FBファクトチェックを廃止 ― 2025年01月08日

米メタ社は、SNSのフェイスブックやインスタグラムにおいて行われていた第三者による投稿内容のファクトチェックを廃止すると発表した。ザッカーバーグCEOは、検閲が行き過ぎたことを理由に表現の自由の回復に注力すると説明し、利用者同士で投稿内容を指摘する仕組みである「コミュニティーノート」を導入する方針を示した。この新たな措置は、まずアメリカ国内で実施される予定だ。メタは2016年から偽情報対策としてファクトチェックを導入してきたが、2021年の連邦議会襲撃事件を受けてトランプ氏のアカウントを停止するなど対立があった。一方で、大統領選挙後にはトランプ氏の大統領就任式関連基金に寄付を行い、関係改善を図ってきた。アメリカのメディアは、今回の決定がトランプ氏の就任を見据えた動きであると報じた。4年前の米国大統領選を契機に大手SNSが勝手にユーザーアカウントを閉鎖する事態が相次いだ。その後、閉鎖や警告は選挙関連だけではなく人種問題やパンデミック関連にまで及び、いわゆる保守系のインフルエンサーやその支持者の発言がSNSから追い出される事態が相次いだ。
巨大化したフェイスブック、ツイッター(現X)、ユーチューブは万人に影響を与えるが、一民間会社に万人の表現の自由を制限する権限はないと批判する意見と、一民間会社である以上、適度な規制はユーザーをつなぎとめるための経営戦略の一環だとする意見が対立してきた。しびれを切らしたIT長者イーロン・マスクがツイッター社を買収し、役員を解雇して行き過ぎた規制に歯止めをかけたのは記憶に新しい。今回のメタ社の対応は「長いものに巻かれろ」式であるかもしれないが、Xで導入されている「コミュニティーノート」に切り替えるという判断は妥当だ。言論には言論で対抗するのが筋だからだ。確かに、嘘が喧伝され、大衆が誘導されることで不要な対立が生じるのは由々しき事態である。しかし、大手メディアもこれまで嘘や「報道しない自由」、さらには「切り取り」を駆使して大衆を誘導してきた経緯がある。SNSは嘘を流す場となり得る一方で、メディアや権力者の嘘を暴く手段ともなる。これは、いわば情報流通の民主主義革命と言えるだろう。ただし、情報流通が大衆の手に渡ったとしても、それが公平で安全な社会を保障するかどうかは別問題である。SNSが生み出した「アラブの春」や「雨傘運動」が暴力の前に沈んでいった事例が示す通りだ。それでも、表現の自由が民主主義の砦であることは変わらない。自社規制で最後に残ったのはグーグル社のユーチューブである。「コロナ」「ワクチン」への批判発言等がAIで検索されると警告や閉鎖されるのでユーチューバの中では禁句だと言われる。また、通告制度を用いて気に入らない番組を閉鎖に持ち込む仕組みも公平なものとは言えず閉鎖の経過や理由すら示されない。中国共産党の反党分子探しや公安のスパイ探しのようで気味が悪い。
巨大化したフェイスブック、ツイッター(現X)、ユーチューブは万人に影響を与えるが、一民間会社に万人の表現の自由を制限する権限はないと批判する意見と、一民間会社である以上、適度な規制はユーザーをつなぎとめるための経営戦略の一環だとする意見が対立してきた。しびれを切らしたIT長者イーロン・マスクがツイッター社を買収し、役員を解雇して行き過ぎた規制に歯止めをかけたのは記憶に新しい。今回のメタ社の対応は「長いものに巻かれろ」式であるかもしれないが、Xで導入されている「コミュニティーノート」に切り替えるという判断は妥当だ。言論には言論で対抗するのが筋だからだ。確かに、嘘が喧伝され、大衆が誘導されることで不要な対立が生じるのは由々しき事態である。しかし、大手メディアもこれまで嘘や「報道しない自由」、さらには「切り取り」を駆使して大衆を誘導してきた経緯がある。SNSは嘘を流す場となり得る一方で、メディアや権力者の嘘を暴く手段ともなる。これは、いわば情報流通の民主主義革命と言えるだろう。ただし、情報流通が大衆の手に渡ったとしても、それが公平で安全な社会を保障するかどうかは別問題である。SNSが生み出した「アラブの春」や「雨傘運動」が暴力の前に沈んでいった事例が示す通りだ。それでも、表現の自由が民主主義の砦であることは変わらない。自社規制で最後に残ったのはグーグル社のユーチューブである。「コロナ」「ワクチン」への批判発言等がAIで検索されると警告や閉鎖されるのでユーチューバの中では禁句だと言われる。また、通告制度を用いて気に入らない番組を閉鎖に持ち込む仕組みも公平なものとは言えず閉鎖の経過や理由すら示されない。中国共産党の反党分子探しや公安のスパイ探しのようで気味が悪い。