兵庫県百条委員会の報告案2025年02月19日

百条委員会の報告案
兵庫県知事・斎藤元彦氏のパワハラ疑惑に関する百条委員会の調査報告書案が公表された。報告書は、斎藤氏のパワハラ疑惑について「おおむね事実」と認定し、職員に対する強い叱責や夜間・休日のチャット指示が、厚生労働省のパワハラ定義に照らして「パワハラに近い不適切な叱責」と判断した。さらに、昨年7月に死亡した元県民局長の告発文書が公益通報に該当すると認め、斎藤氏が記者会見で告発者を公表したことを「不適切な対応」と非難した。報告書案は、公益通報者保護法の観点から告発者に対する懲戒処分の撤回を提言しているが、各会派の意見は分かれている。自民党内部でも見解が割れ、維新の会は「パワハラ認定は困難」「公益通報者保護法上の違法性はない」との立場を示している。百条委員会は3月上旬の報告書提出を目指しているが、違法性の有無に関して賛否両論があり、統合案が大きく変更される可能性もあるという。今回の報道では「違法性がある」とする議員の意見が優勢に扱われているが、反対意見も多く、確定的な結論には至っていない。この報道の論調には、違法性を認める立場に寄った印象も受ける。

圧倒的な県民の支持を得て再選した斎藤知事だが、反斎藤派は選挙前からオールドメディアを利用して「おねだり知事」と中傷し、PR会社の公選法違反容疑を大々的に報じるなど、執拗に批判を展開してきた。また、斎藤知事に違法性はないと主張する立花候補との選挙戦を「二馬力選挙」と揶揄するなど、何としても斎藤氏を失脚させたい意図が透けて見える。しかし、仮に明確な違法行為があるのなら、刑事告発すれば済む話であり、捜査権限を持たない百条委員会が半年もかけて調査する意義は薄い。それどころか、真偽不明の内部情報が漏洩し、結果として議会そのものの権威を損なっている。一方で、斎藤知事側も、告発内容が事実無根と確信していたのであれば、慌てて処分を下すべきではなかった。仮に告発が虚偽であれば、告発者は虚偽告訴や誣告罪に問われる可能性があり、退職後であっても適切な行政処分を行うことは可能だった。結局、この騒動は、反斎藤派の稚拙な策略と、それに動揺した斎藤知事側の冷静さを欠いた対応が招いたものだ。さらに、この混乱に議会とメディアの不見識が加わり、火に油を注いだといえる。選挙によって決着がついたと考える県民にとって、この一連の騒動に振り回される議会やメディアの姿は、失望を招くものとなっているだろう。
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