ラストマイル2024年08月29日

「ラストマイル」は、テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」で売れっ子の監督・塚原あゆ子と「逃げ恥」でブレイクした脚本家・野木亜紀子が再タッグを組み連続爆破事件を描くサスペンス映画。事件はブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの物流センターから配送された段ボール箱が爆発することから始まり、日本中に恐怖が広がる。物流センター長の舟渡エレナ(満島ひかり)とマネージャーの梨本孔(岡田将生)が事態収拾にあたる。関係者役で阿部サダヲとディーン・フジオカ、捜査担当刑事役で「アンナチュラル」の大倉孝二、「MIU404」の酒向芳が出演する。また、「アンナチュラル」から石原さとみ、井浦新、窪田正孝、「MIU404」から綾野剛と星野源も再結集した。主題歌は米津玄師が担当し、売れ筋ドラマ人が結集した映画だった。物流センターのロケ地はトラスコ中山の物流センターが使用され、自動化された段ボール梱包の流れは見ているだけで楽しい。ハイテクを駆使する物流センターから吐き出された荷物が、完全ローテクの人力で配送先の「ラスト1マイル」が一箱150円の手数料で届けられるコントラストも冴えている。

ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」のメンバーが数カット登場するが、2時間の上映時間の中には収まり切れず、石原さとみや綾野剛が中途半端な登場となり残念だった。カメラワークやVFXはかなり進化したのを感じさせる。猛烈な爆発シーンが大音響で鳴り響くたびに椅子から飛び上がった。安物中華製家電に凌駕されて倒産した会社から、零細配送業者の父を頼って配達を手伝っていた息子が、ラストシーンで自分が家電会社時代に作った頑丈な洗濯機で危機一髪を凌ぐ伏線回収もなかなか気が利いている。この夏はキングダム以外ましな映画がなかったので、夏の映画鑑賞はこれで良しとする。
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