「移住婚」支援金 ― 2024年08月30日
政府は、東京23区に在住・在勤の女性が結婚を機に地方へ移住する「移住婚」支援金の構想を2025年度予算の概算要求から取りやめることを決定した。当初、内閣官房は地方創生や女性人口確保策の一環として、結婚をきっかけに東京23区から地方へ移住する女性に最大60万円を支援する制度を新設し、2025年度概算要求に関連経費を盛り込む予定であった。しかし、この構想が明らかになると、「女性限定はおかしい」「実効性がない」「金額が少ない」などの批判が相次いだ。これを受け、自見地方創生相は30日の会見で、「男女の賃金格差やジェンダーバイアスに苦しむ国民の声を聞き、移住支援のあり方を再検討する」という。急激な少子化と人口集中対策の一つとして、地方に移住を促す発想は間違っていない。現在でも東京から地方へ単身者が勤労移住すれば60万円の支援金がある。2019年度から実施されたこの制度は1万6千人が利用したという。勤労者だけでなく結婚理由の女性移住も加えたかったのは理解できる。
焼石に水のようなわずか60万円では話にならない。単身者向け地方移住支援金も含め支援金額がこの10倍なら状況は変わったかもしれない。結婚してカップルで地方移住すれば1200万円の支援となれば誰もがこぞって移住する。23区の40歳までの成人在住者250万人のうち100万人の移住を支援するとすれば費用は6兆円、これを提案する度胸が今の政治家にあるとは思わないが、いつまでたってもちびちびと施しを行うバラマキ政治では問題解決しない。人口集中を解決するには地方に住む経済的メリットが大きい必要がある。地方でも正規の仕事があり、東京で暮らすよりも可処分所得が増えなければ都市への人口集中は止まらない。地方勤労なら生涯の税負担が少なく東京なら高いという傾斜税制にして都市と地方の家庭の経済格差を是正すれば人口動態も変わっていく。地方で稼ぐ方が実入りが大きいとわかれば人手不足の企業も地方に動くだろう。税制は権力構造の本丸だが、減税を含め誰もが財務省の報復を恐れて抜本的改革に手を付けようとはしない。つぎはぎのバラマキはやめて制度を抜本的に変えようとする腹の座った政治家はいないものか。とはいえ所得の全国平均と東京の所得差は60万円なので税負担で可処分所得を平準化すると地方勤労者の納税額はゼロ以下になり非現実的だ。他には地方の消費税を止め都市部だけ20%にする方法もある。どちらも財務省との血みどろの戦いになるだろうが、指をくわえて人口減少を許すか真正面から抗うかの選択だ。
焼石に水のようなわずか60万円では話にならない。単身者向け地方移住支援金も含め支援金額がこの10倍なら状況は変わったかもしれない。結婚してカップルで地方移住すれば1200万円の支援となれば誰もがこぞって移住する。23区の40歳までの成人在住者250万人のうち100万人の移住を支援するとすれば費用は6兆円、これを提案する度胸が今の政治家にあるとは思わないが、いつまでたってもちびちびと施しを行うバラマキ政治では問題解決しない。人口集中を解決するには地方に住む経済的メリットが大きい必要がある。地方でも正規の仕事があり、東京で暮らすよりも可処分所得が増えなければ都市への人口集中は止まらない。地方勤労なら生涯の税負担が少なく東京なら高いという傾斜税制にして都市と地方の家庭の経済格差を是正すれば人口動態も変わっていく。地方で稼ぐ方が実入りが大きいとわかれば人手不足の企業も地方に動くだろう。税制は権力構造の本丸だが、減税を含め誰もが財務省の報復を恐れて抜本的改革に手を付けようとはしない。つぎはぎのバラマキはやめて制度を抜本的に変えようとする腹の座った政治家はいないものか。とはいえ所得の全国平均と東京の所得差は60万円なので税負担で可処分所得を平準化すると地方勤労者の納税額はゼロ以下になり非現実的だ。他には地方の消費税を止め都市部だけ20%にする方法もある。どちらも財務省との血みどろの戦いになるだろうが、指をくわえて人口減少を許すか真正面から抗うかの選択だ。