ホンダと日産が経営統合 ― 2024年12月21日
![ホンダ日産経営統合 ホンダ日産経営統合](http://so2.asablo.jp/blog/img/2024/12/21/6e97c5.jpg)
ホンダと日産が経営統合に向けた協議を進めていることが判明。23日にも覚書を締結し、三菱自動車を含めた新たな持ち株会社設立を目指す。これが実現すれば、世界販売台数でトヨタグループに次ぐ3位の自動車グループとなり、日本市場で勢力が二分される見通し。両社は電気自動車(EV)や次世代車(SDV)開発で米テスラや中国BYDといった新興勢力に対抗するため、投資負担を分担し経営効率の向上を図る。また、日産を狙う買収の可能性が取り沙汰されており、統合には防衛策の意味も含まれる。2023年の3社合計販売台数は813万台で、トヨタグループやフォルクスワーゲンに次ぐ規模となる。これにより、基幹部品メーカー間の再編が進む可能性もあるという。日産の経営立て直しで工場閉鎖や従業員大量整理の報道から1カ月がたった。どのアナリストも日産の経営立て直しは困難との見通しを示してきた中での今回の経営統合の報道となり、日産株はストップ高になるまで株価を上げた。日産ホンダ三菱の経営統合は現状の販売台数の上ではシェアを優位にしたが、その電気自動車戦略はまだわからないので逆にホンダは株価を下げている。これで、ハイブリッドと水素エンジン戦略のトヨタグループとEV戦略の日産ホンダ三菱グループに日本自動車界地図がくっきり二つに分かれた感がある。
バッテリー駆動のEV(電気自動車)は、脱炭素運動に呼応して売り上げを伸ばしてきた。しかし、EV導入に積極的だったヨーロッパでは、充電インフラの問題が顕在化し、さらに寒冷地ではバッテリー性能が低下して長距離走行が困難になるなど、使い勝手の悪さから人気を落としている。加えて、中国製の補助金による安価なEVが市場に溢れたことで、欧州自動車メーカーは競争力を失い、工場閉鎖や人員削減といった深刻な問題に直面している。このような状況から、EV推進はむしろ国内経済を悪化させるという批判が高まり、「欧州から追い出したかったトヨタのハイブリッド車の方が現実的だ」という風潮に変わりつつある。日産は、世界初の量産型EV「リーフ」を開発し、多くのEV技術を持つが、中国製の安価なEVに対抗できず、主戦場のアメリカ市場でもハイブリッド車のラインナップが乏しいため、原価割れの販売を強いられ、経営が困難になっている。ただ、EVの充電問題や車両重量の問題(「バッテリーの塊」とも揶揄される車重の重さ)を解決すれば競争力を取り戻せる可能性がある。世界で競争が進む次世代の全固体電池の開発では、日本企業が優位に立っている。かつてインターネットがその実用性を疑問視されていたが、高速回線やWi-Fiの普及で新興勢力のGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)を中心としたeコマース市場を拡大させたように、全固体電池やAIを活用した自動運転技術を持つ企業が次の勝者となる可能性が高い。それまでの間、日産はハイブリッドエンジンの不足を補うためにホンダから供給を受け、ラインナップを強化する。一方、ホンダは日産の強力なサプライチェーンや販売網を活用することで、両社の統合がシナジーを生み、競争力を向上させる可能性はある。日産はシャープや東芝のような海外資本への身売りをして培ってきた技術を奪われてはならないと思う。
バッテリー駆動のEV(電気自動車)は、脱炭素運動に呼応して売り上げを伸ばしてきた。しかし、EV導入に積極的だったヨーロッパでは、充電インフラの問題が顕在化し、さらに寒冷地ではバッテリー性能が低下して長距離走行が困難になるなど、使い勝手の悪さから人気を落としている。加えて、中国製の補助金による安価なEVが市場に溢れたことで、欧州自動車メーカーは競争力を失い、工場閉鎖や人員削減といった深刻な問題に直面している。このような状況から、EV推進はむしろ国内経済を悪化させるという批判が高まり、「欧州から追い出したかったトヨタのハイブリッド車の方が現実的だ」という風潮に変わりつつある。日産は、世界初の量産型EV「リーフ」を開発し、多くのEV技術を持つが、中国製の安価なEVに対抗できず、主戦場のアメリカ市場でもハイブリッド車のラインナップが乏しいため、原価割れの販売を強いられ、経営が困難になっている。ただ、EVの充電問題や車両重量の問題(「バッテリーの塊」とも揶揄される車重の重さ)を解決すれば競争力を取り戻せる可能性がある。世界で競争が進む次世代の全固体電池の開発では、日本企業が優位に立っている。かつてインターネットがその実用性を疑問視されていたが、高速回線やWi-Fiの普及で新興勢力のGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)を中心としたeコマース市場を拡大させたように、全固体電池やAIを活用した自動運転技術を持つ企業が次の勝者となる可能性が高い。それまでの間、日産はハイブリッドエンジンの不足を補うためにホンダから供給を受け、ラインナップを強化する。一方、ホンダは日産の強力なサプライチェーンや販売網を活用することで、両社の統合がシナジーを生み、競争力を向上させる可能性はある。日産はシャープや東芝のような海外資本への身売りをして培ってきた技術を奪われてはならないと思う。