五輪ボクシング女子性分化疾患 ― 2024年08月02日

パリ五輪ボクシング女子66キロ級の試合に、昨年の女子世界選手権の性別テストで不合格となったアルジェリア選手が出場した。対戦相手のイタリア選手は強烈なパンチを浴び、開始46秒で棄権した。国際オリンピック委員会(IOC)は試合後、選手の性別はパスポートに基づくとして「すべての人は差別なくスポーツする権利を持っている」とする声明を発表したが、公平性や安全性の観点から物議を醸している。世界選手権は国際ボクシング協会(IBA)が主催するが、五輪からは組織運営や不正判定の問題で排除され、五輪ボクシングはIOC管轄下で行われている。IBAは「競技者の安全と健康を第一に考え、男女間のボクシング試合を決して支持しない」「なぜボクサーを重大なけがにつながる危険にさらすのか理解できない」とIOCを批判した。アルジェリアの選手はIBAの性別テストでXY染色体が検出され、生物学的に男性と判定され女性競技出場を禁止された経緯がある。IOCはアルジェリア国家が女性としてパスポートで認めているものを覆せないという政治的な判断なので、両者の意見はかみ合っていない。その間隙をついてLGBTQ問題としてポリコレで煽って炎上しているという構図だが、この問題はいわゆるLGBTQ問題ではない。選手は見かけ上の身体も、心も女性であり、DNA検査上男性だと判定されたからだ。
アルジェリアの選手(25)は女性の体形をして生まれてきた。16歳までは女子サッカーに参加して活躍したという。その後ボクシングに興味を持ち、練習を始め19歳でデビュー。23歳でIBA世界大会で準優勝するが、翌年の世界大会決勝前にDNA検査でXY染色体と男性ホルモンが女性の規定値以上に検出され失格となる。つまり、性分化疾患と判明したのはこの時だったと推測される。選手にとっては青天の霹靂だったと思う。体形も性自認も周囲の認識も女性だった選手が、検査で男性の筋肉を持つと判明したのだから、選手に責任はない。これがポリコレ騒動に巻き込まれたわけであるから、責任は資格審判をするIOCにある。IBAは極めてまともに選手の安全と試合の公平を主張しているのだが、これまでのトップの独裁的な運営や汚職体質の経歴によってIOCから放逐されているのでIOCへの政治力が働かない。できることは対戦する女性選手が試合をボイコットして世間に訴えるしか方法がないのがもどかしい。
アルジェリアの選手(25)は女性の体形をして生まれてきた。16歳までは女子サッカーに参加して活躍したという。その後ボクシングに興味を持ち、練習を始め19歳でデビュー。23歳でIBA世界大会で準優勝するが、翌年の世界大会決勝前にDNA検査でXY染色体と男性ホルモンが女性の規定値以上に検出され失格となる。つまり、性分化疾患と判明したのはこの時だったと推測される。選手にとっては青天の霹靂だったと思う。体形も性自認も周囲の認識も女性だった選手が、検査で男性の筋肉を持つと判明したのだから、選手に責任はない。これがポリコレ騒動に巻き込まれたわけであるから、責任は資格審判をするIOCにある。IBAは極めてまともに選手の安全と試合の公平を主張しているのだが、これまでのトップの独裁的な運営や汚職体質の経歴によってIOCから放逐されているのでIOCへの政治力が働かない。できることは対戦する女性選手が試合をボイコットして世間に訴えるしか方法がないのがもどかしい。