教員採用試験「前倒し」 ― 2024年06月18日

教員採用試験の志願者減少対策として、試験日程を前倒しする教育委員会が増えている。これは、文部科学省が民間企業の選考解禁日に合わせた「標準日」を6月16日に設定したことへの対応だ。しかし、民間企業の選考解禁日は4月1日であり、実際の内定承諾は5月以前が約7割を占めている。さらに、教員の採用内定は民間企業よりも3ヶ月以上遅いため、「前倒し」は効果的ではないという指摘もある。実際、前倒しを実施しても志願者数は2割程度しか増加していない。近年、民間企業では「青田刈り」と呼ばれる早期内定が一般的となっている。デフレ下の就職難では、何十社も面接を受けても採用されない「就活ジプシー」が社会問題化した。一方、不況下では公務員の安定性から一定の競争率が確保できていた。しかし、少子化と好況が相まって、教員の仕事はブラックで、金銭的にも時間的にも魅力のない仕事と学生に映るようになっている。
教員の長時間労働が問題視されることが多いが、その根源は勤務制度ではなく、学校現場を自分たちの手で変革できないという失望感にある。この失望感は、教育行政と学校現場の二重構造に起因している。教員の権限が低下した現代において、一人で多様なニーズに対応するのは常人では難しい。そこで提案したいのが、権限が肥大化した教育行政を縮小し、現場に裁量権を与えることだ。教育行政はネガティブリストで最低限のコンプライアンス管理を行うにとどめ、採用試験は毎月実施し、自治体が認定・斡旋する期間限定の教員資格程度とすればよい。雇用契約は実際に働く現場で行うべきだろう。そもそも終身雇用の時代でもないのに、一生預けるような試験制度は時代に合っていない。これらの改革を実施することで、教職はより魅力的なものとなり、教員採用試験の志願者減少問題の解決にもつながるだろう。
教員の長時間労働が問題視されることが多いが、その根源は勤務制度ではなく、学校現場を自分たちの手で変革できないという失望感にある。この失望感は、教育行政と学校現場の二重構造に起因している。教員の権限が低下した現代において、一人で多様なニーズに対応するのは常人では難しい。そこで提案したいのが、権限が肥大化した教育行政を縮小し、現場に裁量権を与えることだ。教育行政はネガティブリストで最低限のコンプライアンス管理を行うにとどめ、採用試験は毎月実施し、自治体が認定・斡旋する期間限定の教員資格程度とすればよい。雇用契約は実際に働く現場で行うべきだろう。そもそも終身雇用の時代でもないのに、一生預けるような試験制度は時代に合っていない。これらの改革を実施することで、教職はより魅力的なものとなり、教員採用試験の志願者減少問題の解決にもつながるだろう。