿命は50年とされる。小規模な下水管の破損では今回のような事故は起こらないが、幹線道路下にある大規模な下水管の破損は、大事故につながる恐れがある。地盤の緩い埋め立て地や浸水被害の多い地域では特に注意が必要だとされるが、運転時にそれを意識する人は少ないだろう。重要なのは、事前のリスク発見と確実な修復技術の普及だ。下水管内に「管更生」ロボットが潜り込んで修復する技術には大いに期待できる。地方再生のために予算をばらまくくらいなら、こうした技術の開発と急速な普及に税金を投入してほしいものだ。