ディズニーアニメとDEI2025年02月18日

ディズニーアニメとDEI
ディズニーの動画配信サービスで19日から独占配信される新作アニメを巡り、トランスジェンダーに関するエピソードの一部が削除されたと報じられた。米国ではLGBTQへの配慮が過剰ではないかという声が高まり、トランプ新政権がDEI(多様性・公平性・包括性)施策を見直す中、ディズニー社は「楽しさ」を重視する方針を示した。削除されたエピソードでは、トランスジェンダーの登場人物の性自認が扱われていた。ディズニーは「特定のテーマについては親が子供と話し合うべき」と説明している。近年、ディズニーはDEI推進のメッセージを作品に取り入れてきたが、子供向け作品における性的マイノリティの描写には賛否があり、同性キスシーンが一部地域で上映禁止となることもあった。DEI推進は政治問題化し、昨年の米大統領選ではその行き過ぎを批判したトランプ氏が勝利。こうした世論の変化を受け、ディズニーはエンターテイメント重視へ回帰する姿勢を示している。最近の欧米映画では、史実を扱っているにもかかわらず、不自然に有色人種が登場し、リアリティが損なわれることがある。映画はフィクションではあるし、世界の人口の約7割を有色人種が占めるので、それに応じたキャスティングがされるべきだという考えもある。しかし、例えば日本の戦国時代を描いた映画で白人が3割も登場すれば、リアリティを欠き、興ざめしてしまうだろう。歴史を基にした作品には、エンターテイメントであっても一定のリアリティが求められる。

性的マイノリティは尊重されるべきであり、彼らの生き方をテーマにした映画が作られることには何の問題もない。それが作品のテーマだと理解して観ることができるからだ。しかし、映画やアニメ、ゲームにおいて、過剰に多様性を強調し、同性愛や性自認の要素を挿入する風潮には疑問が残る。映画の性描写はキスまでなら許容され、それ以上は子供が観るものではないというのは今も変わらない。人口の1割未満の性的マイノリティの性描写を、これほどまでに映画やアニメで強調する必要があるのかと改めて考えさせられる。大統領が変われば映画も変わると言われるが、今回の件は子供向け映画が従来の形に戻っただけのことではないだろうか。
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